24ky-17
石見 颯真(愛工大名電3年)遊撃 176/76 右/左 | |
選抜では、今朝丸 裕基(報徳学園-阪神2位)投手から、2安打放った 石見 颯真 。打撃の潜在能力は、かなり高そうに見えた。選抜では追跡級の評価として保留していていたので、最終評価をしてゆきたい。 走塁面:☆☆☆ 3.0 選抜では、一塁までの到達タイムを計測する機会はなかった。この夏の名古屋たちばな戦ではセーフティバントを決め、この時のタイムは左打席から 3.50秒 として極めて速かった。しかし、これは、あらかじめ走り出していたため、タイムとしては参考にならない。下級生の時に、4.0秒前後で到達した記憶があるのだが、このタイムを参考にすると、ドラフト候補としては 中の上ぐらい。しかしこの夏は、5試合で0盗塁と、それほど走力を全面に出したプレースタイルでは無さそうだ。 守備面:☆☆☆ 3.0 名古屋たちばな戦では、打球が全く飛んで来なかった。しかし、その前に行われた 菊華戦では、深いところからダイナミックに刺すプレーを魅せている。その他にも、イレギュラーした打球でヒットと記録されたが、ショートゴロを捕れない場面もあった。選抜で見た印象どおり、ショートとしてはやや重苦しいイメージがある。そのため、上のレベルではサードなり、別のポジションを担ってゆくのではないのだろうか。 そういった意味では、走力も肩も基準以上のものはありそうなものの、やはりこの選手は、打ってなんぼの色彩は強い。 (打撃内容) この夏の愛知大会では、5試合(20打数) 0本 3点 打率.350厘 と、確認できた2試合では2番打者として出場していた。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 左打席から足を軽く引いて、グリップは高めに添えられている。腰を深めに据わらせ、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスとしてはそれなりといった感じがする。打席によってバットを倒したり立てたりと、相手投手に応じていろいろ構えも変えてきているのかもしれない。 <仕掛け> 早め~遅すぎ 始動のタイミングも複数あり、普段は投手の重心が下がり出す時に動き出す「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多く見られる。一度上げた足を降ろして、リリース直前に再び動き出す「遅すぎる仕掛け」を行っていることもあり、状況や相手次第によっても、動き出すタイミングや足の動かし方も複数使い分けてくる。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 足を上げて回し込み、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップをすることが多い。ただし、狙っている方向によって、踏み出す方向も複数使い分けているようだ。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応できている。 また、レフト方向への意識がある時は、踏み出した足元も動かずに我慢できる。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも、食らいつくことができている。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」を作るのも自然体で、力み無くボールは呼び込む。ただし、始動が遅い時でもそうなので、速い球に立ち遅れないように注意したい。バットの振り出しも、上からダウンスイングする時もあるが、普段はそれほどインサイドアウトで内からバットが出てくるわけではない。 それでも外角の球をさばく時には大きなロスはないし、バットの先端であるヘッドまでは下がらないので、広い面でボールを捉えられる。それだけ、フェアゾーンにボールも飛びやすいのではないのだろうか。スイングの弧が非常に大きく、打球に角度を付けて飛ばすスイングではないものの、強烈な打球を生み出す原動力になっておりスケールも感じられる。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げも静かで、身体の開きも我慢できている。軸足の内モモも強そうで、強烈な打球を生み出す原動力になっている。軸足にも粘りが感じられ、上手く流すこともできていた。 (打撃のまとめ) 複数のスイングを状況に応じて使い分けられる、引き出しの多さには目を見張るものがある。そういった意味では、天才肌の選手なのかもしれない。まだ、その技術に身体がついていけなかったり、打撃は発展途上の段階かもしれない。しかし、今後精度が高まって来ると、プロの中でも打撃で異彩を放てるようになっても不思議ではない。 (最後に) まだ守備でも走塁でも打撃でも、その能力を遺憾なく発揮できている感じはしない。打撃が非凡なのは間違いないと思うが、まだその潜在能力の高さをパフォーマンスとして表現することに課題を感じる。今後物凄い打者になってゆくかもしれないが、現時点ではそこまで高い評価はし難い。果たしてどのような打者に育ってゆくのか、今は静かに見守ってゆきたい。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2024年夏 愛知大会) |
石見 颯真(愛工大名電3年)遊撃 177/75 右/左 | |
選抜大会では初戦で敗れてしまったものの、選抜NO.1右腕の呼び声が高い今朝丸裕喜(報徳学園)投手から2安打を放ち、能力の片鱗を魅せた 石見 颯真 。 (守備・走塁面) 残念ながら、一塁までの到達タイムは計測できる場面はなかった。以前測ったときには、4.0秒強ぐらいだった記憶しているので、プロに混ぜても 中の上 ぐらいの脚力はあるように思える。ただし、足を売りにして行くほど、絶対的な脚力があるのかには、もう少し最終学年でのプレーで判断して行きたい。 試合前練習などを観ていると、少し二遊間を守る選手としてはは重苦しいかなと思える部分も。それでも足の運びは悪くなく、地肩も水準以上のものがありそうだ。守備は中から、地肩は中の上 ぐらいだろうか? 守備・走塁に関しては、私自身まだ掴みきれていない。そういった意味では、夏の大会も含めて、もう少しこの部分は詰めて行きたい。今のところは、走力や守備に関しては、ドラフト候補としては 中 ~` 中の上 ぐらいのあたりなのかなというイメージは持っている。 (打撃内容) 力強さはあるものの、それほど打球が上がるタイプには見えない。そのため、二塁打・三塁打の長打は結構あるものの、ホームランを連発するタイプの強打者ではないように思える。どちらかというと、対応力が勝ったタイプなのだろう。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を引いて、グリップの高さは平均的な左打者。腰の据わり具合や全体のバランスはそれなりも、両眼でしっかり前を見据えることができている。そのため、球筋を錯覚を起こすことなく追いやすい。 <仕掛け> 平均的 投手の重心が下りきったときに動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く観られる始動のタイミング。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を上げて、ややアウトステップ気味に踏み込みます。ただし、打つ方向によって、踏み出す位置は変えているようにも見えます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。 踏み出した足は、インパクトの際にも止まって動きません。したがって逃げて行く球や低めの球にも食らいつくことができ、素直にレフト方向にも打ち返すことができていました。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配は無さそう。バットの振り出しは、けしてインサイド・アウトではないものの、外の球をさばく時に大きなロスは感じられません。ヘッドを残すのが上手く、外の球をフェアゾーンに落とすのが上手いです。 それほどスイングの弧が大きいとか、フォロースルーを使って打球に角度をといったタイプではなく、鋭く打ち返すタイプの打者だと考えられます。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げは静かで、目線の上下動は小さい。したがって、球筋を錯覚を起こすことなく追いやすい。体の開きも我慢でき、軸足にも粘り強さが感じられる。内の球をさばくには、少々スペースが欲しいタイプのようには感じられた。 (打撃のまとめ) 技術的には大きな欠点はなく、構えや頭の位置があまり動かないなど、ボールを的確に追えているところは良いところ。スイング軌道も、それを支える下半身もしっかりしている。あとは、タイミングの計り方平均的なのと、内角のさばきがどうなのか? という部分をもう少し見定めてみたい。 (最後に) 元々外野手だっただけに、垢抜けてショートの守備が良いとか、走力・地肩が図抜けているわけではないように思える。打撃も対応力は高いものの、長打で魅了するタイプではないだけに、特徴がボヤけやすい恐れはある。本人はプロ志望だということだが、なかなか現状高い評価でのプロ入りは難しいのではないかとみる。 個人的には指名ボーダーライン上の選手であり、夏までのプレーを確認して見極めて行きたい。本当ならば、有力大学などで実績を残してからという、ワンクッション挟んでからという気はしているのだが。イメージ的には、今年東洋大からDeNAに入団した 石上 泰輝 に重なる部分がある。 蔵の評価:追跡級! (2024年 選抜大会) |