21ky-37
大河原 翔(東海大山形3年)左翼 183/95 右/右 | |
夏の山形大会では、5番・左翼手と、ドラフト候補としては地味な役どころだった 大河原 翔 。しかしながら、この夏大会では場外ホームラン含めて、打ちまくって存在感を示した。また、ただの打つだけの選手ではなく、相手の隙をつく走塁など視野の広いプレーが目立っていた。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 ショートゴロの際の一塁到達タイムは、右打席から4.25秒前後とかなりの俊足。左打者換算に直せば、4.0秒を前後とプロに混ぜても俊足レベル。さらに、ちょっとでも捕手がボールをはじこうものならば、すかさず次の塁を陥れるなど、走塁への意識、試合での集中力にも見るべきものがあった。体型からあまり動けなそうに見えるが、けしてそんな選手ではない。 守備面:☆☆☆ 3.0 大型の外野手だということで、動きが緩慢なのかと思ったら、そんなことはなかった。打球への反応や落下点の入りなども悪くなく、守備範囲も思いほか広い。打撃重視のプロの左翼ならば、将来的に動けるレベルのレフトになれるのではないのだろうか。これだけの身体能力・守備力の選手がレフトを守っていたのは、あまり肩が強そうではなかった点。それと、打力を活かす意味合いも大きかったのかもしれない。 走力に関しては、中の上、守備に関しては平均的な守備力はあるのではないのだろうか。守備で、プロでセンター・ライトととなると、ちょっと厳しいかもしれないが。 (打撃内容) 脆い一発屋ということはなく、甘い球を逃さない振り出しの良さがある。さらに普通の外野フライかと思った打球でも、あわやオーバー・フェンスになろうかという打球の伸びも魅せており、思いのほかリストも強いのかもしれない。 <構え> ☆☆☆ 3.0 前の足を軽く引いてカカトを浮かしつつ、後ろ足に体重をかけて構えます。グリップの高さは平均的で、体重を後ろに預けているぶん全体のバランスとしては癖はありますが、両眼でしっかり前を見据えられています。これによって、錯覚を起こすことなく球筋を追う姿勢ができています。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。身体やリストの強さで打球を飛ばしますが、本質的には対応力を重視したアベレージヒッターのタイミングで始動してきます。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 足を引き上げて、ベース側に少し踏み込んできます。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応できます。少しだけインステップするように、外角への意識がやや強い感じです。 踏み込んだ前の足は、インjパクト際にも止まってブレません。したがって逃げてゆく球や、低めの球について食らいついて行きます。ただし右方向に打ち返すというよりも、甘めの外角球を引っ張る打撃を好む傾向が強いように見えました。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」をう作るのは自然体で力みはないのですが、立ち遅れないように注意したいところ。バットの振り出しにも癖はなく、インパクトまで大きなロスは感じられません。またインパクトの際にも、バットの先端のヘッドが下がらないので、広い面でボールを捉えられています。スイングの前が大きく取れているので、強烈な打球を生み出す原動力になっています。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げも静かで、目線の上下動は小さめ。身体の開きも我慢できていますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて軸回転打てています。軸足自体も強く、強烈な打球を生み出します。 (打撃のまとめ) 現時点では、それほど長距離打者の形では打てていません。それでも抜群の飛距離を誇るのは、天性のリストの強さと、引っ張って巻き込んだ時の打球だからではないのでしょうか。今後は、右方向への打撃やボールを飛ばす術を磨く必要はあるとは思いますが、打撃に光るものを持っています。 (最後に) 打撃に関しては面白いものを持っていますし、走塁の意識の高さや試合での集中力には光るものがあります。守備も打球勘も悪くなく守備範囲も狭くないので、「上手い左翼手」というポジションを任されれば面白いと思います。個人的には、ちょっと育成で指名された選手の中では気になる選手となりました。ひょっとしたら、掘り出しものになるかもしれません。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2021年夏 山形大会) |