21ky-19
柳澤 大空(日大藤沢3年)右翼 182/79 右/右 | |
春季神奈川大会・東海大相模戦で2発のホームランを放ち、一躍注目される存在になった 柳澤 大空 。まだその時は、活躍が半信半疑に見えたので、夏まで見定めてから評価しようと決めた。 走塁面:☆☆☆ 3.0 一塁までの到達タイムは、右打席から4.35秒前後。これを左打者に換算すると、4.1秒前後に相当し、ほぼドラフトも指名される選手では平均的なタイムとなる。実際観ていると、50メートル6秒0と言われる走力でも、走力を全面に押し出すプレースタイルではない。そのへんは、チームで4番を務めている打順も影響していたのかもしれないが。 守備面:☆☆☆★ 3.5 むしろ好感が持てるのは、ライトの守備の方。落下点までの打球へ追い方、キャッチングなどに大きな狂いは感じない。特にめっぽう守備範囲が広いとか、打球への反応が鋭いとは思わないが、けして下手な選手ではないはず。ライトからの送球もまずまずで、プロに混ぜても 中の上~上の下 ぐらいはありそう。中継への野手にも、いい加減な送球をするような選手でもなかった。 (打撃内容) 3本のホームランを放った春季大会とは違い、夏は 15打数3安打 2打点 で、タイミングが合っていなく見えた。 <構え> ☆☆☆ 3.0 前の足を引いてカカトを浮かして構え、グリップはリラックスを意識してからか? 下げ気味に添えていました。腰の据わり具合や全体のバランスは並でしたが、両眼で前を見据える姿勢は悪く有りません。 <仕掛け> 平均 投手の重心が下がりきった底のあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く観られる始動のタイミングです。春は「早めの仕掛け」だったので、意識してなのか無意識なのかわかりませんが、始動が若干遅くなっていました。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 大きく足を引き上げて回し込み、軽くベース側に踏み込んできます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。インステップ気味なので、意識は外角寄りにあると考えられます。 踏み込んだ足元は、なんとかブレないで止まっていました。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも喰らいつくことはできています。あまり好い当たりではなかったのですが、泳ぎながらもライト前にポテンと落としていた打球があったのですが、この足元が止まっていたからこそできた打撃だったのではないのでしょうか。 春は引っ張る打撃が目立っていたのですが、夏にはチームバッティングを意識して、右方向にも打球を飛ばそうという意識はあったのかもしれません。しかし、まだそういった打撃が、板についていなかった可能性はあります。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 打撃の準備である「トップ」の形は自然体で、力みなくボールを呼び込めるところは好いところ。しかし、バットを引くのが遅れないように注意したい。バットの振り出しは、それほどインサイドアウトでもなければドアスイングというほどと遠回りにもなっておらず平均的。 インパクト際にヘッドが下がらず、広い面でボールが捉えられていました。そのため、フェアゾーンにはボールが飛びやすいのかと。それほど長打が生まれる感じのスイングには見えなかったのですが、上手く引っ張って巻き込んだ時にはレフトスタンドまで飛ばせるのでしょう。春の東海大相模戦の二本のホームランも、左中間スタンドへ飛ばしたものでした。 特に当て勘が素晴らしいとか、ヘッドスピードが凄いとか、フォロースルーを使ったりスイングの弧が大きいとかいう、特別なものは感じられませんでした。春はもう少し、腕のたたみが上手かったり、スイングの弧も大きく見えたのですが・・・。 <軸> ☆☆☆ 3.0 足の上げ下げは大きいですが、目線が大きく動いている感じはしません。体の開きもなんとか我慢できていますし、軸足の形も大きくは崩れていませんでした。ただし、軸足の内モモの筋肉がまだ細く弱そうで、全体的にスイングが緩い印象を受けました。下級生の頃から、ボール球にバットが止まらない選球眼の悪さは気になっていましたが。 (打撃のまとめ) 春よりいろいろスイングが変わっていたのは、意図としてそういった取り組みをしたのか? 調子が悪く結果として今の形になっていたのかはわかりません。当たれば飛んでゆくポテンシャルの高さはありますが、撃に特別なものは感じませんでした。 (最後に) 強打者の割に、守備も安定して肩も強いのはアピールポイント。しかし、プロを想定すると走力や打撃は特別なものは感じられません。 当たれば飛んでゆく飛距離と、秘めたる走力もそれなりにあるのかもしれませんが、高校からプロに入るほどのインパクトまでは受けません。そういった意味では、☆ は付けられず、育成枠での指名が妥当だったのかもしれません。同期には、1位で 吉野 創士(昌平)、3位で 前田 銀治(三島南) と同じく右打ちの外野手が指名されています。二人に競争で負けないぐらいの活躍を、ぜひ期待したいものです。 (2021年夏 神奈川大会) |
柳澤 大空(日大藤沢3年)右翼 181/78 右/右 | |
春季神奈川大会準決勝・東海大相模戦で、2打席連続の本塁打を放った 柳澤 大空 。彼のことを評して関東のとあるスカウトがこう発言して話題になった。確かに試合を見ていると、なかなか興味深い選手であるのは間違いない。 (守備・走塁面) 残念ながら、一塁までの到達タイムは計測できず。アスリート系の体型の持ち主であるが、そこまで走力を全面に出したプレースタイルではないように見える。それでも50メートル6.0秒とのことで、盗塁できるかは別にしても、それなりの脚力を秘めていそうだ。 右翼手としては、打球勘や落下点への入りにも狂いは少なく、結構うまい外野手なのではないかと。試合前練習を観ていても、送球も強く確かに肩は強そうだ。あとは、中継までの機敏さやコントロールなどがどの程度なのか見極めて行きたいポイント。試合前練習は確認できたが、夏に向けて守備・走塁のレベルを把握してゆきたい。 (打撃内容) 旧チームでは、一塁手として出場していた。秋は中堅手で、この春は右翼手。東海大相模戦では、2打席連続で変化球を払うようなスイングでレフトスタンドに本塁打。また続く打席では、真っ直ぐを引っ張ってレフト前にはじき返している。ボールを払った時の形は、どことなく 内川 聖一(現ヤクルト)選手に似て見える。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 右打者にしては珍しく、大きく前の足を引いて構える。バットを寝かせつつ、深く腰を沈めて立っている。両眼でしっかり前を見据えられているが、腰を引きすぎていて全体のバランスとしては並ぐらいだろうか。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下がり始める時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。対応力を重視した、アベレージヒッターに多く観られる仕掛けとなっていた。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足をしっかり引き上げ回し込み、真っ直ぐ踏み出してくる。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプ。 踏み込んだ前の足はしっかり止まっており、逃げてゆく球や低めの球にもある程度ついて行ける。ただし、ステップが狭めで引っ張りへの意識が強く、実際右方向にきっちり打ち返すというよりも引っ張る打球が多いようだ。そのため打てる球には強いが、幅広く対応できるかと言われると疑問の残る形となっている。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 早めに打撃の準備である「トップ」の形を作れており、速い球には立ち遅れ難い。振り出しも、上から振り下ろして来るインサイドアウトのスイング軌道であり、真ん中~内側を引っぱるのには優れている。バットをボールいの下に潜り込ませ、前さばきでボールを払ってゆく。 特に腕のたたみ方も上手く、インパクト後も大きな弧でしっかり振り切る。問題は、逃げてゆく球や外角球に対し、バットのしなりを生かしたスイングができるのか?といった部分を、夏に向けて見極めて行きたい。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げが大きい割には、目線の上下動は少なめ。身体の開きも我慢でき、軸足も地面から真っ直ぐ伸びてキレイに回転してさばけている。 (打撃のまとめ) 気になるのは、下級生の頃からボール球に手を出してしまうなどの選球眼の悪さが目立つということ。特に幅広く対応するというよりも、打てるゾーンの球を逃さず叩くというスタイルなだけに、この眼の悪さは気になる材料。その一方で、きれいな軸回転でスパンとさばけるところには、非凡なものは持っている。 (最後に) 走力のレベルや、外角への対応などが、この春の確認だけでは充分にわからなかった。それだけに、夏の大会で観られる機会があれば、ぜひ見極めて能力を把握して行きたい。まだ個人的には、指名確実とか、そういった確信を得られるほどのものは得れなかった。それでも夏まで追いかけてみたい、ドラフト候補であるのは間違いない。 蔵の評価:追跡級! (2021年 春季神奈川大会) |