16dy-21
高山 竜太朗(九州産業大4年)捕手 186/80 右/右 (鹿児島工出身) |
「打撃が・・・」 育成枠で指名されたのは、恐らく抜群の強肩が買われてであろう 高山 竜太朗 。その一方で、弱々しい打撃を見ていると、プロで大丈夫なのか?という不安はどうしても拭えない。 (ここに注目!) 塁上にランナーがいると、ホームから鋭い送球を繰り返し走者を威圧する強肩ぶりに注目して頂きたい。 (ディフェンスス面) ランナーがいるときは、しっかり立って返球するなど雑なところは見られない。また捕手らしく、周りには適度に指示はできている。ミットを軽く示し、投手には適度に狙いをつけやす構える。グラブを地面に着ける癖もないので、ワンバウンド処理も適度に反応。少し低めの球に対し、ミットを上から被せることがあるのが若干不安を感じる部分か。ボールの押し込み等、キャッチング全般に関しては、可も不可もなしといった感じ。 最大の自慢は、塁上に走者がいるとホームから一塁などに鋭く送球し威圧する強肩。二塁までの到達タイムは、1.8秒台後半ぐらいと、プロの捕手としては平均的。それでも地肩はかなり強いので、まだまだ精度を高めてタイムを縮めることも可能だと考える。多彩な投手陣をうまくリードするなど、ディフェンス面を評価されてのプロ入りなのは間違いない。 (打撃内容) 大学選手権では、9番だかを打っていたように観るからに弱々しい。3年春からレギュラーを掴み、3シーズン1割台。この秋は、打率.241厘と若干明るい兆しが見えてきた。 <構え> ☆☆★ 2.5 前足を引いたオープンスタンスで、グリップは高めに添えつつバットは寝かせて構えます。腰の据わり具合・全体のバランスとしてはもう一つも、両眼で前を見据える姿勢は悪くない。両眼でしっかり前を見据えられると、球筋を錯覚を起こすことなく追うことができる。 <仕掛け> 遅すぎ 一度つま先立ちしてから本格的に動き出すのは、リリース直前という「遅すぎる仕掛け」。これだと、ひ弱な彼のスイングでは到底力負けしてしまいます。若干でも良いので、始動全体を早めた方が動作に余裕が持てて、大きな動作も可能になるはず。 <足の運び> ☆☆★ 2.5 足を小さく浮かせて、真っ直ぐ踏み出します。始動~着地までの時間がないので、どうしても打撃が 点 になってしまいます。それだけ狙い球を絞って、その球を逃さないことが求められます。また真っ直ぐ踏み出すように、外角でも内角でも捌きたいタイプ。踏み込んだ足の爪先があらかじめ開いているので、それだけ引っ張って巻き込みたいスイングのようです。大学選手権でも、緩い変化球をレフト横にツーベースを放っていました。逆にインパクトの際にも腰が引けたり足元がブレるので、壁を崩さず右方向へという打撃は苦手のように見えます。 <リストワーク> ☆☆★ 2.5 打撃の準備である「トップ」形をつくるのは早めてに作れており、その点で始動の遅さを補えている。しかしバットの振り出しは少し遠回りであり、この点では確実性が低い。それでもバットの先端であるヘッドは下がらないので、外の球をなんとか拾うことができている。スイング自体はまだまだ弱々しく、プロで「強さ」を磨かないといけないだろう。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げが小さく、目線の上下動は少なめ。身体の開きが充分我慢できているとは言えないが、軸足が地面から真っ直ぐ伸びて軸を起点にキレイに回転できている。あとは、壁を崩さないようにしながら、外角の球をいかに右方向などに打てる幅を持たせられるかではないのだろうか。 (打撃のまとめ) 腰が引けやすく弱々しい打撃を、今後にいかに改善できるかがポイント。1つは、始動が遅すぎて対応が遅れることと、大きなアクションが取れないのがネックになっている印象。もう一つは、開きが早いスイングだけに、これをいかに改善できるかにかかっている。現状を観る限り、打撃がネックで大成を妨げる可能性が高く、打撃にも意識を傾けられるかではないのだろうか。 (最後に) 育成なのである程度守れて、肩というアピールポイントがあるということを重視したのだと思う。その分、打撃には目をつむってというタイプなのだろう。プロの指導者によれば、打撃はどうにでもなるという人も多い。個人的にはそうは思わないが、プロの指導でどこまで変われるのか注目してゆきたい。肩に特化した、育成枠らしい指名ではないのだろうか。 (2016年 大学選手権) |