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 西野 日向(24歳・愛媛MP)中堅&内野 168/65 右/左 (松山聖陵-ショウワコーポレーション)





 「足が売り」




 俊足と巧打を兼ね備えた、対戦相手にとってはいかにも嫌らしいタイプの 西野 日向。育成指名の趣旨に合致した、将来のスペシャリスト候補と言える巧打者である。


走塁面:
☆☆☆☆(4.0)

 左打席からの1塁到達タイムは、実測で4.00秒前後を記録。ドラフト候補の左打者として見ると「中の上」クラスに位置する。しかしいったん出塁すれば隙を突いてすかさず盗塁を試みるなど、
走塁に対する意識と意欲が非常に高い。四国アイランドリーグplusのシーズン65試合で42盗塁(リーグ2位)を叩き出した実績が示す通り、足こそがこの選手の最大の武器と言える。NPBの一軍レベルで即座に盗塁を連発できるかは未知数だが、走力を前面に押し出した実戦スタイルで存在感を放つことは間違いない。

守備面:
☆☆☆★(3.5)

 確認できた試合では中堅手を務めていたが、リーグ戦では二塁手や三塁手もこなすユーティリティ性を見せていた。中堅手としては広い守備範囲を誇り、打球判断やアプローチにわずかな不安を残すものの、外野を広くカバーできるだけの機動力を備えている。地肩の強さもプロ基準の水準以上を保持しており、小柄な体格であっても肩の弱さを感じさせない頼もしさがある。





(打撃内容)

 打撃成績は、
65試合で260打数64安打、6二塁打、1三塁打、0本塁打、20打点、28四死球、45三振、打率.246。打球の力強さという意味では非力さが否めず、実戦でのスイングも長打を狙うというよりは、しぶとく打ち返す巧打者としての色彩が強い。

<構え>
☆☆☆☆(4.0)

 左打席で前足を軽く引き、カカトを少し浮かせて構える。グリップの高さは標準的で、背筋を伸ばし両目でしっかりと投手を見据える立ち姿のバランスに優れる。
打席内での集中力も高く、隙のない好ましい構えと言える。

<始動>
平均

 投手がタメを作って重心を沈め切った段階で動作を開始する「平均的な仕掛け」を採用。一定の確実性と対応力を兼ね備えた中距離ヒッターや、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く見られる始動のタイミングである。

<足の運び>
☆☆☆★(3.5)

 足を軽く上げてピッチャー方向へ真っ直ぐ踏み込んでくる。始動から着地までの「間(タメ)」は適度に確保されており、直球・変化球のスピード変化に対応可能だ。スクエアに踏み出す軌道からも、内外角を幅広く裁きたい意図が見て取れる。

 踏み込んだ前足は、カカトを地面へめり込ませるようにして軸のブレを最小限に抑えられている。そのため外へ逃げる球や低めの変化球に対しても開きを我慢して食らいつくことが可能だ。特に
膝を柔らかく使い、低めの球を拾い上げる技術に長けている。

<リストワーク>
☆☆☆★(3.5)

 打撃の準備段階である「トップ」の形成は自然体で、力みなくボールを呼び込めている。ただし、テイクバック時にバットを引き込む動作が遅れないよう留意したい。バットの軌道(入射角)に無駄がなく、インパクトまでロスなくアプローチできている。バットのヘッドを粘り強く残すことで、
低めのボールを巧みに拾い上げている。

 一方で、スイング自体の強さ・鋭さという意味では
ひ弱さが残る。プロの投手陣が投じる鋭く強い球威に力負けせず対応できるようになるには、一定のフィジカル強化と時間を要しそうだ。

<軸>
☆☆☆☆(4.0)

 足の上げ下げは静かで目線の上下動は最小限に抑えられている。身体の早期の開きも我慢できており、軸足の粘り強さも備わっている。

(打撃のまとめ)

 メカニクス的には大きな悪癖や欠点は見当たらないものの、スイングの強さや鋭さという
打力の絶対値においては物足りなさが残る。ILでの打率.246という数字が示す通り、ファームでの実戦経験を通じてNPBのスピードに負けない力強いスイングを身につけられるかが今後の成長の鍵となる。


(最後に)

 42盗塁を記録した「足」という絶対的な武器に加え、複数ポジションをこなせる守備力と一定の肩力を備えている点が大きな魅力だ。打撃のコンタクトセンス自体は悪くないため、プロのスピード感に慣れてスイングの鋭さが増してくれば非常に面白い存在になりうる。

 長打力のない左打ちの外野手という競争の過酷なプロフィールゆえに埋もれるリスクも孕むが、育成枠指名のターゲットとして魅力的な素材である。打者としての確実性を高め、
持ち前の俊足と生命力を生かして支配下登録へ這い上がっていくプロセスを大いに期待したい。なお、現時点での総合的な実戦力から☆(支配下級)の評価を下すには至らなかった。


(2026年 アイランドリーグシーズン)