26ky-34
| 秋山 隼人(三重3年)遊撃 170/64 右/右 | |
今年の夏の甲子園では、それまで注目してこなかった遊撃手の中に、面白い選手が複数いた。その面白い選手というのが、金本 相有(天理)、鵜飼 新馬(敦賀気比)、そしてこの 秋山 隼人だった。 走塁面:☆☆☆ 3.0 一塁までの到達タイムは右打席から4.35秒前後。これを左打者に換算すると4.1秒前後に相当し、プロの基準レベルになる。一方で26試合の公式戦では盗塁が0個。基本的に、足でガンガンアピールするタイプではないことがわかる。 守備面:☆☆☆★ 3.5 一方で守備に関しては、軽快で動きの良さが光った。打球への反応やスピード感も適度にあり、フットワークは身軽だ。肩も水準以上に強そうで、一塁まで強いボールが投げられていた。こと守りに関しては、上のステージでも二遊間で勝負していけるレベルにありそうだ。ちなみに夏の三重大会の5試合と甲子園の3試合を通じて、失策はわずか1個だった。 (打撃内容) 3年夏の三重大会では打率.389。甲子園でも11打数6安打と打ちまくった。甲子園での松商学園戦では、第一打席に内角の球を上手く肘をたたんでセンター前に。さらに、外角の球をきっちり叩いてライト前に打ち返す実戦的な打撃を見せていた。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 右打席から、軽く前の足をベース側にクロスにして構えていた。これは相手投手が左投手だということもあったのかもしれない。グリップは高めに添え、腰は深めに沈めつつ、両目で前を見据える姿勢や全体のバランスとしてはそれなりといった感じ。打席では少し窮屈さが感じられるものの、集中力はしっかりと伝わってくる。 <仕掛け> 平均 投手の重心が沈みきったあたりで動き出す「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離ヒッターや、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く見られる始動のタイミングとなる。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を軽く上げて回し込み、ベース側に踏み込むインステップを採用。始動から着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応しやすい。インステップすることからも、外角への意識が強そうだ。 踏み込んだ足元は、外角の球をさばく時にも多少動く。そのため外角へ逃げていく球や低めの球に強いとは言えないが、踏み込む分、甘めの外角球や高めの球ならば払うようにして右方向にも弾き返すことができていた。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球には立ち遅れ難い。バットの入射角は、外角の球をさばく時には少し遠回りに遅れて出てくる感じだが、内角の球をさばく時には上から振り下ろし、肘をたたんで上手く対応できていた。コースによってスイングの使い分けが自然とできるようだ。 そのためボールを捉えるまでには多少のロスが感じられるものの、外角球を捉える時にはバットの先端のヘッドも下がっておらず、広い面でボールを捉えている。したがって打球もフェアゾーンに飛びやすいが、逆に打球に角度を付けて飛ばすタイプではなく長打は生まれ難いスイングとなっている。 <軸> ☆☆☆ 3.0 足の上げ下げは静かで、目線の上下動は少ない。一方で踏み込んだ足元が止まっていないので、開きを我慢できているわけではない。足元もインステップすることで少し窮屈になりがちだが、内角へのバットの出し方を変えることで対応できていた。 (打撃のまとめ) 広角に鋭くはじき返す好打者といった感じで、けして長打で魅了するタイプではない。ただし対応力自体は高く、強豪校で3番を任されてきただけのことはありそうだ。6打数3安打の選抜に続き、全国レベルでも打力の高さを示すことができた夏だった。 (最後に) 正直、最後の夏まであまり気にしたことがなかった選手だが、全国的に見ても上位クラスの遊撃手であることは間違いない。プロ志望ならば育成指名あたりなら検討する球団があるのではないかと思うほどで、個人的には☆(支配下級)の評価をしてみたい。高校からのプロ入り云々は抜きにしても、今後も気にして行きたい好選手だった。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2026年夏 甲子園) |