26ky-14
| 平山 護(東筑3年)捕手 175/82 右/右 | |
昨年見た捕手の中では最もインテリジェンスが感じられる選手だった、平山 護。その印象は一年経っても変わらなかった。激戦の福岡大会を制し、甲子園の舞台にもやってくる。 (ディフェンス面) 重心を深く沈め、低めへの意識が感じられる構えに特徴がある。ボールを捕ると素早く投手に返球するなど、リズムの良いボール回しだけでもこの選手のセンスの良さが感じられる。 周りにしっかり指示を送る、司令塔らしい司令塔。ミットをしっかり投手に示し、捕球の時にも動かない。ワンバウンド処理の際にも素早く反応し、スッとミットが自然と下から出てきて捕球する。ただし、グラブを地面に着けてしまうクセがあるせいか? 甲子園でたびたびボールを止められない場面がみられた。このキャッチング能力には、大いなる課題を印象づけた。 二塁までの送球は 1.8秒台中盤~1.9秒台中盤ぐらい。ドラフト候補として際立つ地肩の強さではないものの、実戦ではしっかり刺せる精度の高さが自慢だ。圧倒的な地肩の強さがあるタイプではないため、プロ側からどのように評価されるかは微妙かもしれない。捕手としてのセンスや頭脳は素晴らしいが、ワンバウンド処理の部分をどう評価されるのかは気になる材料だ。 (打撃内容) 旧チームでは3番を担っていたが、最後の夏は1番打者として試合に出場。脚力もある選手だということで、そういった起用になっていたようだ。夏の甲子園・神村学園戦では、第一打席からレフトスタンドに叩き込んで魅せた。 <構え> ☆☆☆ 3.0 右打席から、両足を揃えたスクエアスタン。グリップの高さは平均的、腰はあまり据わらず、両目で前を見据える姿勢も並ぐらい。 <仕掛け> 平均 投手の重心が沈みきった底のあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離ヒッターや、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く見られる始動のタイミングとなる。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を上げて、ベース側に踏み込むインステップを採用。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。別の試合ではアウトステップだったこともあり、コースなどによって踏み込み方を変えている可能性はある。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際に動かず我慢。そのため、逃げてゆく球や低めの球には食らいついて行けそうには見える。ただし、甲子園ではいずれも引っ張った時の打球でも、足元が動かずにいた。これを引っ張りにゆく時には、腰の回転を阻害するので、引っ張る時には足元を解放した方が良いのではないのだろうか。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは早めに作れており、速い球には立ち遅れない。バットは上から振り下ろしてくるインサイドアウトのスイング軌道で、インパクトまでのロスは感じられない。 昨年も指摘したが、バットのしなりを生かしたスイングではないので、プロレベルの球を木製バットではじき返すのには苦労するかもしれない。ただし、甲子園では上手く巻き込んで、レフトスタンドに叩き込んで魅せた。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げはあるので、目線の上下動はそれなり。体の開きは我慢できており、軸足の形は地面から真っ直ぐ伸びて、軸回転でスイングできていた。 (打撃のまとめ) バットの入射角度は良く、インパクトまで無駄なく振り抜けている。引っ張りを好む傾向が強い割に、インステップして足元も解放されないので、内角のさばきは窮屈になるのではないかと心配になる。 (最後に) 個人的にはディフェンス能力を高く評価したい。高校生でここまでセンスを感じさせる捕手はなかなかいない。その一方で、高校からプロとなると、圧倒的な地肩や打力があるわけではないので、指名となると微妙となるだろう。特に、甲子園で再三ボールを弾くことを露呈してしまい、これは大きなマイナスポイント。もし指名があるとしても、育成会議になるのではないのだろうか。 昨年から注目してきた選手だけに推したいが、大学などでワンクッション置いて、ワンバウンド処理や打撃を磨いてからでも、プロ入りは遅くないのかもしれない。 (2026年夏 甲子園) |
| 平山 護(福岡・東筑)捕手 175/82 右/右 | |
今年の高校生捕手の中でも、インサイドのワークや試合を作るセンスに関しては一番ではないかと思わせるのが、この 平山 護 だ。一方で、プロの舞台を見据えた際に「地肩の強さ」や「打撃のインパクト」がドラフト候補としてどの程度の水準にあるのか、慎重な見極めが求められる。 【ディフェンス面】 重心を低くどっしりと構え、投手に低めを強く意識させる。捕球から返球への動作が非常にスムーズで、試合のリズムを作る能力に長けている。プレー全体に「雑さ」がなく、高い集中力が伺える。 キャッチング・ワーク: 安定感があり、低めの変化球への反応やブロッキングも軽快。フットワークも身軽で、守備の土台は完成されている。 スローイング: 課題は地肩の強さ。イニング間のポップタイム(捕球してから二塁に到達するまでの時間)は1.9秒前後。ドラフト候補としては、現時点では「平凡」な評価に留まる。精度やタイムの安定感を含め、プロの素材としてどこまで評価を伸ばせるかが焦点となる。 【指標の補足】 ポップタイム(Pop Time):1.9秒前後 捕手が球を捕球してから、送球が二塁ベースに到達するまでの時間。プロの平均は1.9秒~2.0秒、トップクラスは1.8秒を切る。 盗塁阻止率: 単純な肩の強さだけでなく、配球や投手へのクイックの指示など「センス」でカバーするタイプと言える。 【打撃内容】 夏の大会では3番・捕手として出場。長打で圧倒する強打者というよりは、脱力した構えから勝負強さを発揮するポイントゲッタータイプだ。 構え(☆☆☆ 3.0) 右打席で前足を少し引き、グリップを下げ気味に添える。重心がやや高くバランスに脆さを感じる部分もあるが、両目でしっかりと投手を見据える姿勢は良い。リラックスして打席に立てている点は評価できる。 仕掛け:平均的 投手の重心が下がりきったところで始動。確実性と勝負強さを両立させる、中距離打者に多いタイミングを採用している。 足の運び(☆☆☆★ 3.5) 足を軽く上げ、わずかにインステップして踏み込む。始動から着地までの「間」が取れているため、緩急への対応力がある。外角への意識が強く、踏み込んだ前足がインパクトでブレないため、外逃げる球や低めの球にもしぶとく食らいつける。実際、センターから右方向への巧みな打ち返しが目立つ。 リストワーク(☆☆☆★ 3.5) トップの形を自然に作れ、無駄な力みがない。スイング軌道はインサイドアウト(バットを内側から出す動き)を徹底しており、ミートポイントまでロスなく最短距離で振れている。ただし、バットのしなりを活かすタイプではないため、木製バットへの対応や、プロの球威に押し込まれないためのパワーアップは必須だろう。 軸(☆☆☆☆ 4.0) 目線の上下動が少なく、体の開きも我慢できている。軸足の内腿が発達しており、安定した下半身が打撃の原動力となっている。 【打撃のまとめ】 高校野球の舞台では安定感があるが、スカウトを驚かせるようなスイングの迫力や圧倒的な飛距離には欠ける。しかし、技術的な欠点が少なくクセのないスイング軌道は、上のレベルの投手に順応しやすい特性と言えるだろう。 【総評】 捕手としてのセンスはピカイチであり、野球IQの高さは疑いようがない。現時点では地肩や打撃のパワーがプロの基準に照らして「許容範囲」に収まるかどうかが、運命の分かれ道になるだろう。 春季大会以降、これらのフィジカル面がどこまで上積みされているか。守備センスという土台に、「強肩」や「強打」という分かりやすい武器が加わってくれば、非常に面白い存在になるはずだ。 (2025年夏 福岡大会) |