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亀田 優次郎(山村学園)投手 183/95 左/左 





 「指名があるかもしれない」





 夏の大会を見ていて、「この選手は指名があるかもしれない」と注目していた 亀田 優次郎。がっちりした体格から投げ込んでくるサウスポーで、全国的には無名でも非常に興味深い選手だった。


(投球内容)

 この夏の埼玉大会では準々決勝まで駒を進め、
30回、20安打、9四死球、33奪三振、防御率1.20 という成績を残した。

ストレート 135キロ〜140キロ台前半
☆☆★(2.5)

 球速的には高校生のドラフト候補としては
やや物足りない部類に入る。それでも適度に球威はあり、まだまだ速くなりそうな馬力は感じられる。細かい制球力はなく、多少高めに甘く入ったり抜けたりする球も見受けられる。それでも、投球回数の3分の1以下に四死球を抑えているように、そこまで制球が破綻している感じはない。

横変化 スライダー
☆☆☆(3.0)

 小さくカウントを整えるスライダーと、曲がりの大きな空振り陣を誘う2種類のスライダーを使い分けている。絶対的な威力はまだないが、
ストレート以上に信頼度が高い球種と言えそうだ。

縦変化 チェンジアップ
☆☆☆(3.0)

 スライダー同様に割合多く使ってくる。現状、打者を仕留めるという意味では、スライダー以上にチェンジアップの方が効果的なのかもしれない。

投球以外の技術
☆☆☆(3.0)

 クイックは1.1秒前後と基準レベルを満たし、左腕だけに一塁走者への目配せもできていた。走者を刺すような鋭い牽制は確認できなかったが、フィールディングの動きはまずまず。まだそれほど細かい投球術は見られないものの、変化球をうまく織り交ぜて試合を作ることができていた。

(投球のまとめ)

 直球の精度や球速はこれからという段階だが、変化球でしっかりカウントを取ったり仕留めたりできるなど、一定の総合力を持っている。決して荒れ球タイプではなく、
まだ成長途上にあることを感じさせる投手だ。





(投球フォーム)

 ワインドアップから振りかぶり、足を引き上げる勢いや高さがある入り方をする。そのため、フォーム序盤からエネルギーを大きく使う、
リリーフタイプによく見られるスタイルだ。

<広がる可能性>
☆☆☆(3.0)

 引き上げた足を地面に向けて伸ばし気味に出すため、お尻を三塁側(左投手の場合)へ落とす動きにやや甘さが残る。カーブやフォークといった捻り出して投げる変化球を投げられないわけではないが、その変化の精度は鈍りがちだ。

 「着地」までの地面の捉えも平均的で、体を捻り出す時間も並み程度である。そのため曲がりの大きな変化球を習得するというよりは、球速のある小さな変化球を中心に投球の幅を広げていくことになりそうだ。

<ボールの支配>
☆☆☆(3.0)

 グラブをしっかりと内に抱えられているわけではないが、最後まで体の近くに留められている。そのため軸はブレにくく、両サイドへのコントロールはつけやすい。ただし、足の甲での地面の捉えがまだ浅く、力を入れて投げるとボールが上ずってしまう傾向がある。腕も外旋して鋭く振るタイプのため、細かい制球力はつけにくいかもしれない。

<故障のリスク> ☆☆☆★(3.5)

 お尻の落としに甘さは残るものの、カーブやフォークのような負担の大きい球種を多く使うわけではないため、現状はそこまで神経質になる必要はなさそうだ。腕の角度などを見ても無理な投げ方には見えないが、外旋して腕が振られる分、肩への負担は多少生じている可能性がある。もっとも、それほど力投派というわけでもなく、疲労を極端に溜め込むタイプではなさそうだ。

<実戦的な術>
☆☆☆★(3.5)

 「着地」までの粘りは平均的だが、ボールの出どころはうまく隠せている。腕も適度に振れているため、ストライクゾーンからボールゾーンへと切れ込む変化球を自分のものにできれば、それなりに空振りを奪えそうだ。ただ、踏み込んだ前の足がブロックしてしまい、前に体重が移るのを阻害しているように思える。そのため、思ったほど打者の手元まで球が伸びてきている感じが伝わってこない。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」のうち、「球持ち」と「体重移動」に改善の余地がありそうだ。故障のリスクは比較的少なそうな印象を受けるが、高めに集まりやすかったり、細かい制球力を身につけるのは難しそうだ。将来的に武器となるほどの変化球を見出せるかどうかも微妙な印象を受けた。技術的には一長一短があり、トータルでは平均的なフォームと言える。


(最後に)


 
まだまだ直球などは良くなりそうな素材感や肉体的余力を感じさせ、変化球や制球力も悪くない。それだけに、直球にさらに磨きがかかれば面白そうだと思わせてくれる素材ではある。ただし、所作などを見ているとまだあどけなさが残り、フォームを分析しても将来的に伸び悩む懸念が残るため、「高校からどうしてもプロ入りしなければならない」という強い決め手には欠ける印象を受ける。

 左腕で伸び代がありそうな素材という点では育成枠での指名ならばありそうだが、個人的にはどうしても高校の段階で獲得に踏み切るだけの確信は持てなかった。夏の大会で大いに気になった選手ではあったが、支配下(
)の評価にまでは至らなかった。仮に今回指名がなかったとしても、今後継続して追いかけて行きたい。


(2026年 埼玉大会)