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| 黒川 凌大(花咲徳栄3年)投手 182/86 右/右 | |
高校生としての総合力に優れた好投手といった感じがする 黒川 凌大。しかし一体、プロに混ぜた時に、何を売りにしてゆくのだろうか? (投球内容) この夏の甲子園では仙台育英戦に先発。8回を投げて8安打、1四死球、6三振で自責点0に抑えている。選抜の時も19回1/3イニングで1失点と、全国レベルでも安定感を見せていた。 ストレート 140キロ~MAX147キロ ☆☆☆ 3.0 夏には常時140キロ台に乗るような力強さを身に付け、甲子園では最速147キロを記録。少々力任せなフォームではあるが、ボール自体に球威も備わっている。それでいて、打者の外角に安定して集められる制球力も兼備。あとは、少し合わされやすいフォームなのかなといった印象は受けた。 横変化 スライダー ☆☆☆ 3.0 小さく横滑りするスライダーで、カウントをしっかり整えてくる。打者の空振りを誘うようなキレはないが、確実にストライクが取れるという意味では大きい。 縦変化 ツーシーム・フォーク ☆☆☆ 3.0 左打者にはチェンジアップのようなツーシームでカウントを整える。また、空振りを誘うフォークなども交えており、この球の精度が向上してくると投球も楽になりそうだ。 投球以外の技術 ☆☆☆★ 3.5 クイックは、1.05秒前後とまずまず。走者にしっかり目配せをしているわけではなさそうだが、時々鋭い牽制を入れてくる。またボールを長く持ったり、投げるタイミングを変えたりする工夫が見られる。元々が好投手タイプだけに、そういった技術やセンスは悪くない。 (投球のまとめ) ボールの強さも制球力も、変化球のレベルや投手としてのセンスも悪くない。そういった意味では、総合力に優れた投手だと言える。ただし、冒頭にも書いたように、プロレベルに混ざった時に何を売りにしていくのかという明確なものはまだ見えてこない。 (投球フォーム) ワインドアップからジワ~と足を引き上げてくる先発タイプの入り方。軸足一本で立った時にも、適度にバランスを保って立てている。 <広がる可能性> ☆☆☆ 3.0 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻の一塁側への落としは浅くなりがち。そのためカーブやフォークといった球種を投げられないことはないが、その変化は鈍くなりやすい。 「着地」までには適度にステップされており、体を捻り出す時間はそれなりに確保。武器になるような変化球を習得できるかは微妙なので、今後特徴を見出していけるかどうかが鍵に。 <ボールの支配> ☆☆☆★ 3.5 グラブは最後まで内に抱えられ、外に逃げようとする遠心力を内に留めることができている。したがって軸はブレにくく、両サイドへの制球はつけやすい。足の甲での地面の捉えがまだ少し浅いので、力を入れて投げるとボールが上吊りやすい。それでも「球持ち」自体は前で放せており、適度に指先まで力を伝えられるリリースになっている。それほどコントロールで苦しむタイプにはならないのではないだろうか。 <故障のリスク> ☆☆☆ 3.0 お尻の落としが甘さを残すが、現状はカーブやフォークの割合も多くはないので、そこまで窮屈になることは少なさそう。また腕の送り出しもそこまで無理は感じられないものの、少々力任せなフォームではあり、その点若干不安ではある。普段はそれほど力んで投げている感じではないが、疲れが溜まってくると上体だけで投げようとする感じは甲子園でも見られた。 <実戦的な術> ☆☆☆ 3.0 「着地」までの粘りは平均的だが、少し「開き」は早いように見える。そのため、打者に縦の変化などは振ってもらえない恐れはある。 また腕は振れているように見えるが、投げ終わったあと体に絡んでこない。さらに「球持ち」は良く見えるが、地面の蹴り上げなどは平凡で、そこまで体重が前にグッと乗ってきているわけではなさそうだ。まだまだフォームとしては成長途上だと言える。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、特に「開き」に課題を残している。故障のリスクは平均的で、制球を司る動作は悪くない。将来的に、いかに武器になる球を見出だせるかが鍵になりそうだ。 (最後に) 実際の投球だけでなく、フォームの観点でも武器になる球を見出だせるかは微妙な印象を受けた。ただし、先発タイプだけに総合力を引き上げていくことで大成する、そういった可能性は期待できる。体にも力がありそうで、投球の基礎もできている。高校生でも比較的早くファームの試合など、実戦で技術を磨ける段階にあると言えそうだ。 評価的には育成枠あたりになるのではないかと見ている。ただし、指名される可能性は結構高いのではないかと見ているが、会議当日どうなるのか気にしてみたい。個人的には☆(支配下級)の評価にまではできないものの、こういった投手がプロ入り後見違えるようになったケースはいくらでもあるので楽しみにしている。 (2026年夏 甲子園) |