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斉藤 遼汰郎(有明3年)投手 175/76 左/左 
 




 「ちょっと芹澤っぽい」





 去年、高校No.1左腕と評価されながら社会人野球のヤマハに進んだ 芹澤 大地。その彼に何処となく似ているように感じられる 斉藤 遼汰郎。熊本大会で140キロ台中盤を記録しており、気になる存在だった。


(投球内容)

 この夏の甲子園では、
4試合、28回1/3、被安打19、四死球10、奪三振24、防御率0.95 という成績を残し、全国大会でも見事な結果を残した。

ストレート 130キロ台中盤〜140キロ台中盤
☆☆☆★ 3.5

 左投手の球速が出にくい甲子園のガンでは、130キロ台中盤からMAX140キロぐらい。しかし、熊本大会では140キロ台中盤を記録しており、実際のボールの勢いは
球速表示以上に感じられた。特に追い込むと、低めや右打者の内角にズバッと投げ込む大胆さが光った。

横変化 スライダー
☆☆☆ 3.0

 小さく横滑りするスライダーで、しっかりカウントを整えてくる。打者の空振りを誘うようなキレはないが、カウント球としては機能していた。

縦変化 スプリット(チェンジアップ?)
☆☆☆ 3.0

 スライダー以上に多く投げてくるのが、チェンジアップのような低めで沈むスプリット。ただし、この球は低めに集まりやすいものの、思ったほど打者が手を出してくれていなかったのは気になった。

緩急 カーブ
☆☆★ 2.5

 時々緩いカーブも使ってくる。ただし、まだ大事な場面で任せられるだけの信頼度はなさそうで、余裕がないと使ってこない感じだった。

投球以外の技術
☆☆☆ 3.0

 基本的には
クイックはまだ使えない印象。牽制も見られないため、走者の進塁をいかに防いでいくかには課題が残る。フィールディングの動きはまずまずで、要所ではしっかり勝負球を投げ込むマインド的な部分は評価したい。

(投球のまとめ)

 まだ制球が粗っぽかったり、クイックができなかったりと課題も少なくない。ただし、根本のストレートの勢いや、ここぞという場面でズバッと決められる大胆さを面白いとみるスカウトもいるだろう。育成枠あたりであれば、指名を検討する球団もあるかもしれない。





(投球フォーム)

 セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さはそれなり。軸足一本で立ったときには膝がピンと伸び切るような力みは感じられないものの、全体のバランスとしてはどうだろうか。

<広がる可能性>
☆☆☆ 3.0

 引き上げた足を高い位置でピンと伸ばしているため、お尻は三塁側(左投手の場合)に落ちている。したがって体を捻り出すスペースは確保できており、カーブやフォークといった捻り出して投げる球種には適している。

 ただし、着地までの地面の捉え方が淡白で、体を捻り出す時間が物足りない。こうなると曲がりの大きな変化よりも、球速のある小さな変化でピッチングを組み立てていくことになりそうだ。

<ボールの支配>
☆☆☆ 3.0

 最大の課題は、
グラブを内に抱えきれず、最後後ろで解けてしまっている点だ。こうなると軸がブレてしまい、両サイドへのコントロールが狂いやすい。足の甲での地面の捉えはそこそこできているので、浮き上がろうとする力はある程度抑えられている。「球持ち」もそれなりなので、フォームが暴れる割にはそこまでコントロールが破綻していない。

<故障のリスク>
☆☆★ 2.5

 お尻の落としはできているので、カーブやフォークといった捻り出して投げる球種でも窮屈にはなりにくい。ただし、ボールを持つ方の肩が上がり、グラブを持つ方の肩が大きく下がっており、
肩への負担という意味では不安が残る。かなりの力投派なので、疲労も溜めやすいのも気になるところだ。

<実戦的な術>
☆☆☆ 3.0

 着地までの粘りは感じられないが、ボールの
出どころは隠せている。そのため打者はワンテンポ振り遅れる可能性があり、腕の振りが素晴らしいので打者としてはその勢いに釣られやすい。ただし、投げ終わったあとに三塁側に大きく倒れ込むように、作り出したエネルギーをリリースまでうまく伝えられていないのは残念だ。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、
「着地」と「体重移動」に改善の余地がありそうだ。グラブが解けて暴れてしまうことによる制球力の不安定さと、故障リスクの高さは気になる材料である。また、将来的に武器になる変化球を見出せるかも今後の課題となる。


(最後に)

 素材としての魅力は感じられるので、育成であれば面白いと判断する球団はあるかもしれない。しかし、本人は進学志望だという話もあり、志望届を提出するのか、育成枠までの指名を受け入れるのかまではわからない。個人的にも
(支配下級)」という評価には至らなかった。まだ面白い素材という域を脱し切れていないため、確かな実力が付くまで大学などでステップアップを待った方が得策なのかもしれない。


(2026年夏 甲子園)