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| 杉崎 成(24歳・JR東日本)三塁 176/82 右/右(東海大菅生-明治大出身) | |
今や社会人でも指折りの長打力を示す「強打の三塁手」 杉崎 成。しかし、確実性に欠ける打撃と、守備の安定感をどう見極めるかで、評価は大きく分かれそうな選手でもある。 走塁面:☆☆☆★(3.5) 都市対抗で魅せたショートゴロのタイムは、右打席から4.1秒前後。このタイムは左打者に換算すると3.85秒前後に相当し、プロの中に混ぜてもかなりの俊足であることに驚かされる。明治大時代はリーグ戦で29試合に出場し盗塁はなかったが、社会人1年目は120打数で6盗塁を決めるなど、実戦でもある程度走れる脚力がある。今年も22試合で4盗塁をマークしており、決して動けない選手ではない。プロで足を売りにするかは別としても、走力はそれなりにある選手であることは頭の片隅に置いておきたい。 守備面:☆☆(2.0) むしろ心配なのは、三塁の守備である。都市対抗の初戦でも、送球面に不安な面を見せていた。特に動きそのものというより、送球時に肘を下げて投げてしまう癖があるため、一塁手が捕球しづらかったり、送球自体が不安定になったりしやすい。今年も17試合で3失策を喫しているように、守備の不安が解消されたとは言い難い。こうなると、プロでは一塁やDHなど、起用ポジションが限られてしまう可能性が高そうだ。 (打撃内容) 今シーズンは 22試合で、二塁打6本、本塁打6本、19打点、9四死球、15三振、打率.284 という成績を残している。社会人の打率は、3割5分以上で一流、4割以上で超一流、逆に3割以下となるとどうしても粗い印象を受けざるを得ない。 <構え> ☆☆☆☆(4.0) 右打席から前の足を少しだけ引き、グリップを高めに添えた強打者スタイル。背筋をしっかりと伸ばしつつ、両目で前を見据える姿勢や全体のバランスも非常に良い。 <始動> 平均 投手の重心が下がりきったあたりで動き出す「平均的な仕掛け」を採用している。この仕掛けは、ある程度の長打力と確実性を兼ね備えた中距離打者や、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く見られるタイミングである。 <足の運び> ☆☆☆(3.0) 足を軽く上げて、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用している。始動から着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応できている。アウトステップの軌道からも、意識は内角寄りに強くあることが窺える。 踏み込んだ足元はインパクトの際にブレずしっかりと止まっているため、アウトステップでありながら甘めの外角や低めの球にも食らいつくことができる。ただ、気になるのは腰の開きがやや早い点であり、その体勢で無理に引っ張ろうとすると、打球を引っかけてゴロになりやすい傾向にある。 <リストワーク> ☆☆(2.0) 打撃の準備である「トップ」の形を自然体で作れており、無駄な力みは感じられない。ただし、一連の動作がやや忙しいため、立ち遅れないように注意したい。バットの入射角を見ると、内角に対しては上から振り下ろして対応できているものの、外角の球に対しては腰が早く開く分、バットも遠回りに出やすくなる。そうした部分が、打撃の確実性を損なっている最大の要因かもしれない。 一方で、スイングの弧の大きさやフォロースルーまで含めて、芯で上手く捉えた時には打球を遠くへ飛ばせるだけのスケールはある。課題は、いかにロスなくボールを捉えられるかに尽きる。 <軸> ☆☆☆★(3.5) 足の上げ下げが静かなため、目線の上下動は少なめに抑えられている。腰は早く開くものの、体の開きはある程度のところまでで抑えられており、軸足にも適度な粘りが感じられる。 (打撃のまとめ) かなり腰が早く逃げ、バットも遠回りに出てくるスイング軌道を描く。その一方で、前の足がしっかり止まることで一定の壁を作り甘めの外角球ならばさばけ、内角の球に対しては上から叩いて対応する。むしろ、逃げていく変化球や外角一杯のゾーンに強い球を投げられた時にどう対処するのか、そちらの方が気になるところだ。この辺りの課題をクリアできるかが、打率・確実性を引き上げる鍵になりそうである。 (最後に) 非凡な長打力はあるものの、癖のある打撃と、三塁を安心して任せられるか微妙な守備力をどう評価すべきか。ツボにハマった時の長打力を買えば指名対象になり得るとは思うが、大卒社会人という経歴を踏まえると、分かりやすい欠点があるのは大きなマイナス材料と言わざるを得ない。かなり評価の分かれる選手になりそうであり、個人的には ☆(支配下級)の評価を付けるまでには至らなかった。 (2026年 都市対抗) |