26sp-6
| 加藤 響(24歳・YBS HD)投手 180/86 右/右 (金足農-八戸学院大出身) | |
小さめのテイクバックから、ズバーンとミットに突き刺さる真っ直ぐの勢いは破格の 加藤 響 。26年度のスポニチ大会でも154キロを記録。これからさらに暖かくなれば、150キロ台後半を記録する可能性も十分に秘めている。 (投球内容) 八戸学院大時代から大学選手権で140キロ台後半を連発するなど、そのスピード能力は折り紙付きだった。昨年の都市対抗予選などではチームの先発も任されていたが、今回のスポニチ大会では2試合にリリーフとして登板。4イニングを投げて被安打3、4四死球、2奪三振、2失点 という内容だった。 ストレート:140キロ台後半〜150キロ台中盤 ☆☆☆☆(4.0) 球速とボールの勢いには目を見張るものがある。その反面、制球がかなり粗く、球速の割に合わされやすい傾向がある。こうした課題は大学時代から大きくは変わっていない印象だ。 横変化(スライダー・カット?):☆☆★(2.5) 投球割合は低いが、横滑りするスライダー(あるいはカット系)を投げ込んでくる。この球の精度が上がってくれば、真っ直ぐへの依存度が減り、投球の組み立てが楽になるはずだ。 縦変化(フォーク/スプリット?):☆☆☆(3.0) 縦の変化は比較的多く混ぜてくる。基本は速球と縦の変化とのコンビネーションだが、現状では打者が振ってくれず、投じている割に効果が薄いのが気にかかる。 その他:☆☆☆(3.0) クイックタイムは1.0秒前後と高速。しかし、走者への目配せなどが不十分で、フォームを盗まれて盗塁を許す場面も見られた。走者ケアや、ボールを長く持つ工夫、投球テンポを変えるといった細かな技術はこれからの課題。攻めが一辺倒になる傾向があり、一気に失点してしまうケースが散見される。 (投球のまとめ) 投げているボール自体は破格の威力ながら、打ち込まれてしまう場面が目立つ。いまだ「素材型」の域を脱しきれていない印象だ。その原因が制球にあるのか、フォームにあるのか、あるいは配球にあるのか。今後の推移を注視していきたい。 (投球フォーム) セットポジションから、足は勢いよく上げないが高い位置まで引き上げてくる。軸足一本で立った際に膝から上がピンと伸びてしまい、やや力みの感じられる立ち方だ。全体のバランスは適度に保たれているが、この膝の力みが制球を乱す一つの要因になっているのではないだろうか。 <広がる可能性>:☆☆☆★(3.5) お尻を一塁側へ落とす動作は適度にできており、体を捻り出すスペースは確保されている。そのため、カーブやフォークといった球種を投げるのに無理な形ではない。 「着地」までの地面の捉えは平均的。多彩な球種を投げられる下地はあるが、現時点で武器と言えるほどの大きな変化を期待できるかは微妙なところ。 <ボールの支配>:☆☆☆(3.0) グラブを最後まで内に抱えられ、遠心力を逃がさず軸を保てているため、本来は両サイドへの制球をつけやすいはず。一方で、足の甲での地面の捉えが浅く、浮き上がろうとする力を抑え込めていない。高低の制球に課題が出るのはそのためだろう。 <故障のリスク>:☆☆☆(3.0) ヒップファーストの形は悪くなく、縦系の球種を投げても窮屈さは感じない。腕の振りも無理はないが、かなり力んで投げるタイプなだけに、疲労の蓄積によるリスクは否定できない。 <実戦的な術>:☆☆☆★(3.5) 「着地」までの時間は平均的ながら、ボールの出どころは隠せている。打ち込まれる要因がフォーム自体の見やすさにある可能性は低そうだ。 腕を強く振れているため、打者にとっては釣り球に手を出してしまいそうな勢いがある。ただ、投げ終わった後に体が少し一塁側へ流れるため、生み出したエネルギーをリリースでわずかにロスしているようにも見える。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作(着地・球持ち・開き・体重移動)において致命的な欠陥はないが、「着地」や「体重移動」にはまだ改善の余地がある。力みによる疲労の溜まりやすさと、足の甲の接地不足によるボールの浮きが現在の弱点。創意工夫次第で、より質の高い変化球を習得できる可能性を秘めている。 (最後に) ボールの威力の割に被安打が多いのは、制球の甘さと「速球とフォーク」という単調なコンビネーションで的を絞られやすいからではないか。都市対抗予選や本戦までに、このあたりをどこまで改善しアピールできるかにかかっている。現状は指名ボーダーライン上の評価だが、今後のさらなる進化に期待したい。 蔵の評価:追跡級! (2026年 スポニチ大会) |