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柳沼 勇輝(24歳・日本製紙石巻)投手 180/94 右/右 (帝京-明星大出身) 





 「おいどんカップから気になっていた」





 スポニチ大会前に行われた「おいどんカップ」で、質の良い真っ直ぐを投げ、注目していた 柳沼 勇輝。スポニチ大会でも2試合に登板し、その潜在能力の高さを示した。


(投球内容)

 「おいどんカップ」では先発を務めたが、スポニチ大会では2試合ともリリーフとして登板。非常に
オーソドックスなフォームから投げ込む正統派の投手だ。今シーズンの主要指標をまとめると、その支配力の高さが浮かび上がる。

【指標の補足】

K/9(奪三振率): 9イニング換算の奪三振数。9.0を超えると優秀とされる。

BB/9(与四死球率): 9イニングあたりの与四死球数。リリーフなら3.0台に抑えたい。

K/BB: 奪三振と与四球の比率。投手の能力バランスを示し、3.5超えが理想とされる。

WHIP: 1イニングあたりに出した走者の数。1.00未満は球界を代表するエース級の証。


投球回数
被安打
四死球 奪三振 防御率 K/BB WHIP
7回2/3 3 4 8 2.35 2.00 0.91


ストレート:140キロ〜140キロ台中盤(評価:☆☆☆★ 3.5

 K/9
9.39という高い数値が示す通り、最大の持ち味は空振りを誘える直球の質にある。おいどんカップの先発時は立ち上がりに苦しんだが、リリーフではその威力がより際立つ。WHIP 0.91という驚異的な数値は、走者を出すこと自体が稀であることを示しており、三振を奪える直球があればこそ、被安打をわずか3に抑え込めている。

横変化:カットボール(評価:
☆☆ 2.0

 この試合ではチェンジアップ系とのコンビネーションが中心だった。スライダーやカット系でカウントを整え、K/BBを現在の
2.00から引き上げることができれば、さらに盤石な投手になるだろう。

縦変化:チェンジアップ(評価:
☆☆☆ 3.0

 ツーシーム気味のチェンジアップやフォークを投じるが、空振りを奪うほどのキレはまだ感じられない。あくまで直球との緩急差で打者のタイミングを狂わせる球種だ。三振の多くを直球で奪っている現状、これらの変化球の精度向上が今後の鍵となる。

緩急:カーブ(評価:
☆☆ 2.0

 緩いカーブを時折織り交ぜる。カウント奪取に苦労していただけに、この球で楽にストライクが取れるようになると、投球の組み立ては一気に楽になるはずだ。

その他(評価:
☆☆☆★ 3.5

 クイック(1.0〜1.1秒前後)や牽制などのフィールディング能力は高い。BB/9
4.70という数字は制球の甘さを示唆しているが、走者を出してからの守備・牽制能力の高さが、大崩れを防いでいる要因とも言える。

(投球のまとめ)

 リリーフ起用では、その直球の質がより明確な武器として機能している。指標上も
「走者を出さない(WHIP)」と「三振を奪える(K/9)」というリリーフに不可欠な要素を兼ね備えており、今後も動向を追うべき存在だ。





(投球フォーム)

 ノーワインドアップから、足を引き上げる勢いや高さは標準的。フォーム序盤からエネルギーを捻出するタイプで、
本質的にはリリーフ向きかもしれない。軸足で立った際に膝から上がピンと伸びる力みは気になるが、バランスは保てている。

<広がる可能性>(評価:
☆☆☆ 3.0

 引き上げた足を地面に向けて伸ばすため、お尻の一塁側への落としがやや甘い。ただ、カーブやフォークを投げるのに支障が出るほどの窮屈さは感じられない。「着地」までの粘りは平均的で、体を捻り出す時間も標準的。スライダーやチェンジアップ、あるいは球速のある小さな変化球を中心に投球を構成していくことになるだろう。

<ボールの支配>(評価:
☆☆☆★ 3.5

 グラブを最後まで内に抱え、外へ逃げようとする遠心力を抑えられている。軸がブレにくいため、両サイドへのコントロールはつけやすい。地面の捉えもできているが、ボールが高めに集まりやすい傾向がある。これは長所でもあるが、「球持ち」の浅さからボールを押し込めていない可能性も考えられる。

<故障のリスク>(評価:
☆☆☆★ 3.5

 お尻の落としに甘さはあるが、負担の大きいカーブやフォークの頻度が低いため、過度に神経質になる必要はないだろう。腕の振り出しを見ても肩への負担は少なく、極端な力投派でもないため、疲労を溜め込みすぎる心配もなさそうだ。

<実戦的な術>(評価:
☆☆☆★ 3.5

 「着地」までの粘りは平均的だが、出どころはある程度隠せている。気になるのは、投げ終わりに腕が体に絡んでこない点。腕の振りが弱いか、球持ちが浅い可能性がある。体重移動はできているものの、リリース後に体が少し一塁側に流れるため、作り出したエネルギーをロスしている感は否めない。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作(着地・球持ち・開き・体重移動)のうち、
「球持ち」に改善の余地がある。制球や故障のリスクは低く、あとはいかに絶対的な武器となる変化球を見出せるかが鍵となるだろう。


(最後に)

 
高めの直球で空振りを奪える魅力(K/9 9.39は本物だ。一方で、制球(BB/9)と変化球の精度という明確な課題もデータに表れている。都市対抗に向けて、これらの数値をどう良化させてくるか。非常に楽しみな投手である。


蔵の評価:
追跡級!


(2026年 おいどんカップ)