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| 樋口 新(23歳・王子) 投手 178/84 左/左 (千葉経済大付-愛工大出身) | |||||||||||||||||||
プロ入り初年度に25歳を迎える大卒社会人選手。彼らに求められるのは、1年目から一軍の戦力として計算できる「即戦力」としての実力だ。少なくとも「半即戦力」として、1年目から一軍戦力に絡める見込みがあるかどうかが、指名の大きな前提となる。 (投球内容) 現在、社会人左腕の中でもトップクラスの評価を受けているのが、この 樋口 新 だ。愛知工業大学時代からドラフト候補として注目され、社会人1年目から都市対抗、日本選手権の二大大会で先発を任されるなど、名門の柱として実績を積んできた。 防御率:2.05 大崩れせず、先発として試合を作る能力は高い。 BB9:4.78 9イニングで約5個近い四死球を与える計算。1イニングに平均0.53個の四死球を出す「コマンドの粗さ」が、スカウト陣の評価を分ける最大の焦点となる。
ストレート(145km/h前後):☆☆☆★ 3.5 体から腕を離して「ブン」と振ってくる荒々しいフォームから、球威のある荒れ球を投げ込む。右打者のインハイを厳しく突くことができ、空振りを奪うというよりは、力で詰まらせる球質が持ち味だ。 横の変化(スライダー・カット):☆☆☆★ 3.5 大きく浮き上がってから沈むカーブのような軌道のスライダーが武器。直球に勢いがあるため、打者はこの緩急に面食らってしまう。130km/h台後半のカットボール気味の球も織り交ぜる。 縦の変化(スプリット):☆☆★ 2.5 右打者に対して沈める球を持つが、精度・落差ともに発展途上であり、まだ絶対的な決め球とまでは言えない。 その他(守備・牽制):☆☆☆★ 3.5 クイックは1.15〜1.25秒と左投手として平均的。走者への目配せが効いており、牽制も鋭い。フィールディングの反応も良く、投球以外の守備能力は高いレベルにある。 (投球フォーム) セットポジションからゆっくりと足を高く引き上げる先発タイプ。軸足一本で立った際のバランスは良く、安定感がある。 広がる可能性:☆☆★ 2.5 引き上げた足を地面に向けて直線的に伸ばすため、重心(お尻)がバッテリーライン上に落ちやすい。そのため体を捻り出すスペースが不足しがちで、カーブやフォークといった「捻り」を要する球種の習得には不向きな構造だ。現状は球速のある小さな変化を中心に組み立てるのが現実的だろう。 ボールの支配:☆☆★ 2.5 グラブを抱えきれず体から離れる傾向があり、外旋する腕の振りと相まって軸がブレやすい。足の甲での地面の捉えも浮き気味で、高めに集まりやすい。「球持ち」の良さで、なんとか制御している状態だ。 故障のリスク:☆☆ 2.0 腕を外旋させて「ブン」と振り回す投げ方は、肩への負担が大きい。力任せに投げている感もあり、連投や長期的なシーズンでの疲労蓄積が懸念される。 実戦的な術:☆☆☆★ 3.5 「着地」までの粘りは平均的だが、ボールの出所を隠す技術(ディセプション)に長けている。体重を乗せてからリリースできており、打者の手元まで力強いボールが届いている。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作(着地・球持ち・開き・体重移動)のうち、「着地」の粘りと「体重移動」に改善の余地がある。制球面の不安や故障リスクといった懸念材料はあるものの、すでに武器となっているスライダーの威力は、それらを補って余りある魅力を持っている。 (総評) 圧倒的な奪三振率を誇るわけではないが、球威のある直球で「詰まらせて仕留める」スタイル。制球の不安定さがプロの打者相手にどう出るかは、今年しっかり見極める必要がありそうだ。 解禁年となる今年、社会人の舞台でどれだけ支配的な投球を見せられるか。課題のコマンドを克服し、圧倒的な内容を示せれば、即戦力左腕として上位指名も現実味を帯びてくる。現時点では「中位指名候補」という評価だが、昨年の 竹丸 和幸(鷺宮製作所-巨人1位)投手のように、一気に上位候補へと踊り出ても不思議ではない。 (2025年 日本選手権) |