26ky-2
| 古城 大翔(花巻東2年)三塁 180/94 右/右 | |||||||||||||||||||
明治神宮大会で、左中間スタンドに豪快な一発を叩き込んだ 古城 大翔 。まだまだ荒削りな素材だが、将来が楽しみなスラッガー候補だ。 【守備・走塁】 一塁までの到達タイムは、右打席から4.7秒前後(左打者換算で4.45秒前後に相当)。走力に関しては、プロのレベルに混ざると「遅い部類」に入ってしまう。それだけに走塁面での期待はあまり持てそうになく、2年秋までの公式戦26試合で盗塁を記録したことはない。 一方の三塁守備は、それなりに動ける印象を受けた。まだ動作に危なっかしさを感じさせる場面もあるが、極端に守備範囲が狭いということはなさそうだ。今後の鍛え方や本人の努力次第では、堅実なレベルまで到達できるかもしれない。地肩の強さは、三塁手としては中の上といったところか。 守備・走塁で即戦力としての期待は難しいが、三塁手としてやっていけるだけの手応えは感じさせてくれた。やはりこの選手は、「打ってなんぼ」という打撃特化型の色彩が強い。 【打撃内容】 打席や状況によって始動のタイミングを変えたり、あらかじめ打球方向を決めてチームバッティングに徹したりと、意識の高さが見て取れる。決して何も考えずに強振している打者ではないだろう。 ■ セイバーメトリクスによる補足 IsoP:.124 (長打力を示す指標:長打率-打率)。.100を超えると平均以上とされる。現段階で「単打狙いではない」ことが数値に表れている。 BB/K:0.55 (選球眼と打撃の正確性を示す指標:四球÷三振)。1.0を超えれば優秀とされる。0.55は強打者としては標準的だが、三振を恐れず自分のスイングができている証でもある。
構え:☆☆☆★(3.5) 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。適度に背筋を伸ばしバランスは取れているが、両目で前を見据える姿勢はさほど良くない。そういった意味では、奥行きの錯覚を起こしやすい構えかもしれない。 仕掛け:早すぎ〜平均 始動のタイミングを打席によって使い分けている。特に本塁打を放った際は、あらかじめ足を大きく引き上げ、投手の重心が下がり始める前から動き出す「早すぎる仕掛け」を採用。しかし、その後の打席では「平均的な仕掛け」に切り替えるなど、スイングが粗くなりすぎないよう工夫していた。現状は、自分に合う形を試行錯誤している段階なのだろう。 足の運び:☆☆☆(3.0) 足を引き上げ、真っ直ぐから、時に少しインステップ気味に踏み込んでくる。早めに始動しているものの、ステップ幅が狭く着地が早すぎるため、十分に「間」を作れずタイミングが合わない場面も見受けられた。 踏み込んだ足元はインパクトの際もブレずに我慢できており、逃げていく球や低めの球にも食らいつける。状況次第では右方向へ意図的に運ぶなど、チームバッティングの意識も高い。ただし基本的には、センターからレフト方向への引っ張りを得意とする打者のようだ。 リストワーク:☆☆☆(3.0) 「トップ」の形を作る動作が自然体で、力みがない点は評価できる。バットのヘッドが下がらず、広い面でインパクトできているため、打球がフェアゾーンに飛びやすい。本塁打の際はカチ上げるようなスイングを見せたが、常にその軌道というわけではない。当たれば飛ぶが、どの程度の確率で打球に角度をつけられるかは、今後も見極めていく必要がありそうだ。 軸:☆☆☆★(3.5) 足の上げ下げは平均的で、目線の上下動も標準的。体の開きは我慢できているが、普段はステップが狭いため軸足が少し窮屈そうで、パワーを持て余している感がある。ただ、あの一発を放った打席に関しては、早めに動き出すことで十分な「間」が取れ、ステップ幅も理想的。完璧な形でボールを呼び込めていた。 【打撃のまとめ】 現状はデータで見ても「長打力を秘めた好打者」という立ち位置。チームバッティングを意識するあまり、打席ごとにスタイルを変えているが、それはまだ本当の意味で自分の「間」を掴みきれていない裏返しでもある。 【最後に】 スイングの再現性という点ではまだ課題が残るが、理想の「間」やステップ幅を最終学年で確立できれば、手がつけられない打者になる可能性を秘めている。特に、あの一発で見せたようなスイングを常時再現できれば、IsoP(長打力)は.200を超える本物のアーチストへ進化するだろう。貴重なスラッガー候補として、今はその成長を静かに見守りたい。 (2025年秋 神宮大会) |