26ky-17





後藤 幸樹(沼津商2年)捕手 180/82 右/右 





 「マインドは外野手」





 打席に入る時の派手なルーティンや、イケイケのプレースタイルなどを見ていると、後藤 幸樹 という選手は、繊細さが求められる捕手というポジションよりも、外野手向きなのではないかと思えてくる。ある意味、プロ向きのマインドを持った選手と言えるのかもしれない。



(ディフェンス面)

 そんなにガンガン引っ張っていくという感じには見えなかったが、基本的には叱咤激励しつつ投手を導くタイプだと思います。片膝を着きつつ、ミットを構えます。グラブを地面に下ろしてしまうクセがあるため、ワンバウンド処理に多少遅れがちに見えました。キャッチングなども、それほど特別なものは感じませんでした。コースを外れた球に対し、全身で止めにいこうという意識はさほど高くなさそうですが、天性の反射の良さでなんとか止められているといった感じです。キャッチングに関しては、上のレベルでは相当みっちり鍛え直さないといけないのではないかと感じます。

 スローイングも、まだ力任せに投げている印象です。試合では2.05秒ぐらいで、あまり正確なタイムは計測できず。ただし、イニング間送球では1.95秒前後で投げられていましたし、地肩はかなり強いように感じます。これもしっかりした送球フォームを指導されたら、かなりタイムは縮められるはずです。ただ、捕手としては基礎的な部分から学び直さないといけないことが多いため、プロ入り後は他のポジションにコンバートされることを前提に考えた方が良いのではないでしょうか。この一冬の間にどのぐらい「捕手らしく」なるのかを見極めて判断したいところです。



(打撃内容)


 体が強く、強烈な打球を放ちます。ただし、ボールを遠くに飛ばすというよりも、
鋭い打球が野手の間を抜けていくタイプだと見受けられます。また、右方向へ打ち返すことが多く、逆方向への打撃を苦にしていないように感じます。


<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 右打席から前の足を引いて、カカトを浮かせて立っています。グリップを高めに引き上げ、少しバットを前に伸ばして添えています。背筋を伸ばしつつ、両目で前を見据える姿勢や全体のバランスは、それなりといった感じです。


<仕掛け> 
遅すぎ

 投手の重心が下がる時に、開いていた足をベース側につま先立ちさせます。しかし、本格的に動き出すのはリリース直前という「遅すぎる仕掛け」を採用しています。日本人のヘッドスピードや筋力で、プロレベルの球を木製バットで打ち返すには、なかなか難しい始動のタイミングではあります。


<足の運び> 
☆☆☆ 3.0

 ベース側につま先立ちし、浮かしたカカトをその場で下ろすだけといったスタイルです。始動から着地までの「間」がないので、あらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さない「鋭さ」が求められます。形的にはクロスに構え、インステップ気味に
外角を強く意識したスタイルです。 踏み込んだ前足は、インパクトの際にブレずに我慢できています。そのため、逃げていく球や低めの球にも食らいつくことができます。実際、その打撃を見ていると、外角の球に対する右方向への意識が強いことがわかります。


<リストワーク> 
☆☆☆ 3.0

 トップに近い位置にグリップを置いているので、始動の遅さを動作の小ささで補っている感じがします。スイングは少し遠回りにバットが出てくるのですが、これはポイントを後ろに置いて右方向への打球を強く意識しているせいかもしれません。 それでもバットの先端(ヘッド)は下がらず、広い面でインパクトできており、
打球はフェアゾーンに飛びやすくなっています。角度がつくというよりも、鋭い打球で野手の間を抜けてゆく。それだけのヘッドスピードや体の強さは持っています。


<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げは小さいので、目線の上下動はそれほど大きくありません。体の開きは我慢でき、軸足も大きくは崩れていません。ただし、右方向への意識が強い分、
内角のさばきは窮屈になりやすい傾向にあります。


(打撃のまとめ)

 クセが強い打撃なので、それを
許容してくれる指導者や環境に恵まれるかどうかも大事な要素だと思います。かなり感覚・感性でプレーしているので、形を矯正したからといって良い結果に結びつくとは限りません。欠点を修正するよりも、長所を伸ばしてくれるような環境に進むことを祈ります。



(最後に)

 良く言えばプロの素材、悪く言えば、いろいろな意味で学び直さないといけない部分があります。特に捕手としては時間がかかりすぎる可能性があるので、個人的には外野手などの人材だと見ています。右打席から4.15秒前後(左打者換算で3.9秒前後に相当)で走れる俊足と、強肩を生かせるポジションが良いのではないでしょうか。 打撃に関してはかなり粗いとは思いますが、ポテンシャルを評価して興味を示す球団は出てくるはずです。現状は育成枠あたりなら面白そうな選手ですが、一冬越えてどのように変貌していくのか見極めていきたいです。



(2025年夏 静岡大会)