26kp-31
| 上田 健介(近江3年)投手 182/80 右/右 | |
秋までは「荒れ球」のイメージが強かったが、この選抜では高めの速球を効果的に使うなど、想像以上に落ち着いたマウンド捌きが光った。大垣日大戦では 9回2/3を投げ、7安打・無四球・7奪三振・自責点0 という、実戦派への成長を証明する粘りの投球を見せていた。 【投球内容】 少しスリークォーター気味のフォームから投げ込む右腕。 ストレート:130キロ台後半〜最速145キロ 評価:☆☆☆(3.0) 140キロ前後の球速帯はドラフト候補としては際立つものではないが、数字以上にボールに力がある。特に高めの釣り球で打者の芯を外して詰まらせる場面が印象的だった。適度に両サイドへ散っており、無四球が示す通り制球力も安定している。 変化球:スライダー・カットボール 評価:☆☆☆(3.0) 120キロ前後のスライダーと、130キロ台中盤のカットボールを織り交ぜる。空振りを量産するほどのキレはないが、内外角へ正確に投げ分ける制球があり、投球の幅を広げている。 縦の変化:ツーシーム 評価:☆☆★(2.5) シンカー気味に沈むツーシームも備えているが、現状ではスライダーほどの信頼度はない。この球で空振りが取れるようになると、投球の奥行きがさらに増すだろう。 その他 評価:☆☆☆(3.0) クイックは1.0〜1.1秒台と及第点。牽制や間合いの使い方は平均的だが、走者を背負っても動じない精神面の成長が感じられる。 【フォーム分析】 セットポジションからバランス良く立ち、軸足に力みなく乗せることができている。 <広がる可能性> 評価:☆☆☆(3.0) 足を地面に向けて伸ばす傾向があり、ヒップファースト(お尻を捕手側へ落とす動き)がやや甘い。そのため、カーブやフォークといった球種は変化が鈍くなりやすい。現状、キレの良い横の変化が中心なのもこのあたりに要因がありそうだ。 <ボールの支配> 評価:☆☆☆★(3.5) グラブを最後まで内に抱え込み、遠心力を抑えられている。軸がブレにくいため、両サイドへの制球が安定しやすい。足の甲での地面の捉えが遅いため浮き上がる力は抑えられているかは疑問だが、彼はそれを逆手にとって「高めで振らせる・詰まらせる」スタイルを確立している。 <故障のリスク> 評価:☆☆☆☆(4.0) 無理に体を捻り出すような球種はなく、肘や肩への負担は少ない。力んで投げる場面が減ったことで、疲労耐性も高まっているのではないか。 <実戦的な術> 評価:☆☆☆(3.0) 着地までの粘りは作れているが、球の出どころは平均的で、打者から見て合わせにくいタイプではない。力まなくなった分、腕の振りがやや弱まった印象を受けるのは惜しい点だ。また、フィニッシュで重心が一塁側に流れるため、生み出したエネルギーをリリースに伝えきれずロスしている場面も見受けられる。 【フォームのまとめ】 制球力と投球術に関しては、秋から大幅な進化を遂げた。特に「力んで速い球を」という意識を抑え、自分の投球を貫けるようになった精神面を高く評価したい。フォームの4大動作(着地、球持ち、開き、体重移動)のうち、「開き」と「体重移動」に改善の余地はあるが、故障リスクが低く計算できる点は大きな強みだ。 (最後に) 秋に比べ、一気に「投手」らしくなった。甲子園で無四球という結果を残した安定感は、夏に向けて大きな自信になるだろう。プロを想定した場合、現状では「武器」が見えて来ない。夏までに「これならプロでも通用する」という決め球や、一段上の球威を手に入れられれば、高卒での指名も現実味を帯びてくるはずだ。 蔵の評価:追跡級! (2026年 選抜大会) |