26kp-22
| 西田 櫂吏(京都国際2年)投手 178/83 左/左 | |
昨夏の甲子園では登板機会がなかったものの、秋の新チーム発足とともに急浮上してきたのが、この 西田 櫂吏 だ。関西地区を代表する左腕として、今春の近畿大会や選抜では多くのスカウトが熱視線を送ることになるだろう。 (投球内容) 一言で言えば「正統派のサウスポー」だ。荒削りな素材型というよりは、丁寧にコースを突きながら試合を作る「実戦派」の色彩が強い。 ストレート(135キロ〜140キロ強ぐらい):☆☆☆(3.0) 現状、ドラフト候補の左腕としては標準的な球速帯。適度な勢いは感じるものの、意図したコースへ完璧に投げ分けるまでには至らず、ややバラつく傾向がある。ただ、多少荒れていても「甘いゾーン」には入ってこない点が、彼の非凡なセンスを感じさせるところだ。 横変化球(スライダー):☆☆☆★(3.5) 西田の最大の武器は、斜めに鋭く沈むスライダーにある。左打者の外角低めに集めるだけでなく、右打者の内角へ食い込ませることもできる。低めに決まる確率が非常に高いため、痛打を浴びにくく、最も信頼の置ける球となっている。 縦変化(チェンジアップ:☆☆☆(3.0) スライダーほどのキレや精度はないものの、右打者へのチェンジアップを有効に使ってくる。 緩急(カーブ:☆☆☆ 3.0) 適度に織り交ぜて緩急をつける。カウントを整えるアクセントとして機能しており、投球の幅を広げている。 牽制・クイックなど:☆☆☆★(3.5) クイックタイムは1.05〜1.15秒と基準以上。走者への目配せも怠らず、牽制を適度に挟むため、相手走者はスタートが切りにくいだろう。ピンチでも投げ急ぐことがなく、状況次第では「際どいコースを突いて、打ってこないなら歩かせてもいい」という割り切った投球を見せる。このあたりの落ち着きは、高校生離れしている。 (投球のまとめ) しっかり思考しながらピッチングができる選手であり、その点は昨夏の優勝投手である先輩・西村一毅 から多くを学んでいるようだ。素材の良さで圧倒するよりも、総合力の高さで勝負するタイプ。それでもポテンシャルとしては、西村以上の投手へ化けても不思議ではない。 (投球フォーム) セットポジションから、平均的な高さまで足を引き上げる。軸足一本で立った際の膝の力みはなく、全体のバランスは良好だ。 <広がる可能性> ☆☆★(2.5) 引き上げた足を地面へ向かって直線的に伸ばすため、重心(お尻)がバッテリーライン上に落ちやすい。そのため、体を縦に捻り出すスペースを確保しにくく、現時点では縦に割れるカーブやフォークの習得にはあまり適さない構造に見える。スライダーやチェンジアップ、あるいは球速差の少ない小さな変化を中心に組み立てるスタイルが合っていそうだ。 <ボールの支配> ☆☆☆☆(4.0) グラブを最後まで内側に抱え込み、遠心力による開きを抑え込んでいる。軸がブレにくいため、両サイドへの制球力は高い。足の甲でしっかり地面を捉え、ボールが浮き上がるのを防いでいる。球持ちは標準的だが、ボールを低めに集める能力に長けている。 <故障のリスク> ☆☆★(2.5) 重心の落とし方がやや窮屈なため、無理に縦の変化球(フォーク等)を多投しようとすると、肘への負担が増す懸念がある。現状は横の変化が主体なので過度な心配はいらないが、気になるのは投球時に「投げる側の肩が上がり、グラブ側の肩が下がる」点。力投派ではないため疲労蓄積は緩やかだろうが、肩関節のケアには注視したい。 <実戦的な術> ☆☆☆★(3.5) 着地までの粘りは平均的だが、ボールの出どころが隠れており打者はタイミングを取りにくい。腕の振りも体にしっかり絡んでくるため、打者は思わず手を出してしまう要素がある。ただ、まだリリース時に体重が完全に乗り切っていない点や、投球後に左側へ体が流れてエネルギーをロスしている点は、今後の改善ポイントだろう。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作(着地、球持ち、開き、体重移動)で見ると、「着地」と「体重移動」に改善の余地ある。制球力に優れる一方で、やや窮屈な使い方が故障のリスクを孕むのが懸念材料だ。今後、体をさらに大きくし、負担の少ないメカニズムで強力な変化球を身につけられるかが鍵となる。 (最後に) 一冬越えて順調に体がスケールアップすれば、春の選抜大会では「関西屈指の左腕」として全国的な注目を浴びるはずだ。高校卒業後に直接プロを狙うのか、大学を経由するのか。いずれにせよ、ドラフト候補として名前が挙がってくる存在であることは間違いない。その成長を追いかけるのが、今から楽しみな投手だ。 (2025年秋) |