26kp-18
| 前田 悠太(春日部共栄2年)投手 178/73 左/左 | |
今年の関東地区において、左腕で最も将来性を感じさせるのが、この 前田 悠太 ではないだろうか。一目見れば誰もが良い素材だと確信する美しいフォーム。名門・春日部共栄のエースナンバーを託された「筋の良さ」は、最終学年での大化けを予感させる。 【投球内容】 非常にオーソドックスなサウスポー。2年夏の時点では、驚くような球速はないものの、質の高いボールを投げ込む。 ストレート:常時135キロ前後(☆☆★ 2.5) 球速以上にミットに突き刺さるような勢いと球威がある。課題は立ち上がりの力み。力むと球筋が不安定になり、傷口を広げる傾向がある。このメンタルコントロールが次なるステップへの鍵だ。 横の変化:スライダー(☆☆☆ 3.0) 横に滑るスライダーでカウントを整える。決め球というよりは、投球を組み立てる上での生命線。キレ自体は良好。 縦の変化:チェンジアップ(フォーク)?(☆☆☆★ 3.5) 直球と同じ腕の振りからスッと抜ける。低めに沈み、狙って空振りを奪える非常に効果的な「消える」ボールだ。 緩急:カーブ(☆☆ 2.0) 現状は抜けてしまうことが多く、アクセントとしては機能しきれていない。 守備・クイック(☆☆☆★ 3.5) クイックタイムは1.05秒~1.15秒と基準以上。牽制やフィールディングも及第点で、野球センスの高さが伺える。 【投球のまとめ】 直球の制球難はフォームの欠陥というより、力みから来るもの。変化球のキレは一級品であり、順調に出力が上がれば、春には最速で140キロ中盤をマークしても不思議ではない。そうなれば、高卒プロが現実味を帯びてくる。 【投球フォーム】 セットポジションから勢いよく足を高く引き上げる。フォーム前半から高いエネルギーを捻出するスタイル。軸足一本で立った際、膝から上が伸び切り、「トの字」に近い形で突っ込みやすい立ち方に力みが見られる。 広がる可能性(☆☆☆★ 3.5) 足を高い位置でピンと伸ばすことで、お尻の三塁側への落とし(ヒップファースト)が作れており、体を捻り出すスペースを確保できている。そのため、縦の変化球を投げるのに適したメカニズムを持つ。ただし、着地までの地面の捉えが平均的なため、捻り出しの時間がやや短く、変化球の曲がりを鈍らせている側面がある。 ボールの支配(☆☆☆ 3.0) グラブを内でしっかりと抱え込み、軸のブレを最小限に抑えられている。両サイドの制球はつけやすいはずだが、足の甲での地面の捉えが浅いため、浮き上がる力を抑え込めていない。そのため高めにボールが集まりやすく、リリースでの押し込み不足から抜ける球も目立つ。左右よりも高低の制御が課題。 故障のリスク(☆☆★ 2.5) お尻が落ちているため、縦の変化球を投げても肘への負担は少なそうに見える。懸念点は腕の送り出し。ボールを持つ方の肩が上がり、グラブ側が下がる「肩の不揃い」がある。また、立ち上がりの力投スタイルは疲労を溜め込みやすく、故障への注意が必要。 実戦的な術(☆☆☆★ 3.5) 着地の粘りは平均的だが、ボールの出どころを隠すことができている。腕の振りが鋭いため、打者は縦の変化球に吊られやすい。「球持ち」がさらに良くなり、体重をしっかり乗せてリリースできるようになれば、打者の手元での圧はさらに増すだろう。 【フォームのまとめ】 4大動作のうち「開き」以外は改善の余地を残す。特に高低の制球を安定させるための下半身の粘りが欲しい。着地までの時間をもう少し稼げるようになれば、さらに質の高い変化球を習得できるはずだ。 【総評】 一冬越えての成長が最も楽しみな、未知数の魅力を秘めた投手。期待通りに身体が鍛えられ出力が上がれば、関東を代表する左腕としてドラフト戦線に躍り出るだろう。春季大会で、その変貌した姿を確認するのが、今から待ち遠しい素材である。 (2025年夏 埼玉大会) |