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| 寺尾 拳聖(早稲田大3年)左翼 183/88 右/右 (佐久長聖出身) | |||||||||||||||||||
旧チームから早稲田大学の4番を任されてきた 寺尾 拳聖。貴重な右の強打者として、打撃で突き抜けたい最終学年を迎える。12月には愛媛・松山での大学日本代表候補合宿にも選出された、大学球界を代表する外野手の一人だ。 (守備・走塁面) 一塁到達タイムは、速い時で 4.3秒前後。これを左打者に換算すると4.05秒前後に相当し、プロの基準である4.1秒をクリアする脚力を備えている。ただし、3年時のリーグ戦25試合で盗塁は0。決して動けない選手ではないが、プロで盗塁を量産するタイプではなさそうだ。 それ以上に課題となるのが、左翼手としての守備である。打球判断や追い方には危なっかしさが残り、地肩もプロの基準からすれば物足りなさが否めない。しかし、身体能力自体は高いため守備範囲は決して狭くはなく、球際での強さは持っている。「追いついてさえしまえば、なんとかしてしまう」という粗削りな魅力はあるものの、評価の軸はあくまで打撃に置かれることになるだろう。 (打撃内容) 3年春のリーグ戦では打率.422(リーグ3位)、15打点と爆発。秋は打率.239と低迷したものの、2本塁打、10打点と4番の意地を見せた。3年時の年間合算成績から、その打撃特性を読み解く。 OPS:.821 春の爆発があったため、年間通しては優秀な数値を維持。4番打者として合格点の得点生産能力を示している。 IsoP:.153 長打力を示す指標。右打者としてこの数値は魅力的であり、プロでも中長距離砲としての期待がかかる。 BB/K:0.93 特筆すべきは選球眼の良さだ。三振14に対し四死球13と、長距離砲としては三振が極めて少ない。秋の不調時でも、打席内での我慢はできていたことが推測できる。
構え(評価:☆☆☆ 3.0) 右打席から両足を揃えたスクエアスタンス。グリップを下げ気味に添える自然体の構えだ。全体のバランスは標準的だが、両目でしっかりと前を見据えており、球筋を正確に追うことができている。 仕掛け(評価:平均) 投手の重心が下がりきった時に始動する「平均的なタイミング」。確実性と長打力を兼ね備えたポイントゲッターに多く見られる始動だ。 足の運び(評価:☆☆☆★ 3.5) 足をしっかり引き上げ、ベースから離れる方向へ踏み出すアウトステップを採用。スピードの変化への対応力はある。アウトステップの軌道からは、内角を強く意識していることが伺える。踏み込んだ前足の我慢が効くため、甘い外角球や低めにも食らいつくことができ、センターから右方向へも強い打球を飛ばせる。 リストワーク(評価:☆☆☆★ 3.5) トップを自然体で作れる強みがある一方、秋はバットを引く動作が遅れ、立ち遅れて凡打を繰り返す場面が目立った。内角に対しては上から「叩き切る」ようなスイング。外角に対してはやや遠回りする傾向にあるが、圧倒的なヘッドスピードで補っており、ロスを感じさせない力強さがある。 軸(評価:☆☆☆★ 3.5) 足の上げ下げに伴う目線の上下動はある。しかし、体の開きを我慢した軸回転のスイングは安定している。特によく発達した軸足の内腿の筋肉が、強烈な打球を生み出す原動力となっている。 (総評) 秋の不調は、自分が打たねばという気負いからか「トップ」の作成が後手に回り、低めの変化球を見極めきれなかった点に集約される。これらは、調整次第で十分に改善可能なポイントだ。プレースタイルや体格、右の大型打者という点では、かつて日本ハムなどで活躍した 大田 泰示(元DeNA) に重なる雰囲気を持っている。 守備・走塁に課題を残すだけに、ドラフト指名を確実にするには「打撃で圧倒」することが絶対条件だ。貴重な右打ちの強打者として、春のリーグ戦で再び爆発を見せれば、評価は一気に急上昇するだろう。早稲田の主砲が充実の春を迎えられるのか。その時を静かに待ちたい。 (2025年 秋季リーグ戦) |