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| 前嶋 藍(亜細亜大3年)捕手 174/82 右/右 (横浜隼人出身) | |||||||||||||||||||
今年の捕手候補の中でも、地肩の強さだけで言えば、この 前嶋 藍 が筆頭に挙げられる。二塁送球がまともにハマった際は1.7秒台をマークする、まさに「猛肩」の持ち主だ。 (ディフェンス面) 細かくジェスチャーを交え、投手と対話しながら組み立てる姿勢が光る。キャッチング全般の安定感というよりは、フットワークの軽快さや、ワンバウンドへの反応の良さといった「動」の能力がこの捕手の一番の魅力だ。 一方で、地肩の強さの割に二塁送球タイムにバラつきがある点は、高校時代から課題として残っている。確実に刺すという精度の部分では、渡部 海(青学大)に一日の長がある。全体的に動きが多すぎるためか、グラウンド上でどこか落ち着かない印象を与えてしまう。最終学年で、捕手らしい「どっしり感」がどこまで出てくるかが、評価を左右するポイントになるだろう。とはいえ、ディフェンス能力自体は十分にプロで通用するレベルにある。 (打撃内容) 2年秋からレギュラーとなったが、シーズンによって成績にムラがある。下位打線を担うことが多く、打力で圧倒するタイプではない。ここまでの大学通算成績を分析する。 OPS:.605 打撃の総合指標。大学球界の平均的な捕手の水準であり、プロでは守備型捕手としての評価がベースになる数値だ。 IsoP:.064 長打力を示す指標(長打率-打率)。数値としては低めで、安打の多くを単打が占めている。プロでは「つなぎ」の意識がより求められるだろう。 BB/K:0.40 選球眼とコンタクト能力を示す指標(四死球÷三振)。25三振に対して10四死球と、やや三振が先行する傾向にある。追い込まれてからの粘りが今後の課題か。
構え(評価:☆☆☆★ 3.5) ほんの少しだけ前足を引きながら、グリップは高めに、幾分捕手側に添えるように構える。腰の据わりや全体のバランスは良いのだが、肩口からボールを見据えるような独特のスタイルが特徴的だ。 仕掛け(評価:平均) 投手の重心が下がりきったあたりで動き出す「平均的な仕掛け」を採用。このタイミングは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離ヒッターや、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く見られる。追い込まれるとノーステップになり、極めて遅い始動に切り替えて対応してくる。 足の運び(評価:☆☆☆☆ 4.0) 足を上げて回し込み、狙う打球方向によって踏み出す場所を変えてくる。始動から着地までの「間」はそこそこ取れており、速球・変化球ともにそれなりに対応可能。基本的には「打てるゾーンに来たら打ちに行く」というスタイルだろう。 踏み込んだ前足はインパクトの際にもブレずに止まっており、逃げていく球や低めにもしっかり食らいつけていた。意識的に右方向へ打ち返すなど、チームバッティングを心がけることもできる。 リストワーク(評価:☆☆☆★ 3.5) 打撃の準備であるトップの形を早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配はない。スイング軌道も大きなロスはなく、悪い癖もなさそうだ。 ただ、インパクトの際に無理にバットの先端(ヘッド)を立てようという意識が強すぎるのか、打球を引っ掛けてしまうことが多いように見受ける。あまり型にこだわりすぎず、強く振り抜ける自然なスイングを心がけても良いのではないか。 軸(評価:☆☆☆☆ 4.0) 足の上げ下げは静かで、目線が大きく動くタイプではない。体の開きも我慢できており、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定している。強いて言えば、少し足元が窮屈そうに見えるため「内角の捌きはどうだろうか」と思わせる部分もあるが、実際には肘を上手くたたんで対応できていた。 (打撃のまとめ) 技術的に大きな欠点はないが、現状それほど打力が高い選手とは言えない。しかし、意識をより打撃に傾ければ、もう少し打てるようになる資質は感じる。ドラフト候補としての打力が「指名圏内(許容範囲)」にあるかどうかは評価が分かれるボーダーラインであり、その点については慎重に見極める必要がありそうだ。 (最後に) とにかく肩の強い捕手が欲しいという球団にとって、これほどの人材はそうそういない。しかし、捕手としての総合力や、打力も含めた攻守のバランスを考えたとき、本会議(支配下)で指名されるかは非常に微妙な位置にいると見ている。昨今、捕手を見る目はプロ側も厳しくなっているため、どのような判断を下すかが注目される。最終学年でのさらなる進化を期待したい。 (2025年 秋季リーグ戦) |
| 前嶋 藍(横浜隼人2年)捕手 173/80 右/右 | |
捕ってから実に素早い切り返しで二塁まで到達する 前嶋 藍 の送球。しかしそのタイムは、2.0秒前後と驚くほどのタイムは出ていなかったのが不思議なぐらいだった。いずれにしても、今年の高校球界では注目すべきキャッチャーの1人なのは間違い無さそうだ。 (ディフェンス面) 細かくジェスチャーを交えながら、何か気がつくことがあると素早くマウンドに駆け寄り、投手と対話をしながら試合を作って行ける捕手です。ミットをしっかり示しせますし、グラブを地面につける癖もありません。キャッチング自体は平均的だと思いますが、ワンバウンドするような球に対しては、素早くミットから下から出せます。打球への反応もまずまずで、動きの良さ・フットワークの機敏さがあります。 最大の売りは、やはり送球にあると言えます。捕ってから無駄のない動きですし、送球自体も実に安定して走者の滑り込むあたりに集められます。1.8秒台中盤ぐらいは出ていても不思議では無さそうな動きに見えますし、地肩自体も二塁ベースまで、その勢いは衰えません。実戦で慌てることなく送球できれば、安定して刺すことができるでしょう。実際夏の藤嶺藤沢戦では、走者が滑り込み始める時にはボールが到達しており、捕殺する場面が観られました。 捕手としての適正・能力も充分だと思うのですが、もう少し地に足を付けてプレーをしても良いのかなと思える部分も。動きが良いとも紙一重なのですが、動き過ぎるきらいがあります。それでも、現時点では目立つ選手であるのは間違いないでしょう。 (打撃内容) 夏の神奈川大会では、5打数3安打でした。ツーベースも放っていますが、これはセンター前にポテンと落ちた打球で、外野の動きを観て上手く二塁を陥れたためで長打を放ったわけではありません。けして、長打で魅了する強打者といった感じではありませんでした。それでも、旧チームから3番・捕手として起用され、監督の信頼は厚そうです。 <構え> ☆☆☆ 3.0 前の足を軽く引いてカカトを浮かして立ち、グリップは高めの強打者スタイル。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスと並ぐらいです。 <仕掛け> 遅すぎ 投手の重心が下る時に動き出し、一度地面につま先立ちしてから再度動き出します。タイミングのとり方としては、この動作はありだと思います。しかし、本格的に動き出すときが遅すぎると、いろいろ立ち遅れ恐れが出てきます。そういった意味では、彼の始動のタイミングは「遅すぎる仕掛け」に属します。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 小さくステップして、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」がないので、あらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さないことが求められます。動作を小さくして当てやすいのですが、狙いが狂うと対応し難いスタイルです。 また踏み込んだ前の足は、地面を捉えて我慢できています。そういった意味では、逃げてゆく球や低めの球に対しても喰らいつける打ち方ではあると思います。しかし打球を観ていると引っ張り中心であり、現状センターから右方向への意識は低いのではないのでしょうか。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは、早めに作れていて立ち遅れません。 バットの振り出しも、脇を上手く絞ってロスは感じませんでした。内角寄りの球を好んで振ってくるので、もう少し外角球への対するさばきを観てみたいところです。内角のさばきを観ている限りは、スイング軌道にロスも無さそうですし、最後まで大きな弧を描きつつもシッカリ振り切れていました。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは小さいのですが、目線の上下動は並ぐらいでしょうか。体の開きも我慢できていますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定しています。また、内モモの筋肉には強さが感じられ、強い打球を放てる原動力になっています。 (打撃のまとめ) 外角球への対応などがいまいち掴めなかったのですが、内角寄りの球を引っ張るのを好む打者のように感じました。また始動の遅さ・打球方向などを観ていると、確実性や打てる球などは割合限られているのではないかといった印象。 むしろ確実性よりも、スイングの弧の大きさやボールの捉え方、内モモの筋肉の発達などを観ている限り、強烈な打球を放つタイプなのではないかと感じました。いずれにしても現時点では、ドラフト候補としては平均的な打力であり、打撃よりは守りの方を評価すべき選手のようには見えました。 (最後に) 地肩もまずまず強いですし、捕ってからも素早い割にタイムが平凡なのは不思議な感じがします。しかしそれ以上に、送球の精度の高さを評価すべき選手ではないのでしょうか。また捕手としても動きが良過ぎるぐらいですし、投手とも対話しながらゲームを作ってゆこうという姿勢が感じられます。それでいて雑なプレーヤーでもないので、ディフェンス面はドラフト候補と観て良さそうです。 もう少し打撃の確実性なり破壊力でも魅せて欲しいところはありますが、いかんせん確認したのは夏の1試合のみ。ぜひ、春季大会から球場まで足を運んで観てみたいと思わせてくれる選手でした。 (2021年夏 神奈川大会) |