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| 春山 陽登(大阪商業大3年)右翼 177/90 右/右 (敦賀気比出身) | |||||||||||||||||||
技術や素材が云々という以前に、プレーの端々から気持ちの強さが伝わってくる 春山 陽登 。2026年度の豊作といわれる外野手候補の中でも、異彩を放つ存在だ。 走塁面:☆☆☆ 3.0 右打席からの一塁到達タイムは、速い時で 4.35秒前後。このタイムは左打者に換算すると4.1秒前後に相当し、プロ候補の基準に達するスピードだ。ただし、そのタイム以上に強調したいのは、彼の走塁への意欲である。 最後まで勢いを緩めないだけでなく、時にはヘッドスライディングをして仲間を鼓舞するようなファイターだ。3年秋のシーズンには4盗塁を決めるなど、次の塁も果敢に狙いに行く。プロで足を売りにしていくタイプかは未知数だが、常に高い意識で試合に臨めている点は高く評価したい。 守備面:☆☆☆ 3.0 右翼手としては時折危なっかしい動きも見せるが、決して守備が悪いわけではない。肩も「中の上」クラスはあるため、ミスをすることもあるだろうが、それ以上に球際でのファインプレーを期待させる。 守備も走力も、決して恵まれた身体能力というわけではない。しかし、それを超越した「気持ち」の部分がプレーから明確に伝わってくるのが彼の最大の魅力ではないだろうか。 (打撃内容) 精神面を強調したが、関西学生球界屈指の強打者であることも忘れてはならない。腕っぷしが強く、甘い球をスタンドインさせるパワフルさと打球速度は一級品だ。対応力では先輩の 渡部 聖弥(西武)に一歩譲るかもしれないが、パワフルさでは上を行く印象すらある。 【セイバーメトリクスによる補足分析】 OPS:1.017 (出塁率と長打率を足した指標。1.000を超えると、球界を代表する「超一流」の打撃貢献度とされる) この数値は圧倒的。単に「気持ち」だけでなく、結果としてリーグを支配する打撃を見せている。 IsoP:.260 (長打率から打率を引いた数値。純粋な長打力を示す。目安として.200を超えると一流の長距離砲とされる) 本塁打9本、長打率.567という数字が示す通り、まさに「規格外」のパワーの証明といえる。 BB/K:0.85 (四死球と三振の比率。選球眼を示す。1.0に近いほど優秀) 三振数と同じくらいの四死球を選べており、荒々しいスイングのイメージに反して、実は打席内で非常に高い自制心と選球眼を持っていることがわかる。
<構え> ☆☆★ 2.5 ベース寄りにスクエアスタンスで立ち、カカトを浮かせて構える。グリップの高さは平均的。腰を沈めすぎずに両目で見据える姿勢や全体のバランスも並程度だ。打席で体を動かす揺らぎの動作が少なく、少し固く見える部分はある。 <仕掛け> 平均 投手の重心が沈みきった底のあたりで動き出す「平均的な仕掛け」を採用。確実性と長打力を兼ね備えた中距離ヒッターや、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く見られるタイミングだ。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を軽く上げ、真っ直ぐ踏み出してくる。始動から着地までの「間」はそこそこあり、速球・変化球問わずスピードの変化にはそれなりに対応可能。真っ直ぐ踏み出すため、内角・外角どちらも捌きたいタイプだろう。 踏み込んだ前足は、インパクトの際もブレずに止まっている。そのため、逃げていく球や低めの球にも食らいつくことができ、意識次第では右方向への打撃も可能だ。基本は自分のゾーンに来た球を思い切り引っ張るのが持ち味といえる。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配は少ない。スイング軌道に悪い癖はなく、インパクトまでのロスも最小限だ。ボールを捉えてからの大きな弧とフォロースルーを活かし、打球を遠くへ運ぶ。元来の身体の強さも相まって、芯で捉えた時の角度と飛距離は圧巻だ。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げが静かなため、目線の上下動は大きくない。体の開きを我慢でき、発達した内腿の筋肉が強烈な打球を生み出す原動力になっている。 (打撃のまとめ) 柔軟性に富んだ素材ではないため、打てるコースや高さは限定的な印象もある。それでも右方向への打撃を苦にせず、インパクトまでのロスも少ない。自分のゾーンの球を逃さず叩くという一点において、極めて優れた打者だ。 (最後に) 守備や走力がA級とは言えないが、破壊力のある打撃は間違いなくドラフト級だ。そして、それを補って余りある「気持ちのこもったプレー」が最大の武器である。 単に熱いだけでなく、打席に入る際の入念な足場作りからも、打撃への強いこだわりが感じられる。レギュラーにまで昇り詰められるかは競争次第だが、プロの世界で長く生き残っていける「強い生命力」を感じさせてくれる選手である。 (2025年 秋季リーグ戦) |