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 星野 世那(大阪商業大3年)投手 179/79 左/左 (近江出身)





 「順調なら上位候補」





 2年秋のリーグ戦で最優秀防御率に輝き、全日本大学選手権でも8回自責点0と快投を見せた 星野 世那 。順調にゆけば上位指名が期待できる左の本格派だが、3年時は肘痛のため登板を制限せざるを得なかった。


【投球内容】

 彼のキャリアハイと言える、2年秋のリーグ戦成績は以下の通り。


<セイバーメトリクス補足>

WHIP
(0.95): 1イニングあたりに許した走者の数。1.00を下回ると球界トップクラスとされ、走者をほとんど出さない安定感を示している。

K9
(9.10): 9イニング換算の奪三振数。9.0を超えると極めて高い奪三振能力を持つ「ドクターK」の領域と言える。

BB9
(3.82): 9イニング換算の与四球数。4.0に近い数字はやや高く、本文で指摘される「制球のバラつき」が指標にも表れている。

K/BB
(2.38): 奪三振と与四球の比率。投手の能力を示す重要指標だが、3.5を超えてくると「本格派かつ精密」という評価に繋がる。


投球回数
被安打
四死球 奪三振 防御率 K/BB  WHIP K9  BB9
30回2/3 16 13 31 0.29 2.38 0.95  9.10  3.82


ストレート:140キロ台中盤(☆☆☆★ 3.5)

 球速は140キロ台中盤と、ドラフト候補としては平均的。しかし、数字以上に手元で「ピュッ」と来る球質で、
打者は差し込まれやすい。コントロールはそれほど細かくなく、両サイドに散らせるものの、高めに抜ける球も散見される。

横変化(スライダー)
(☆☆☆ 3.0)

 曲がりながら沈むスライダーでカウントを整える。左打者にとっては、曲がりの大きさよりも「球速があって直球との見極めが難しい」タイプ。

縦変化(チェンジアップ)
(☆☆☆★ 3.5)

 右打者の外角に沈むチェンジアップに威力がある。落差よりも直球との判別の難しさが光り、
外角へ決まる精度も高い

その他:
(☆☆☆★ 3.5)

 クイックは1.1秒〜1.15秒台と基準以上。走者への目配せも抜かりなく、牽制も鋭い。一方で、ボールを長く持つ、投球テンポを変えるといった、老獪な投球術はこれからの課題か。

(投球まとめ)

 個々のボールは素晴らしい。今後は「間」を意識した投球術や緩急を覚えることで、投球に奥行きが出てくるだろう。
最大の問題は体調面だ。ここさえ万全になれば、自ずと評価は高まってくる。





【投球フォーム】

 セットポジションから足を上げる勢いや高さは標準的。ゆったり「間」を取る先発タイプというよりは、リリーフとしての適性を感じさせる。軸足で立った際に膝が伸び切らず、
力みなく立てている点はバランスが良い

<広がる可能性 
☆☆★ 2.5

 引き上げた足を地面に向けて直線的に伸ばすため、重心(お尻)がバッテリーライン上に落ちやすい。体を捻り出すスペースを確保しづらいフォームであり、本来はカーブやフォークといった縦に割れる球種には不向きなタイプ。現状、そうした球種は見当たらない。 「着地」までの時間は平均的。大きな変化よりも、球速のある小さな変化で幅を広げるタイプと言える。

<ボールの支配 ☆☆☆★ 3.5

 グラブを最後まで内に抱え込み、遠心力を制御できているため軸がブレにくい。両サイドへの制球をまとめやすい要因だ。足の甲での接地ができているものの、やや浅いため、浮き上がろうとする力を抑えきれずボールが上ずる場面も。指先の感覚(リリース)は、突き抜けて良いタイプではないかもしれない。

<故障のリスク 
☆☆☆ 3.0

 現状、カーブ等の負担がかかる球種が少ないため窮屈さは感じないが、現実に肘痛を抱えている点は懸念材料だ。 腕の振りにおいて、投球側の肩が上がり、グラブ側が下がる傾向がある。そこまで違和感はないが、投球に力みがあるため、その疲労蓄積が肘に影響している可能性がある。

<実戦的な術 
☆☆☆★ 3.5

 「着地」までの粘りは平均的だが、
出どころは見えにくい。そのため打者は差し込まれやすく、腕の振りも良いため変化球にもつられやすい。最後、三塁側に重心が流れてエネルギーをロスする場面があるため、下半身の強化でさらに凄みが増すだろう。

【フォームのまとめ】

 「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」の4大動作のうち、
「着地」と「体重移動」に改善の余地がある。制球を司る動作は悪くないが、力みによって制球を乱す癖がある。緩急を使えるようになればさらに化けるだろう。現状のチェンジアップとスライダーのキレは、十分にプロで通用するレベルにある。


【最後に】

 左のリリーフ候補として非常に魅力的な素材。最終学年で投球に奥行きが出れば、本格派左腕として上位指名も十分に狙える。その動向に注目したい。


(2025年 秋季リーグ戦)