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角田 楓斗(富士大3年)投手 178/79 右/左 (東奥義塾出身) 





 「かなり荒っぽい」





 150キロ前後の直球が光る力投派右腕・角田 楓斗 。しかし、その投球はまだ荒削りであり、プロで即戦力になり得るかと言われれば、現時点では評価が分かれるラインという印象を受けた。


【投球内容】

  下級生時は、1・2年時の神宮大会でリリーフとして登板。しかし、3年時は最後まで全国大会に縁がなかった。3年秋のリーグ戦成績は以下の通り。

K/9:
11.44(9イニングあたりの奪三振数。投手の支配力を示す指標)

K/BB:
4.00(奪三振と与四球の比率。投手の制球力と投球効率を示す指標)

WHIP:
0.88(1イニングあたりの許走者数。投手の安定感を示す指標)


投球回数
被安打
四死球 奪三振 防御率 K/BB WHIP
28回1/3 16 9 36 0.95 4.00 0.88


ストレート(145km/h~153km/h)評価:☆☆☆☆ (4.0)

 球威・球速ともにドラフト候補の中でも上位に入る。空振りを奪うというより、
球威で詰まらせる球質。セイバーメトリクスの観点で見れば、K/9が11点台と非常に高く、圧倒的な奪三振能力を証明している。制球は大まかに両サイドへ散らせるものの、高めに抜ける球も多く、精度には課題を残す。

横の変化(カットボール)評価:
☆☆☆★ (3.5)

 
140キロ前後のカットボールを中心に組み立てる。空振りを取る球ではないが、計算してストライクが取れている。右打者の外角に集まっているが、時折高めに浮く点には注意が必要。

縦の変化(スプリット)評価:
☆☆☆ (3.0)

 決め球というより、小さく沈むチェンジアップ的な役割として積極的に使用。この球でカウントを整える場面も少なくない。

緩急(スライダー)評価:
☆☆★(2.5)

 全体的に速い球が多い中、110キロ台後半のスライダーが緩急の役割を果たしている。曲がりは大きいが、精度はさほど高くなく、空振りを奪うまでには至っていない。

その他 評価:
☆☆☆★ (3.5)

 クイックタイムは0.90~1.10秒と幅がある。走者への目配せにムラがあり、盗塁を許す隙が見える。一方で
牽制は鋭く、フィールディングも軽快。ボールを長く持つ間(ま)を作るなど、センスの良さを感じさせる。

【投球のまとめ】

 現状はゲームメイクをする先発型というよりも、馬力を活かしたリリーフタイプという印象。WHIP 0.88という極めて低い数値が示す通り、走者を出すこと自体が少なく、リリーフとしての適性は高い。リーグ戦では力でねじ伏せられているが、全国レベルの相手にどこまで通用するか。最終学年で見極めたいポイントである。





【投球フォーム分析】

 セットポジションから足を引き上げる勢いと高さがある。フォーム序盤からエネルギー放出量の多い、リリーフ向きの投手と言える。軸足で立った際の膝のタメは少ないが、バランスは保てている。

<広がる可能性> 評価:
☆☆☆(3.0)

 引き上げた足を地面に向けて下ろす際、お尻が早めに落ちてしまう傾向がある。体を捻り出すスペースの確保が難しく、本来はカーブやフォークといった縦に割れる球種には不向きな構造だ。それでもステップを調整することで捻りの時間を確保しており、キレのある変化球で投球の幅を広げることは可能だろう。

<ボールの支配> 評価:
☆☆☆(3.0)

 グラブの抱え込みがやや甘いが、完全に割れているわけではない。K/BBが4.00と優秀なのは、大まかな制球が安定している証だろう。足の甲で深く地面を捉え、浮き上がろうとする力を抑えられている。「球持ち」の段階でさらに押し込めるようになれば、抜け球も減るはずだ。

<故障のリスク> 評価:
☆☆☆ (3.0)

 お尻の落とし込みは不十分だが、負担の大きいカーブを多投せず、スプリットも浅い握りで負担を軽減している。腕の振りを見る限り、肩への負担は少なそうだ。ただ、
力みが生じやすいタイプのため、疲労蓄積には注意したい。

<実戦的な術> 評価:
☆☆☆☆(4.0)

 着地までの粘りがあり、出所も見えにくい。腕の振りや地面の蹴り上げも力強く、指先までしっかりと力が伝わっている。

【フォームのまとめ】

 「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」の4大動作に大きな欠点はない。力投派の割に制球を司る動作も安定しており、故障リスクも許容範囲内。将来的に絶対的な決め球を習得できるかは未知数だが、変化球全般のキレが期待できるフォームだ。


【総評】

 秋の投球を見る限り、上位指名確定や「1年目から即戦力リリーフ」と断言できるまでの確信は持てなかった。しかし、指標が示す支配力とボールの威力は一級品。それを活かす術を身につければ、さらなる飛躍が期待できる。最終学年で全国レベルの強豪を相手にどんな投球を見せるか。
リーグ戦の先にある高いステージを見据えた進化に注目したい。


(2025年 秋季リーグ戦)