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| 佐藤 夏月(共栄大4年)投手 182/74 左/左(駒場学園出身) | |||||||||||||||
今年の全日本大学野球選手権において、プロ志望であれば何らかの形で指名される可能性があると思わせたのが、この 佐藤 夏月 である。6月の時点でも本人はプロ志望を明言している。 (投球内容) オーソドックスなフォームのサウスポーだ。今春のリーグ戦成績は下記の通り。数字を見る限り、ドラフト候補として突出した成績とは言い難い。
ストレート:常時140キロ前後〜MAX146キロ(☆☆☆ 3.0) 球速はドラフト候補としては平均的だが、ボール自体は力強く、適度な球威を感じる。多少ボールが荒れる場面もあったが、リーグ戦の四死球率から受ける印象ほど粗さはなく、両サイドに散らすことができていた。全日本大学選手権の舞台では、普段のリーグ戦以上に内容が良かったのかもしれない。 横変化:スライダー・カット・ツーシーム(☆☆☆ 3.0) 主な変化球はスライダー。他にも、球速を抑えたカットボールやツーシーム系の小さな変化球も持ち合わせている可能性がある。打者の空振りを奪うほどの威力はないが、カウントを整える役割は果たせている。 縦変化:チェンジアップ(☆☆★ 2.5) 左腕投手としては、特筆すべき強烈なチェンジアップがあるわけではない。しかし、この球種があることで投球の幅が広がっている。 投球以外の技術(☆☆★ 2.5) クイックは1.2秒前後と、さほど素早くはない。一塁走者が常に見える左腕であることも影響しているだろう。鋭い牽制球や、走者一・三塁時の三塁走者への目配せといった技術面には、改善の余地がある。 (投球のまとめ) 左腕から適度な威力のある真っ直ぐを投げ込める点は、プロ側の興味を惹くだろう。ただし現時点では、プロで武器と言えるほどの明確な特徴に欠ける。ある程度の育成ビジョンが描けない限り、指名に踏み切るには慎重にならざるを得ない。その意味でも投球フォームを分析し、今後の可能性を考察したい。 (投球フォーム) セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さがある。フォーム序盤からのエネルギー捻出の高い、リリーフタイプの投手に多く見られる入り方だ。軸足一本で立った時には、膝から上がピンと伸び切らない。そのため力みなく、適度なバランスを保って立てている。 <広がる可能性> ☆☆☆ 3.0 引き上げた足を地面に向けて伸ばしがちなので、お尻の三塁側(左投手の場合は)への落としには甘さを残します。それでも、カーブやフォークといった球種が投げられないほどではありません。 「着地」までの地面の捉えは平均的で、体を捻り出す時間は並ぐらい。曲がりの大きな変化よりも、球速のある小さな変化を中心に投球の幅を広げてゆくことになりそうだ。 <ボールの支配> ☆☆☆ 3.0 グラブは最後まで内に抱えられているので、外に逃げようとする遠心力を内に留められます。ただし、腕と顔の間の角度が広いので、どうしても外旋して軸をブレやすくしている恐れがあります。 また足の甲の地面の捉えも少し浅いので、浮き上がろうとする力を充分に抑えられているかは微妙。「球持ち」も並ぐらいなため、繊細なコントロールを武器にするタイプでは無さそうだ。 <故障のリスク> ☆☆☆ 3.0 お尻の落としに甘さは残しますが、カーブやフォークといった球種も見られないので、そこまで窮屈にはならなそう。腕の角度にも違和感はないものの、腕が外旋して肩で投げる傾向があり、多少負担がかかっている恐れはあります。そこまで力投派でもないので、疲労の溜め具合も平均的でしょうか。 <実戦的な術> ☆☆☆★ 3.5 「着地」までの粘りは平均的ですが、ボールの出どころが早すぎる感じはしません。腕は強く振れているので、打者としては吊られやすそう。またボールも適度に体重を乗せてから投げられているので、地面を強く蹴り上げられています。したがって、打者の手元までボールの強さが感じられる。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、大きな欠点はないものの、特に優れているところも見当たりません。制球を司る動作も平均的で、故障のリスクも並ぐらい。今後、いかに武器になる球を見出して行けるかではないのだろうか。 (最後に) 左腕から力のある球を投げられる点は魅力的な素材だ。しかし、現状プロで勝負できる武器があるかと言えば疑問が残る。指名があるとすれば育成枠が妥当なラインではないのだろうか。そのため、大学選手権の投球を見る限りは、支配下指名(☆)という評価には至らなかった。秋のリーグ戦でさらなる成長を見せ、評価がどう変化するのか注目していきたい。 (2026年 大学選手権) |