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| 渡辺 和大(慶応大4年)投手 180/75 左/左 (高松商出身) | |||||||||||||||
これまで何度も 渡辺 和大 の投球を見てきたが、大学選手権での東北福祉大戦におけるパフォーマンスは、彼のベストピッチングだったのではないかと感じた。このような投球を安定して披露できるようになれば、大学屈指の投手と評価して差し支えないだろう。 (投球内容) 少し肘の下がったサウスポーで、いわゆる「ガチャガチャしたフォーム」という印象を受ける。それでも今春のリーグ戦では最優秀防御率を獲得し、7勝を挙げた。
ストレート 常時140km/h~MAX150km/h ☆☆☆★(3.5) 福祉大戦ではポンポンとストライクを先行させ、有利なカウントを作ることができていた。普段の投球ではボールがバラつく傾向があり、56回1/3イニングで22四死球という数字が示す通り、極めて制球力が高いわけではない。むしろ荒れ球で的を絞らせないタイプという印象だ。しかし、甘いゾーンに投じることが少ない点がこの投手の良さといえる。 また、ボールのキレも良く、打者の空振りを誘うことができる。甘いコースに入れば長打を浴びそうな危うさはあるものの、投げミスが少ないため被安打は抑えられている。特に少し肘が下がって出てくるため、背中越しから来るような軌道となり、左打者にとっては非常に踏み込みづらいタイプかもしれない。 横変化:スライダー・ツーシーム ☆☆☆★(3.5) 横滑りするスライダーとのコンビネーションで、特に左打者にとっては遠くに感じられる球種となっている。低めのボールゾーンに切れ込んでくるため、打者を振らせる技術に長けている。また、左打者内角にツーシームを食い込ませて、踏み込みを封じている。 縦変化:チェンジアップ ☆☆☆★(3.5) スライダーと同様、ストレートと腕の振りや軌道が似ており、打者としては見極めが困難だ。曲がり幅そのものよりも、ストレートと重なる軌道から投じられる点に、変化球の良さがあるといえる。 投球以外の技術 ☆☆☆★(3.5) クイックは1.0秒前後と素早く、走者にしっかり目配せをしてから投げられている。左投手ということもあり、走者としてはスタートを切りづらいだろう。ピンチでも冷静に対処できており、元々軟投派であるためか、マウンドさばきは洗練されている。 (投球のまとめ) 真っ直ぐで圧倒するような迫力や、繊細なコントロールがあるタイプではない。そのため、コンビネーションが上手く噛み合っていない時は見栄えがしないことも少なくない。福祉大戦のような投球を継続できれば、今年の即戦力候補No.1左腕に躍り出るポテンシャルを秘めている。 (投球フォーム) セットポジションから、足を引き上げる勢いは平均的だが、高い位置までしっかりと引き上げている。軸足一本で立った際、膝から上がピンと伸び切るような力みは感じられない。全体のバランスとしても平均的だ。 <広がる可能性> ☆☆★(2.5) 引き上げた足を地面に向けて伸ばす際、お尻がバッテリーライン上に落ちてしまっている。そのため体を捻り出すスペースが十分とは言えず、カーブやフォークといった球種を投げるには窮屈になりやすい。地面の捉えも平均的であり、曲がりの大きな変化球よりも、球速のある小さな変化球を中心に投球の幅を広げるタイプなのだろう。 <ボールの支配> ☆☆☆★(3.5) グラブを最後まで体の近くに留めており、外に逃げようとする遠心力を抑えられている。したがって軸はブレにくく、両サイドへのコントロールをつけやすい。足の甲での地面の接地でも我慢が効いており、ボールが上吊るのを防いでいる。「球持ち」も悪くなく、指先の感覚にも優れていそうだ。 <故障のリスク> ☆☆☆★(3.5) お尻の落としは窮屈だが、カーブやフォークといった捻りが必要な球種が少ないため、肘への負担は少なそうだ。腕の送り出しを見ても肩への負担は少なく、力投派ではないため疲労も溜まりにくいだろう。 <実戦的な術> ☆☆☆★(3.5) 「着地」までの粘りは平均的だが、ボールの出どころを隠せている。打者からは見えないところからピュッと出てくるため、差し込まれやすいのだろう。腕はしっかり振れており、打者を幻惑できている。体重移動も悪くなく、投げ終わったあとに適度に地面を蹴り上げられている。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」において、「着地」に特徴こそないものの、それ以外の要素は水準以上だ。制球を司る動作や故障リスクの観点からも大きな問題はなく、あとはいかに武器となる球を磨いていけるかだろう。現状は真っ直ぐを含めたコンビネーションで上手く組み立てられている。 (最後に) 突出した素材ではないが、好調時のピッチングは実戦派として非常に魅力的だ。プロの長く険しいシーズンを見据えた時、アベレージのパフォーマンスをどこまで高められるかが鍵となる。その点が向上すれば、豊作と言われる2026年度の左腕市場の中でも、即戦力No.1左腕として頭一つ抜けた存在になりうる。国際試合や秋のシーズンを通じ、さらなる成長を見極めていきたい。 蔵の評価:☆☆☆(上位指名級) (2026年 大学選手権) |