25sy-18
| 幌村 黛汰(21歳・富山GRNサンダーバーズ)外野 171/74 右/左 (帝京長岡- IMF BANDITS富山) | |||||||||||||||||||
元々、俊足・巧打のイメージが強かった 幌村 黛汰 。 しかし試合をよく観察していると、引っ張りだけでなく流しても本塁打を放つなど、想像以上の長打力があるのではないかと思い始めた。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 一塁到達タイムは左打席から4.0秒前後でドラフト候補では「中の上」。35試合22盗塁と積極性も高い。NPBでは「足を最大の売り」とまではいかないが、十分に基準を超えている。 守備面:? 打球反応・落下点への入りは余裕があり、上手い外野手の部類。送球は十分には確認できなかったで、守備の評価付けはできなかった。それでも捕るまでも、次のプレーを想定した形で捕球するなど、意識の高さが感じられた。 (打撃内容) 主要セイバー指標(参考値) 出塁率 .443 長打率 .524 OPS .967 IsoP(長打力) .172 BB% 13.6% K% 10.8% (2025年 日本海リーグ成績)
<構え> ☆☆☆★ 3.5 左打席で前足を軽く引いて踵を浮かせて構える。グリップは低め、背筋は伸ばし気味で全体のバランスは標準的。それでも両目でしっかり前を見据えており、錯覚を起こさず球筋を捉え続けられている。 <仕掛け> 早め 投手の重心が沈むタイミングで動き出す「早めの仕掛け」を採用。アベレージヒッターに多く見られる、対応力を重視した始動タイミングである。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 足を適度に上げ、打つ方向に応じて踏み込み方向を変える。始動から着地までの「間」に余裕があり、速球・変化球を問わずタイミングのズレに強い。踏み込んだ前足はインパクトの瞬間までブレず、低めや逃げる球にもしっかり食らいつける。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 トップの位置は早く作れており、速球への立ち遅れはほぼ見られない。内角は肘を畳んで上から叩くようにさばき、外角はロスなく逆方向に打ち返す。インパクトでもヘッドが落ちず広い面で捉えられるため、打球がフェアゾーンに飛びやすい。特に最後まで振り切る力強さがあって、思った以上に打球が伸びるのが特徴。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げはあるものの目線の上下動は少なく、体の開きもよく我慢できている。軸足も内側にしっかり伸びて崩れないため、調子の波は比較的小さいタイプだと思う。 (打撃のまとめ) 技術的にはほぼ完成域に達している。 独立リーグとはいえ145打数でOPS .967はかなり優秀な数字で、出塁率.443・三振率10.8%と選球眼の良さも際立つ。あとはプロの球速・キレ・制球にどれだけ早く対応できるか。実戦でNPBの二軍に放り込んでも即通用する下地はあるし、早期の支配下登録→一軍デビューも十分にあり得る素材だと感じる。 (最後に) 走・攻・守に明確な穴がなく、総合力は高い。 打率.352も立派だが、出塁率.443・長打率.524というバランスの良さが本質的な強さ。逆に「これが飛び抜けている!」という突出した武器が少ない左打外野手ということもあり、ドラフトでの評価が埋もれがちだった感は否めない。 しかし総合的に見れば確実に支配下級の力はある。個人的には、こういう「地味だけど強い」選手が一軍でどれだけポジションを掴めるのか、非常に楽しみである。思わぬ、掘り出しものとなりそうだ。 蔵の評価:☆(下位指名級) (2025年 日本海リーグ) |