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能登 嵩都(24歳・オイシックス新潟)投手 183/85 右/右 (旭川大高-桐蔭横浜大出身) | |||||||||||||||||||||
昨年からイースタン・リーグに参戦しているオイシックス新潟。昨年は 知念大成 が首位打者を獲得しながらドラフト指名を逃した。今年は投手の 能登 嵩都 が、7月27日時点で最多勝利、勝率、奪三振の3部門でリーグトップを走る。果たして、彼はドラフトでどのような評価を受けるのか、考察する。 投球内容 成績 能登は 17試合に登板し、9勝2敗、防御率2.58 と、先発投手として好成績を残している。 ストレート ☆☆☆★ 3.5 先発時の球速は140~145km/hで、際立ったスピードではないが、ボールに角度と球威がある。ゾーン上部でファールを誘い、カウントを稼ぐ。細かい制球に課題があるが、左右に投げ分けるコントロールは備えている。 変化球 カーブ・スライダー・フォーク ☆☆☆★ 3.5 緩いカーブで緩急をつけ、曲がりながら沈むスライダーや、低めのフォークで空振りを誘う。 その他 クイックは1.2秒前後でやや遅め。走者を刺すような鋭い牽制は見られず、ベースカバーへ入るのが遅れる場面も7月4日のDeNA戦では見られた。投球以外の技術は、さらに高める必要がありそうだ。 投球のまとめ 能登の投球は、高めのストレートでカウントを稼ぎ、低めのフォークや変化球で打ち取るスタイルだ。ゾーン内に投げ込むストレートの球威が強みで、変化球を効果的に活かしている。制球の粗さが課題だが、先発としての安定感は評価できる。 成績から考える 以下の指標は、二軍選手が一軍で活躍するための目安です。能登嵩都の成績をセイバーメトリクス指標(WHIP、K/BB、HR/9、FIP)を加えて分析し、イースタン・リーグ平均(防御率3.00、被安打率85%、四死球率35%、奪三振率0.7個)と比較します。
被安打率:80%以下 ✕ 被安打率は95.0%(96本÷101回)で、リーグ平均(約85%)を上回ります。ゾーン内のコントロールの粗さやフォームが原因と考えられます。WHIP(被安打+四死球÷投球回)は1.35((96+40)÷101)で、リーグ平均(約1.20)を上回り、ランナーを出しやすい傾向があります。 四死球率:投球回の1/3(33.3%)以下 △ 四死球率は39.6%(40÷101回)で基準を満たしませんが、リーグ平均(約35%)に近いです。K/BB(奪三振÷四死球)は1.98(79÷40)で、リーグ平均(約2.0)にわずかに届かず。フォークの空振り誘発力はありますが、制球力の向上が必要です。 奪三振:1イニングあたり0.8個以上 △ 奪三振率は0.78個(79÷101回)で、基準の0.8個にわずかに届きません。リーグ平均(約0.7個)を上回りますが、フォークの威力に対して三振奪取率は期待値をやや下回ります。 防御率:先発なら2.50以内 △ 防御率2.58はリーグ上位ですが、一軍基準の2.50にわずかに届きません。簡易FIP([(13×被本塁打+3×四死球-2×奪三振)÷投球回]+3.2)は約3.04([(13×3+3×40-2×79)÷101]+3.2)で、防御率より悪く、四死球と被本塁打の影響が大きいです。 HR/9:1試合9イニングあたりの被本塁打 ○ HR/9は0.27(3×9÷101)で、リーグ平均(約0.8)を大きく下回ります。長打を抑える能力は一軍レベルでも通用する可能性を示します。 成績からわかること 能登の成績はイースタン・リーグで上位(防御率2.58はリーグ上位、HR/9 0.27は優秀)ですが、一軍即戦力としては課題が残ります。WHIP1.35とK/BB1.98はリーグ平均(WHIP1.20、K/BB2.0)に近く、制球力と三振奪取力の向上が必要です。FIP3.04が防御率を上回る点は、四死球と被本塁打の影響が大きく、ゾーン内での精度向上が求められます。救援投手不足の球団にとって、フォークを活かした中継ぎ適性は魅力的で、育成枠での指名の可能性が高いです。 最後に 能登はゾーン内に投げ込むストレートの球威と落差のあるフォークを武器に、二軍で安定した成績を残しています。HR/9 0.27は一軍でも通用する長打抑制力を示しますが、WHIP1.35とK/BB1.98は一軍基準(WHIP1.20以下、K/BB2.5以上)に届かず、制球力向上が課題です。 後半戦で奪三振率が0.8以上、WHIPが1.20以下に改善されれば、指名も現実味を帯びてきます。今後の登板では、フォークの精度と四死球削減に注目し、残りのシーズンを見守りところです。 (2025年 イースタン・リーグ公式戦) |