25sp-6
池村 健太郎(24歳・トヨタ自動車)投手 181/82 左/左 (宇部鴻城-愛知学院大出身) | |
昨秋の日本選手権で150キロを記録したように、左腕から繰り出す球速が話題になりがちな 池村 健太郎 。しかし、私は球速よりも投げミスの少ない制球の精度をむしろ評価したい投手だと考えている。 (投球内容) 非常にオーソドックスなフォームで投げ込んでくる投手で、それほど威圧感のあるタイプではない。制球も微妙なところに投げられるがゆえに、四球を出してしまうタイプでもある。ある意味、打たれるくらいなら際どいコースに集めて四球でも構わないと割り切っているのかもしれない。 ストレート 140キロ前後~150キロ ☆☆☆★ 3.5 先日の「おいどんカップ」では、常時140キロ前後といった感じで、それほど驚くようなボールは投げていなかった。秋の日本選手権でも150キロを記録していたが、真っ直ぐを武器にしている投手ではないように思う。この選手は、変化球も含めて両サイドや低めに丹念に集めるのが持ち味だと感じる。 変化球 スライダー・チェンジアップ・カーブなど ☆☆☆★ 3.5 左打者には外角にスライダーを、右打者には外角低めにチェンジアップを織り交ぜたコンビネーションが特徴的だ。特に右打者の外角低めに沈むチェンジアップに威力がある。他にも球速をやや落としたカーブなどを混ぜており、変化球をうまくコンビネーションに落とし込んでいた。 (その他) クイックは1.0~1.1秒程度とまずまず。牽制は確認できなかったが、走者にはしっかり目配せしてから投げ込めていた。それほど投げるタイミングを変えたり、ボールを長く持つタイプではないものの、微妙なコースに集められる制球力がある。 (投球のまとめ) チームでは、リリーフ投手として短いイニングを任されている。前年から投手陣の顔ぶれがそれほど変わっていないため、今シーズンも地味な役割に留まるかもしれない。しかし、先発を任されたり、リリーフで最後を締めるクローザーあたりを任されるようだと、ドラフト候補としての評価も高まってくる可能性がある。 (投球フォーム) セットポジションから足を勢いよく引き上げるものの、それほど高い位置まで上げるわけではない。軸足一本で立った際、膝から上がピンと伸びてしまい、トの字のように直立してしまう傾向がある。この状態だとバランスを取ろうとして力みが生じたり、突っ込んだフォームになりやすいため、注意が必要だ。 <広がる可能性> ☆☆☆★ 3.5 お尻を三塁側(左投手の場合)に落とすヒップファーストできているのがが特徴的だ。これにより、体を捻り出すスペースを確保でき、無理なくカーブやフォークなどを投げられるフォームと言える。 「着地」までの地面の捉え方はそれなりで、ある程度体を捻り出す時間も確保できている。大きく曲がる変化球まで期待できるかは不明だが、変化球全般のキレは悪くないのではないか。 <ボールの支配> ☆☆☆☆★ 4.5 グラブを最後まで内に抱えられ、外に逃げようとする遠心力を抑え込めている。そのため軸がブレにくく、両サイドへの投げ分けもしやすいと考えられる。足の甲で地面をしっかり捉えており、浮き上がろうとする力も抑えられている。この点から、ボールを低めに集めやすいのではないか。「球持ち」も良く、前でボールをリリースできていた。指先の感覚も優れているのか、投げミスが少ない投球が特徴的だ。 <故障のリスク> ☆☆☆☆ 4.0 お尻をしっかり落とせているため、カーブやフォークといった球種を投げても窮屈になりにくい。そもそもそういった球種を多用していないため、その点での心配は少なそうだ。腕の送り出しを見ても、肩への負担が大きいようには見えない。力投派でもないので、疲労も溜まりにくいのではないのだろうか。 <実戦的な術> ☆☆☆★ 3.5 「着地」までの粘りはそこそこで、ボールの出どころもある程度隠せているように見える。オーソドックスなフォームで嫌らしさはないが、打者にとって合わせやすいフォームでもなく、投げミスが少ない投球でヒットを打たれにくいのではないかと。 腕の振りは平均的だが、重心が深く沈み込みすぎているせいか、前へグッと体重が乗っている感じではない。後ろに体重が残りすぎないよう改善できれば、打者の手元までの勢いも変わってくるだろう。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」のうち、「体重移動」に課題を残している。制球を司る動作に優れ、故障のリスクも低そうだ。将来的に優れた変化球を習得できる可能性もあり、かなり実戦的なフォームだと言えるのではないか。 (最後に) 分厚いトヨタの投手陣の中で、今季どのような位置づけになっていくのだろうか。その役割次第で評価は大きく変わりそうだ。体重がグッと前に乗るようになると、球速に見合ったボールも投げられるようになりそう。ただし、この投手は、少し体が突っ込みやすい部分があるため、その匙加減が難しい。あまり意識しすぎると、フォームのバランスを崩す恐れがあるからだ。そのあたりをうまく調整できれば、一気に上位指名候補に浮上しても不思議ではない。それゆえ、一年間追いかけたいと思わせてくれる左腕だった。 蔵の評価:追跡級! (2025年 おいどんカップ) |