25sp-5
古谷 龍之介(24歳・JR東日本) 投手 176/80 右/右 (北星学園台付-東北学院大出身) | |
今年のスポニチ大会では、先発として登板し、151キロを記録して話題となった 古谷 龍之介。その時の投球は確認できなかったが、2月の「おいどんカップ」でも先発しており、その時の投球を見ると、球速よりもまとまった好投手という印象を受けた。 投球内容 直近10試合の成績は、30回、29安打、9四死球、24三振、防御率2.40 という内容だった。 ストレート:140キロ~140キロ台中盤 ☆☆☆ 3.0 「おいどんカップ」での投球を見る限り、先発時は140キロ前後~せいぜい140キロ台中盤といったところだった。公式戦であるスポニチ大会ではもう少し出力を上げていた可能性もあるし、リリーフならば常時140キロ台後半を連発する能力はあるのかもしれない。ただし、球威や球速で圧倒するタイプの投手という印象は受けなかった。 変化球:スライダー・フォーク・ツーシームなど ☆☆☆ 3.0 横に滑るスライダーでカウントを整え、時折ツーシーム系の球を織り交ぜたり、他にも縦に沈む球も見られた。ただし、現状では狙って空振りを奪えるほどの変化球ではないように感じた。また、「おいどんカップ」では甘く入ったスライダーを打たれていた。 その他 クイックは1.0~1.1秒程度で投げ込めており、走者にしっかり目配せしながら投球している。牽制も鋭く、元々好投手タイプであるため、マウンド捌きや試合をまとめるセンスに優れている印象だ。 投球のまとめ スポニチ大会での151キロのイメージが強いが、実際は適度に試合をまとめる好投手タイプではないかと思う。むしろ、リリーフとして起用された場合にどの程度の爆発力を見せるのか、ぜひ見てみたい気がする。いずれにせよ、今年のJR東日本の主戦候補であることは間違いないだろうから、今後も注目していきたい存在だ。 投球フォーム セットポジションから足を引き上げる勢いは並程度だが、比較的高い位置まで足を引き上げてくる。軸足一本で立った時には膝から上がピンと伸び切ることなく立っており、適度にバランスを保っていた。 広がる可能性 ☆☆☆ 3.0 お尻の落としには甘さが残るものの、カーブやフォークが投げられないほどではない。ただし、武器となるほどの大きな曲がりになるかは微妙だ。 「着地」までの地面の捉えもそれなりで、体を捻り出す時間は平均的。どちらかというと、曲がりの大きな変化球よりも、球速のある小さな変化を中心に投球を広げていくタイプではないだろうか。 ボールの支配 ☆☆☆★ 3.5 グラブは最後まで内に抱えられており、外に逃げようとする遠心力を内に留めている。そのため軸がブレにくく、両サイドへの制球は安定しやすいのではないか。しかし、足の甲での地面の捉えが浮いてしまっているため、力を入れて投げるとボールが上吊りやすい。全体的に球筋も高めに集まることが多い。「球持ち」自体は前で放せており、指先の感覚としては悪くないようだ。 故障のリスク ☆☆☆★ 3.5 お尻の落としに甘さは残すが、そこまで悪いわけでもなく、カーブやフォーク系の球を多く投げるわけでもない。そういった意味では、窮屈になる機会も少なそうだ。 腕の送り出しにも負担がかかっている感じはせず、肩への負担も大きくなさそう。先発での投球を見る限り、それほど力んで投げているわけではないため、疲労も溜まりにくいのではないだろうか。 実戦的な術 ☆☆☆ 3.0 「着地」までの粘りは平均的で、ボールの出どころも並程度。そういった意味では、打者から嫌がられるフォームではなさそうだ。腕の振りは適度にあり、打者が吊られやすい勢いはある。ただし、打者からボールがどの程度早く見えるかでその効果も変わってくる。 ボールを前で放せており、体重を乗せてからリリースできているようにも見えるが、足の甲が地面から浮いてしまい、下半身のエネルギー伝達が遮断され、上半身に頼ったフォームになってしまっている。 フォームのまとめ フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「着地」が平凡で「体重移動」に改善の余地があるように思えた。制球を司る動作では、足の甲の押さえが浮いて高めに集まりやすいことが課題だ。故障のリスクはそれほど高くないが、今後武器となるほどの変化球を見出せるかには疑問が残る。そういった意味では、そこまで実戦的なフォームとは言えなさそうだ。 最後に まとまりのある好投手ではあるが、プロを想定するとリリーフではどうなのかと考える。問題は、短いイニングで投げた時に出力的にどうなるかだ。そういった部分を確認していきたい。いずれにしても、今シーズンのJR東日本の試合で注視していきたい投手だった。 (2024年 東京スポニチ大会) |