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今岡 拓夢(神村学園2年)遊撃 180/82 右/右 





 「強打の右の遊撃手」





 今年の高校生遊撃手の中でも、最も期待しているのが、この 今岡 拓夢 。強打が自慢の、右打ちのショートストップなのだ。


(守備・走塁面)

 右打席からの一塁到達タイムは、4.35秒前後。これを左打者に換算すると、4.1秒前後に相当し、ドラフト指名される選手の標準的なタイムだと言えよう。ショートとしても、大型の割に細かいステップが刻め、足さばきは想像以上に良い。鹿児島大会などを見ていると、送球の球筋も安定していて、地肩も結構強そうだった。同時期の 石塚 裕惺(花咲徳栄 - 巨人1位)と、守備に関しては遜色ないように思えた。ただし、プロでショートが任せられる素材かと言われると微妙なレベルにあり、一冬越えた成長次第ではないだろうか。






(打撃内容)

 24年度の公式戦
17試合では、0本 8点 2盗(1失) 打率.270 といった成績を残している。ちなみに昨年は、兄弟で甲子園に出場していたと記憶している。

<構え> 
☆☆☆ 3.0

 両足を揃えたスクエアスタンスで、前の足のかかとを浮かせて構えている。腰の据わりは深いが、全体のバランスとしてはいまいち。しかし、両眼で前を見据える姿勢は悪くないので、球筋を錯覚することなく追いやすい。

<仕掛け> 遅すぎ

 投手がリリースを迎える直前に動き出すなど、始動のタイミングとしては「遅すぎる仕掛け」に属する。ここまで遅いタイミングでの始動となると、なかなか木製バットを使って、プロレベルの投手の球に対応するのは、日本人のヘッドスピードや筋力を考えると厳しい。

<足の運び> 
☆☆ 2.0

 小さくステップして、真っすぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」がないので、あらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さない「鋭さ」が求められます。真っすぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプなのかもしれません。

 踏み出した前の足が、
インパクトの際に動いてしまいます。これは、意識が引っ張り中心だからだと考えられます。そのため、逃げてゆく球や低めの球への対応には課題を感じます。うまく引っ張って巻き込めた時に、強さを発揮する打者なのだろう。

<リストワーク> ☆☆☆★ 3.5

 
打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みなくボールは呼び込めている。あとは、バットを引くのが遅れないように注意したい。バットの振り出しは、上からインサイドアウトで出てくるので、引っ張って巻き込むのには優れたスイングをしている。

 ただし、バットのしなりを活かしたスイングではないので、外角球をどの程度打ち返せるかは微妙かも。それでもバットの先端であるヘッドも下がっておらず、広い面ではボールを捉えることができていた。スイングの弧も大きく、強烈な打球を生み出す原動力になっている。


<軸> 
☆☆★ 2.5

 
足の上げ下げが静かなので、目線の上下動は小さめ。それだけ、錯覚を起こすことなく球筋を追いやすい。しかし、足元が盤石ではないので、身体の開きが充分我慢できていない。軸足の内モモの筋肉は発達しているが、前に傾いてしまっており、身体が突っ込まないように気をつけたい。

(打撃のまとめ)

 
始動が遅すぎることと、足元が動いてしまうなどの欠点を持っている。それだけ引っ張りの意識が強いだけでなく、上半身の力が勝って、下半身が支えきれず負けってしまっていることを意味する。現状は、当たれば強烈だが、確実性の低いスイングに終始している印象だ。

(最後に)

 
個人的には期待の大きい選手だが、今の対応力だと壁に当たって最終学年は伸び悩むかもしれない。それだけに、このひと冬の間に、もう一度打撃と向き合い、考えてみる必要があるのではないだろうか。全国的にも数少ない、強打の右打ちの遊撃手ということで期待がされるが、まだドラフト指名確実だとか、そういった領域には入ってきていない。すべては、春季大会以後の成長次第ではないだろうか。


(2024年夏 鹿児島大会)