25ky-25





 堤 歩力我(中越3年)遊撃 178/73 右/右





 「甲子園で一番の収穫」





 県大会ではノーマークだったが、甲子園で新たな収穫といえば、この 堤 歩力我 ではないだろうか。この夏の関東一高戦では、3安打の固め打ちを記録。軽快な遊撃守備も印象的な選手だった。


走塁面 
☆☆☆★ 3.5

 一塁までの到達タイムは、右打席から4.15秒前後(左打者換算で3.9秒前後に相当)と、ドラフト指名される選手としても俊足の部類に入る。新潟大会の6試合や甲子園の1試合では盗塁0個。俊足ではあるが、積極的に盗塁を仕掛けるプレースタイルではないようだ。

守備面 
☆☆☆★ 3.5

 足の運びが良く、
軽快な動きが目立っていた。また、難しい体勢からでも間に合わないと判断すると、一塁ではなく三塁に送球してアウトにするなど、素早い状況判断にも優れている。試合前の練習や試合中では、ボールをしっかり握れずにポロポロする場面も見られたが、新潟大会の6試合では失策なし。肩は特別強そうには見えなかったが、送球の乱れはなかった。

 ドラフト候補のショートとしては、基準以上の守備力があるように思える。走塁技術や守備に関しては、まだ発展途上の部分もある。ただし、守備のセンスや動きは優れており、しっかり鍛えられれば、上のレベルでも二遊間で勝負できる資質があるのではないかと評価している。





打撃内容

 甲子園での関東一高戦では、ライト線へのツーベースを皮切りに、その後の打席で2本のセンター前ヒットを放ち、4打数3安打の活躍を見せた。新潟大会では、21打数8安打、打率.381を記録。二塁打と三塁打を2本ずつ放ち、長打力の片鱗を示しつつ、コンタクト能力の高さも印象的だった。

成績表(2025年夏 新潟大会+甲子園)


試合数
打数
安打
二塁打
三塁打
本塁打
打点
三振
四死球
打率
出塁率
長打率
OPS
7
24
11
3
2
0
5
1
2
.458
.500
.750
1.250

(打撃フォーム)

構え ☆☆☆★ 3.5

 右打席から、前足を引いてかかとを浮かせた構えを採用。グリップは平均的な高さで、後ろ足にやや重心を預けつつ、全体のバランスは標準的。両目で投手をしっかり見据え、
錯覚を起こさず球筋を追えている点は評価できる。セイバーメトリクスでは、出塁率.500と高い数値がこの視野の良さを裏付け、選球眼の基盤となっている。

仕掛け 平均

 投手の重心が下がりきったタイミングで始動する「平均的な仕掛け」を採用。確実性と長打力をバランスよく兼ね備えた中距離打者やポイントゲッターに多く見られるタイミングで、打率.458という高いコンタクト率に繋がっている。変化球への対応力も標準的で、安定した打撃を支えている。

足の運び 
☆☆☆★ 3.5

 足を上げて回し込み、ベース側に踏み込むインステップを採用。始動から着地までの「間」は標準的で、速球や変化球のスピード変化に柔軟に対応可能。外角への意識が強く、甲子園でのライト線へのツーベースは、この踏み込みが開きを抑えた結果といえる。長打率.750は、この技術が低めの球や逃げる球にも対応できる証拠だ。

リストワーク 
☆☆☆★ 3.5

 打撃準備の「トップ」を自然体で作り、力まずボールを呼び込む。バットを引くタイミングが遅れないように注意しつつ、振り出しは上からミートポイントまで振り下ろす動作でロスが少ない。三振率約3.8%(1三振/26打席)と低い数値は、このコンタクト能力の高さを示す。

 ただし、バットのしなりを活かしきれず、インパクト時にヘッドが下がりがちな点は課題。木製バットでのプロの投手への対応には、さらなる筋力強化が必要だ。フォロースルーは大きく、ヘッドの走りが良いため、体が成長すれば長打率の向上が期待できる。

軸 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げは平均的で、目線の上下動も標準的。体の開きを我慢でき、軸足が地面からまっすぐ伸びているため、調子の波が少ない。OPS1.250という高い生産性は、この安定した軸が打撃の基盤となっていることを示唆する。

セイバーメトリクス補足

出塁率
(OBP: .500): 選球眼とコンタクト能力が反映され、高校生としては優秀。ただし、四死球2とサンプルが少ないため、継続的な選球眼の評価が必要。

長打率
(SLG: .750):

 二塁打3本、三塁打2本による長打率は高校レベルで高いが、本塁打0本はパワー不足を示す。プロでの
長打力向上には筋力強化が不可欠

OPS
(1.250): 出塁率と長打率の合計が示す総合的な打撃生産性は、高校生としては傑出。技術的な安定感がこの数値を支えている。

三振率(K%):
約3.8%と極めて低く、コンタクト技術の高さが際立つ。ただし、プロの速球や変化球への対応力が今後の課題。

ISO
(.292)は、高校生として高めだが、本塁打がないため純粋なパワー不足が課題


(最後に)

 堤 歩力我は、技術的な安定感とセンスある打撃で、高校生として高い生産性を発揮。打率.458、OPS1.250は、
コンタクト能力と長打力のバランスを示す。構えや軸の安定、インステップによる外角対応力など、技術面での基盤はしっかりしているが、筋力不足による打球の弱さやバットのしなり不足は課題。体が成長し、技術がさらに磨かれれば、プロレベルでも二遊間を担える右打ちの打者に育つ可能性がある。貴重な遊撃手として、下位指名や育成枠での指名が期待される。


蔵の評価:
(下位指名級)


(2025年夏 甲子園)