25ky-20





 藤井 健翔(浦和学院3年)三塁 181/103 右/右
 




 「数少ない強打者候補」





 今年の高校生の中でも数少ない長打力を武器とする 藤井 健翔 。春季埼玉大会で3本塁打を放つなど、夏に向けて注目度が高まるであろう強打者だ。


走塁面:
☆☆★ 2.5

 一塁までの到達タイムは計測できなかったが、二塁打時の到達タイムは8.2秒強と平均的だった。試合での盗塁は確認できず、足で積極的にアピールするタイプではないようだ。

守備面:
☆☆★ 2.5

 三塁手としてのキャッチングにはやや危なっかしい印象だ。ただし、守備範囲は狭くなく、
地肩もまずまず強い。今後は捕球技術の向上が鍵となるだろう。

 純粋な走力や肩の強さは悪くないが、盗塁技術や捕球能力に課題が残る。動き自体は悪くない選手だけに、技術面が向上すれば平均以上のレベルに達する可能性がある。ただし、その判断は現時点では難しいところだ。





打撃内容

 この春の埼玉大会では、
15打数6安打、3本塁打、3打点、打率.444 を記録。関東大会初戦では3三振を喫したが、横浜高校戦では三遊間を抜くヒットや右中間を破る長打を見せた。

構え:
☆☆★ 2.5

 ややクロス気味の構えで、グリップを高めに添えた強打者らしいスタイル。腰の据わりや全体のバランスは標準的だが、両眼で前を見据える姿勢はやや改善の余地がある。

仕掛け:遅め

 投手の重心が下がりきり、前へ移動する段階で動き出す「遅めの仕掛け」を採用。このタイミングは、ボールを引き付けて打つ長距離打者や天性の二番打者に多く見られる。

足の運び:
☆☆☆ 3.0

 軽く足を上げ、真っ直ぐ踏み出す。始動から着地までの「間」が短いため、狙い球を絞り、逃さず捉えることが求められる。真っ直ぐ踏み出すため、内角・外角のどちらも対応可能なタイプだろう。

 普段は踏み込んだ足が早く地面から離れる傾向があり、引っ張りへの意識が強い。ただし、
追い込まれると足元を我慢し、右方向への打撃も可能にしている。

リストワーク:
☆☆☆ 3.0

 打撃準備の「トップ」を早めに形成でき、速球に遅れにくい。バットの振り出しでは
腰がやや早く開くため、バットがインパクトまで遠回りになる傾向がある。それでもスイングの弧は大きく、腕力の強さを活かし、長打につなげることが多い。

軸:☆☆☆★ 3.5

 目線の上下動は少なく、体の開きもある程度抑えられている。足元がやや窮屈なため、
内角のさばきは課題かもしれない。ボールと体との距離をある程度確保したいタイプと言える。ただし、軸足の内腿は発達しており、強烈な打球を生み出す原動力となっている。

打撃のまとめ

 タイミングの取り方や内角のさばきに課題があり、外角の球も腰の開きが早いため。
打てるゾーンは真ん中付近に限られる可能性がある。


最後に

 走力や肩は悪くないが、打撃のゾーンの狭さが課題だ。この点が根本的に改善可能か、あるいは打てる球を高い確率で仕留められるかが今後の焦点となる。夏の大会でのパフォーマンスを見極めたいところだ。貴重な長距離打者候補として、強打者らしい雰囲気も持ち合わせている。


蔵の評価:
追跡級!


(2025年 春季関東大会)