25ky-16
イーマン 琉海(エナジックスポーツ3年)二塁 165/63 右/左 | |
理屈ではなく、試合になると強さを発揮するタイプの選手ではないかと思われる、イーマン琉海。小柄な160センチ台の体格ながら、それをものともしない好素材だ。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 一塁までの塁間タイムは、左打席から4.15秒前後と、ドラフト候補としては平均的。それでも普段のプレーにはスピード感があり、相手の隙を突いてセーフティバントを成功させるなど、脚力を活かしたプレーができている。新チーム結成以来の19試合で10盗塁を記録するなど、突出した数ではないものの、適度に動ける脚力を持っている。 守備面:☆☆★ 2.5 一方、セカンドの守備では不安が残る。キャッチングが不安定だったり、カバーリングが遅れたりするなど、基礎的な部分を一から作り直す必要があるかもしれない。将来的には、身体能力の高さを活かして他のポジションへの転向の可能性もあるだろう。 総じて、一定の身体能力はありそうだが、守備には課題が残る。走力も、プロレベルでは突出しているかは微妙で、売りにできるほどかには疑問が残る。ただし、攻撃的なプレースタイルが走塁で活きる可能性を秘めている。 打撃内容 このセンバツでは、2戦とも4安打ずつを放ち、10打数8安打と打ちまくった。昨夏の沖縄大会以降の16試合でも本塁打は0。本塁打で魅了するタイプではなく、二塁打や三塁打が多い強打者といえるだろう。 構え:☆☆☆★ 3.5 前足を少し引き、グリップは高めに構える。腰の据わり、両眼で前を見据える姿勢、全体のバランスはまずまずの印象だ。 仕掛け:平均的 投手の重心が沈みきったタイミングで動き出す「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、確実性と長打力を兼ね備えた中距離ヒッターや、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く見られる。 足の運び:☆☆☆★ 3.5 足を引き上げ、ベースからやや離れた方向に踏み出す。始動から着地までの「間」はそこそこで、速球や変化球のスピード変化にもそれなりに適応できる。軽いアウトステップにより、内角寄りの球を意識している可能性がある。踏み込んだ足元はインパクト時にブレず、逃げて行く球や低めの球にも食らいつける。 リストワーク:☆☆☆★ 3.5 打撃準備の「トップ」の形は自然体で、力まずボールを呼び込めている。インサイドアウトのスイングではないが、外角の球にはヘッドを残してフェアゾーンに飛ばせる。インパクトではボールに角度をつけるタイプではなく、接地面を広く保ち、フェアゾーンに飛びやすい形で捉える。小柄ながら体の強さがあり、速球にも力負けしない。 軸:☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げによる目線の上下動は平均的。それでも体の開きを我慢でき、軸足の形も崩れずにスイングできる。強いて言えば、軸足の内ももの筋力がまだ弱いため、ここを鍛えれば打球の飛距離や強さがさらに向上する可能性がある。 打撃のまとめ 自由奔放に感性でプレーしている印象はあるが、打撃フォームに大きな欠点や悪い癖は見られない。経験を積み、体が仕上がれば、素直にパフォーマンスを伸ばせるだろう。 最後に 小柄ながらポテンシャルの高さを感じさせる選手で、現段階でこれだけの結果を残せるのは能力の片鱗といえる。ただし、守備をはじめ課題も多く、高いレベルの野球への適応には時間がかかるかもしれない。個人的には、下位~育成枠での獲得なら面白い素材ではないかとみている。 蔵の評価:☆(下位指名級) (2025年 センバツ大会) |