25ky-15
赤埴 幸輝(天理3年)遊撃 181/71 右/左 | |
今年のドラフト戦線では、プロでショートを守れる遊撃手が少ない。そんな中、その可能性を秘めた選手として注目されそうなのが、赤埴 幸輝 ではないだろうか。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 一塁までの到達タイムは計測できなかったが、二塁までは8秒を切る脚力の持ち主。実際に走っている姿を見ると、180cm台の大型野手ながら、まずまずのスピード感がある。新チーム結成以降の44試合で13盗塁を記録し、チーム2位の成績にあたる。プロで足を売りにするほどかは微妙かもしれないが、水準以上の脚力があることは間違いない。 守備面:☆☆☆☆ 4.0 大型選手ながら細かいステップを刻めるので、球際でのグラブさばきも巧みだ。ただし、送球の強さが物足りないので、キャッチングやフットワークよりもスローイングに改善の余地があるかもしれない。新チーム結成以降の44試合で9失策を記録しており、安定感という点ではまだ課題が残る。 走力や肩に絶対的なものは無いものの、走塁でも守備でもプロで目立つ存在になれる可能性を秘めている。今後の技術向上が大いに期待される選手であり、そのセンスはあるのではないだろうか。 打撃内容 初の甲子園出場となった3年春のセンバツでは、2つの四球を選んだものの、3打数0安打と結果を残せなかった。しかし、新チーム結成以降の44試合では、3本塁打、38打点、打率.472 の好成績を記録しており、もう少し見たかったというのが本音だろう。 構え:☆☆☆☆ 4.0 ほぼ両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的だがやや捕手側に引いて構えている。背筋を伸ばし、両目で前を見据える姿勢は、全体的にバランスの取れた好ましい構えと言えるだろう。 仕掛け:平均 投手の重心が下がりきるあたりで動き出す「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、一定の確実性と長打力を兼ね備えた中距離ヒッターや、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く見られる始動のタイミングです。 足の運び:☆☆☆☆ 4.0 足を軽く上げ、ベース側に踏み込むインステップを採用。始動から着地までの「間」は標準的で、速球にも変化球にもそれなりにスピードの変化に対応できる。外角への意識が強いのか、ベース側に踏み込む傾向がある。 踏み込んだ前足は、インパクト時にブレず我慢できている。そのため、逃げる球や低めの球にも開かずに対応可能だ。センバツで印象的だったのは、相手投手のカーブを読み、先に着地しながらも踵を浮かせたままタイミングを再調整し、再度踏み込んでいた動作。このタイミングの取り方は特殊な能力であり、緩急への対応力が高いと感じられた。 リストワーク:☆☆☆☆ 4.0 打撃準備の「トップ」を早めに形成でき、速球に遅れる心配は少ない。バットの振り出しはインサイドアウトではないが、外角の球を捉えるまでのロスは感じられない。バットヘッドも下がっておらず、広い面でボールを捉え、フェアゾーンに飛びやすい打ち方をしている。加えて、引っ張った際には打球がよく飛ぶリストの強さも備えているようだ。 軸:☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは静かで、目線の上下動も少ない。体の開きを我慢でき、軸足の形も崩れていない。そのため、調子の波が少ないタイプと言えるだろう。今後、内腿の筋力が向上すれば、より鋭い打球が期待できる。 打撃のまとめ 打撃動作中にタイミングを再調整できる特殊能力があり、動作全体に大きな欠点は見られない。一方で、スイングの鋭さや体の強さなど、肉体的な部分には物足りなさが残る。夏に向けてこれらの課題を克服できれば、楽しみな存在になるだろう。 最後に 前述の通り、今年はプロでショートを続けられそうな候補が少ない年である。その点で、しっかり守れる高校生の代表格として、一定の評価を得られる可能性がある。センバツのプレーを見る限り、打撃には物足りなさがあり、下位指名や育成枠の評価が妥当かと思われた。しかし、他の試合や動作を詳しく分析すると、ワンランク上の評価も可能だと判断した。夏までに打撃の成長が感じられれば、上位指名も視野に入ってくるかもしれない。 蔵の評価:☆☆(中位指名級) (2025年 センバツ大会) |