25ky-11
岡部 飛雄馬(敦賀気比3年)遊撃 164/64 右/左 | |
旧チーム時代から抜群の野球センスが光っていた 岡部 飛雄馬。しかし、期待された3年春のセンバツ大会では、2試合で無安打に終わり、悔しい思いのまま甲子園を後にした。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 一塁までの塁間を左打席から3.95~4.05秒で駆け抜ける。このタイムはドラフト候補としても中の上クラスに位置し、プロで「足」を売りにするにはやや物足りないタイムではあるが、脚力は水準以上。新チーム結成後の30試合で14盗塁を記録しており、出塁すれば積極的に次の塁を狙いに行く姿勢を魅せる。 守備面:☆☆☆☆ 4.0 打球への一歩目の反応が鋭く、細かいステップを刻みながらスピード感のあるプレーを見せる。驚くほどの強肩ではないが、送球は一塁まで垂れず力強い。高校生の遊撃手としては全国トップクラスの守備力を持つ選手と言えるだろう。プロのレベルでも二遊間で勝負できる可能性を秘めている。 走力や地肩に圧倒的なものは無いが、守備・走塁ともに水準以上。特に今年は守備力の高いショートが少ないだけに、育成枠であれば面白い存在と考える球団もあるかもしれない。 打撃内容 3年春のセンバツでは9打数無安打に終わったが、2年春のセンバツでは3打数2安打を記録。新チーム結成後の30試合では打率.437を残す好打者だ。特に下級生の頃から、小柄ながら速球に力負けしない鋭いスイングが際立っていた。 構え:☆☆☆★ 3.5 左打席で前足を引いて踵を浮かせ、グリップは平均的な高さでやや捕手側に添える。腰を深く沈め、両眼で前を見据える姿勢はバランスはまずまず。打席での強い集中力が感じられ、全体的に安定感のある構えだ。 仕掛け:遅すぎ 投手の重心が下がり始める前につま先立ちでベース側に動き、オープンスタンス気味に足を戻す。踵を浮かせて下ろすシンプルな動作で無駄を抑えるが、本格的な始動は投手がリリース直前という「遅すぎる仕掛け」を採用している。 日本人選手のヘッドスピードや筋力を考えると、木製バットでNPB一軍レベルの投手に対応するには始動が遅すぎる印象だ。このスタイルを活かすには、外国人選手並みのヘッドスピードや筋力が必要で、現状では厳しいと言える。 足の運び:☆☆☆ 3.0 踵の上げ下げを伴うが、アウトステップで踏み込むスタイル。始動から着地までの「間」が短いため、狙い球を絞り、それを逃さない鋭さが求められる。彼のプレースタイルからは、そうした鋭さは感じられる。また、アウトステップからも、内角への意識が強いように考えられる。 踏み込んだ足元はインパクト時にブレず粘りを見せる。そのため、アウトステップでも逃げる球や低めの球に食らいつく対応力がある程度期待できる。 リストワーク:☆☆☆★ 3.5 打撃準備の「トップ」は事前に形成できており、始動が遅くても速球に立ち遅れにくい。ただし、グリップを引いて構えることで力みが生じ、リストの柔軟性が損なわれるリスクがある。 バットの振り出しは体とボールの距離を必要とするタイプ。アウトステップも、内角の捌きを補うためのスペース確保が目的と考えられる。インサイドアウトのスイング軌道ではないが、外角の球に対してはバットのヘッドが下がらず、広いゾーンでボールを捉えられる。そのため、フェアゾーンに飛ぶ打球は多い。 軸:☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げが静かなため、目線の上下動が少なく、体の開きも我慢できる。軸足にも粘りがあり、ボールに食らいつく力がある。 打撃のまとめ 初戦ではチームが15安打を放つ中、打ち気に逸らずボールを丁寧に見極めていたのが印象的だった。一方、2戦目の健大高崎戦では緩いスライダーに狂わされていた印象。速球を叩く技術は優れているが、変化球を確実に捉えられるかが夏に向けての課題となりそうだ。 最後に 常識的に考えれば、高校から直接プロ入りよりも大学や社会人を経ての進路が現実的かもしれない。しかし、本人に強いプロ志向がある場合、精神面の強さは並々ならぬものがある。貴重な「守れる遊撃手」として、プロからの需要も低くないだろう。小柄な体格も遊撃手としては許容範囲内で、育成枠であれば興味を示す球団もあるのではないか。まずは夏までの成長をもう少し見届けたい。 蔵の評価:追跡級! (2025年 センバツ大会) |
野球センスが際立つ。守ってはショートを担い、出塁すれば盗塁を決めるなど、小柄ながら将来楽しみな 下級生といった感じがする。特に、野田の重い速球を苦になく打ち返すなど、小力のあるところを魅せていた。 (2024年 選抜) |