25kp-22
桑山 晄太朗(津田学園3年)投手 180/81 左/左 | |||||||||||||||||||
投球内容 春季東海大会・中京戦では、6回から登板。ピンチでも落ち着いたマウンドさばきを見せ、堂々とした投球が印象的だった。以下、投球内容を詳しく振り返る。 ストレート 140キロ~MAX147キロ ☆☆☆★ 3.5 球威で押すストレートが武器。コンスタントに140キロ台を刻み、走者を背負った場面では145キロ前後を連発する馬力を見せた。空振りを量産するタイプではないが、打者を詰まらせる力強い球質が光る。制球は両サイドに投げ分ける精度を持ちつつ、時折高めに抜ける場面も。今後の安定感向上が期待される。 変化球 スライダー・ツーシーム ☆☆★ 2.5 スライダーは横に鋭く滑るが、変化量は控えめで、右打者の外角を攻める際に効果的。ツーシームは軽く沈む動きで内角を突くが、決め球とまではいかない。ストレートとの見極めが難しい球ではあるものの、空振りを誘う鋭さやバリエーションの増加が今後の課題だ。 その他 クイックは1.25秒前後とやや遅めだが、走者への目配せは鋭く、牽制の動きもスムーズ。フィールディングは機敏で、ピンチでの冷静な判断力も光った。投球テンポを変えたり、ボールを長く持つなどの投球術は今後磨けばさらに魅力が増すだろう。 成績から考える
1. 被安打は投球回数の70%以下 ◎ 被安打率48%は、高校生投手の上位10%に匹敵する優秀な数字。並の打者では捉えられない球威と、的を絞らせない投球が光る。 2. 四死球は投球回数の1/3(33.3%)以下 ◯ 四死球率32%は基準をクリア。細かい制球力は発展途上だが、四死球で自滅するリスクは少なく、ピンチでも落ち着いて投げ切るメンタルが伺える。 3. 奪三振は1イニングあたり0.8個以上 ◎ 1イニングあたり1.36個の奪三振は、全国トップクラスの水準。変化球が決め球とまではいかない中、ストレートの力で三振を積み重ねる。ただし、上のレベルでは変化球の強化が三振率維持のカギとなるだろう。 4. 防御率は1点台以内 ◎ 防御率0.38は圧巻。ランナーを背負っても力で抑え込む馬力が、この数字を支えている。 成績からわかること 多少の制球のバラつきはあるものの、春の成績は非の打ちどころがない。被安打率、奪三振、防御率のいずれも高校生トップクラスで、欠点の少ない投手像が浮かび上がる。ピンチでの落ち着いた表情や、観客を引き込む堂々としたマウンド姿も、桑山の大きな魅力だ。 最後に 投球内容も成績も、桑山晄太朗のポテンシャルを強く印象づけた。現状ではドラフト4位前後が妥当な評価だが、夏に変化球の精度や投球術が向上すれば、上位指名も夢ではない!大学進学を希望しているとの話だが、志望届を提出すれば、ドラフト会議で注目の的になる可能性は高い。夏のさらなる進化に、目が離せない! 蔵の評価:☆☆(中位指名が期待される逸材) (2025年 春季東海大会) |