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長崎 蓮汰(滋賀学園3年)投手 187/82 右/右 





 「プロ志望なら指名されるのでは?」





投球内容

 選抜大会では、浦和実業戦に先発し、
6回1/3を投げ、5安打、3四死球、3三振、防御率4.28 を記録した。一方、新チーム結成以降の15試合では、72回2/3を投げ、48安打、19四死球、45三振、防御率1.24 と安定した成績を残している。

ストレート 常時140キロ前後 
☆☆☆ 3.0

 球速は常時140キロ前後で、ドラフト候補の
右投手としてはやや物足りない印象。しかし、ズシッとした球質で球速以上の力強さがあり、両サイドにボールを散らす制球力は評価できる。気になる点としては、やや体の開きが早く、打者にタイミングを合わせられやすい傾向があることか。

変化球 スライダー・カーブ・チェンジアップなど 
☆☆☆ 3.0

 小さく横滑りするスライダーでカウントを整え、緩い
カーブを多めに織り交ぜてアクセントとしている。また、チェンジアップなど沈む球も投げるが、現時点ではその精度や威力は発展途上といったところ。この球をさらに磨ければ、左打者への対応もより楽になりそうだ。

その他

 牽制はタイミングがうまく、フィールディングも大型選手としては悪くない。クイックモーションは1.05~1.1秒程度で基準以上。微妙なコースの出し入れや「間」を活かした投球術はまだ見られないが、走者を背負っても落ち着いて投球できている。
投球のまとめ

 現時点で絶対的な決め球はないものの、総合力は一定のレベルに達しており、今後フィジカル面での成長が進めば全体の投球レベルがさらに引き上げられそうな印象を与える。プロ入り後に突出した特徴を獲得できるかは未知数だが、将来像を描きやすいタイプの投手と言えるだろう。





投球フォーム

 セットポジションから足を引き上げる勢いや高さは控えめで、静かな入りを見せる。そのため、
本質的には先発タイプの投手と言えるだろう。軸足の膝に過度な力みはなく、バランスは平均的な立ち方となっている。

広がる可能性 ☆☆☆★ 3.5

 お尻を一塁側に落とし、体を捻り出すスペースを確保できている。この点から、カーブやフォークなど捻り出して投げる球種に適したフォームと言える。

 ただし、着地までの地面の捉え方は平均的で、体を捻り出す時間は標準程度。もう少し時間を稼げるようになれば、質の高いカーブやフォークを習得できる可能性がありそうだ。

ボールの支配 
☆☆☆ 3.0

 グラブを最後まで内に抱え、遠心力を抑えることができているため、体の軸がブレにくく、両サイドへのコントロールは比較的安定している。特に
右打者に対しては安定感があるが、左打者への制球力をさらに磨く必要がある。

 足の甲で地面を捉える力がまだ浅く、浮き上がる力を十分に抑えきれていないため、ボールが高めに抜けやすい傾向がある。球持ち自体は悪くないが、腕が体からやや離れて振られる傾向があり、これが制球の乱れの一因かもしれない。

故障のリスク 
☆☆☆☆ 4.0

 お尻を落とせているため、カーブやフォークを投げてもフォームが窮屈になることは少ない。カーブを多用しているが、現状のフォームでは肘への負担は軽減されていると見られる。

 腕の送り出しも肩に大きな負担をかけるものではなく、力投派ではないため疲労も溜まりにくい。ただし、腕がやや凱旋気味に振られる動作は、わずかに負担を生む可能性がある。

実戦的な術 
☆☆ 2.0

 着地までの粘りが平凡で、
ボールの出どころが見えやすいため、打者に捉えられやすいリスクがある。腕の振りもやや弱く、打者を惑わすほどの勢いがないため、三振を奪うのが難しい。また、体重移動が不十分で、フィニッシュ時の地面の蹴り上げにも力強さが欠ける。そのため、フォーム全体に躍動感が感じられない。

フォームのまとめ

 フォームの4大動作(着地、球持ち、開き、体重移動)のうち、「球持ち」は悪くないものの、
「開き」と「体重移動」に改善の余地がある。制球に関しては、足の甲の地面への押し付けが浅いため高めに抜けやすい点が課題。故障のリスクは低く、今後武器となる変化球を習得する可能性を秘めている。ただし、現時点では実戦的なレベルには達していない。


最後に

 A級の素材とは言えないが、順調に成長を重ねれば素直に伸びる可能性を感じさせる。恵まれた体格を活かし、高校からのプロ入りも十分に考えられる。あとは、
自身の強みをどのように確立していくかが鍵となるだろう。先輩の 宮城 竜太(DeNA)の高校時代と比べても、ワンランク上の存在という印象を受けた。


蔵の評価:
(下位指名級)


(2025年 選抜大会)