25kp-12





西村 一毅(京都国際2年) 投手 177/66 左/左





 「いわゆるピッチングができる投手」





投球内容

 オーソドックスな左腕投手で、体格やフォームに特別な威圧感があるタイプではない。それでも2年生ながら夏の甲子園で24イニングを投げ、自責点0という安定感は見事だった。

ストレート 常時135キロ前後 
☆☆☆ 3.0

 球威や球速の面では、まだ高校からプロへといった感じのボールではまだなかった。ただし、キレと勢いのある球を
両サイドに投げ分けるコントロールが光る。特に右打者に対しては外角いっぱいに集められ、内角へのクロスファイヤーもズバッと投げ込む度胸と技術がある。あともう一段階、球に力強さが加われば、高校生打者にとって簡単には攻略できない投手になるだろう。

変化球 チェンジアップ・スライダーなど 
☆☆☆★ 3.5

 最大の武器は、右打者の
外角でしっかり抜けるチェンジアップだ。また、左打者に対しては外角へ逃げるスライダーとのコンビネーションで投球を組み立てる。そのほか、余裕があれば緩いカーブを織り交ぜることもあるようだ。

その他

 クイックモーションは1.05~1.1秒程度とまずまず。適度に牽制も入れてくる。テンポを強調するタイプではないものの、投球のタイミングを変化させる工夫が見られる。特にコースいっぱいに集める精度が高く、
時には際どいところを攻め、「振ってくれなければ仕方ない」と割り切った投球ができる。

投球のまとめ

 現状では、「すごい投手」というより「上手い投手」という印象が強い。今のままでは高校から直接プロ入りというより、有力大学に進学してからプロを目指すイメージが先行する。ただし、この冬を越えてストレートにさらなる磨きがかかれば、高校卒業後のプロ入りも十分に現実味を帯びてくるのではないだろうか。






投球フォーム

 セットポジションから足を引き上げる勢いや高さはまずまず。軸足一本で立った際も、膝から上がピンと伸びきることがなく、力みを感じさせない。適度なバランスを保ちながら立てている。

<広がる可能性> 
☆☆☆★ 3.5

 引き上げた足をやや二塁側に開くため、お尻の三塁側(左投手の場合)への落としはやや甘くなる。それでも、カーブやフォークといった捻り出して投げる球種が使えないほどではない。

 「着地」までの地面の捉え方は、適度なステップで身体を捻り出す時間を確保している。曲がりの大きな変化球の習得も、ある程度期待できそうだ。

<ボールの支配> 
☆☆☆★ 3.5

 
グラブを最後まで身体の近くに抱え込めており、外に逃げようとする遠心力を抑えられている。そのため軸がブレにくく、両サイドへのコントロールが安定しやすい。

 足の甲で地面を捉える力もなんとか我慢できており、浮き上がる力も抑えられている。「球持ち」もまずまずで、
指先の感覚にも優れているのではないか。

<故障のリスク> 
☆☆☆ 3.0

 お尻の落としに多少の甘さはあるものの、気にするほどではないように思える。特に現在はスライダーやチェンジアップ系の球種を多用しており、窮屈な動きが少ないのもプラスだろう。

 気になるのは、
ボールを持つ肩が上がり、グラブ側の肩が下がる腕の送り出しの部分。この点では肩への負担がそれなりにあるように見える。ただし、力みすぎるフォームではないため、疲労が蓄積しにくいのではないかと考えられる。

<実戦的な術> 
☆☆☆★ 3.5

 「着地」までの粘りを適度に作り出せており、
ボールの出どころも隠せている。そのため、ボールがなかなか見えず、見えたとしても鋭く差し込まれやすいだろう。

 腕は
しっかりと振れており、投げ終わった後に身体に絡みつくような動きで吊られやすい。ただ、投球後に身体が三塁側に流れるため、作り出したエネルギーがリリースまでに一部ロスしている印象がある。この点が改善されれば、打者の手元までの勢いや強さがさらに増すのではないか。

フォームのまとめ

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」のうち、
「体重移動」に課題が残る。股関節の柔軟性と下半身の筋力強化を図りつつ、適切なステップ幅を身につけたい。制球を司る動作はまずまずで、故障リスクとしては腕の送り出しによる肩への負担がやや気になる。将来的に良い変化球を投げられる可能性を感じさせる、実戦的なフォームの選手だ。

(最後に)

 投球の基礎がしっかりした投手であり、フォームにもその裏付けがある。あとは出力を自然に引き上げつつ、基本を崩さないことが求められる。高校からのプロ入りは、この冬の成長次第だろう。ただし、いずれにせよ、プロでローテーションを担う投手に育つ可能性を秘めているのではないか。


(2024年夏 甲子園)