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石垣 元気(健大高崎2年)投手 178/75 右/両 





 「王道を行けるか?」





 24年秋の時点では、全国の高校生の中で頭一つ抜けた存在である 石垣 元気 。果たして、かつての 松坂 大輔 のような、王道路線で今後も駆け抜けてゆくのか考えてみたい。


(投球内容)

 昨今のドラフト候補としては、けして大きな体格ではない。しかし、松坂自身も、2年秋の時点では170センチ台後半 ぐらいだったと記憶している。この秋は3試合ほど登板し、関東大会の準々決勝で佐野日大戦に登板したのが最後。ちなみにこの試合では、等々力球場のガンで、158キロまで到達し話題になった。


ストレート 145キロ~150キロ台前半ぐらい 
☆☆☆☆ 4.0

 等々力のガン表示の正否はともかく、常時150キロ前後は出ていそうな明らかに速く感じる球を投げています。夏の群馬大会で見た時には、そのボールの勢いにビックリさせられました。ただし、真っ直ぐの球速・勢いは破格なものの、コマンドとしてはややアバウトです。ある程度両サイドに散らすことはできますが、真ん中~高めのゾーンに浮きやすい傾向にあります。

変化球 カーブ・スライダー 
☆☆☆ 3.0

 今は緩いカーブと、横滑りするスライダーで投球を組み立ててきます。これらの球でカウントを整えられますが、空振りを誘うといった感じの変化球ではありません。他にも、チェンジアップ・スプリット系の球もあるようですが、今のところ精度・落差共に充分とは言えなそうです。

その他

 クィックは1.05秒前後とまずまずですが、走者への目配せや牽制という意味ではどうでしょうか? まだ「間」を使う意識も薄く、淡々と投げ込んでいるたけといった気がします。

(投球のまとめ)

 現状ストレートの威力は破格なものの、変化球や制球力、それに投球術などの部分では、まだ特別なものがないことがわかってきた。この辺の部分を、今後一年で何処まで高めて行けるのか? それによって、ドラフトの目玉になって行けるのか変わってくるのではないのだろうか? ここからは、才能云々以上に、
本人がどれほど貪欲に野球に向き合って行けるかに懸かっている。





(投球フォーム)

 今度は、投球フォームをみて今後の可能性について考えてみたい。セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さは、それなりといった感じがします。軸足一本で立った時には、膝から上がピンと伸びがちでも、全体的にはバランス良く立てていました。

<広がる可能性> 
☆☆☆★ 3.5

 引き上げた足を地面に向けがちなので、お尻の一塁側への落としは甘くなりやすい。そのため、身体を捻り出すスペースは充分確保できていないので、カーブやフォークといったひねり出して投げる球の曲がりや鈍くなりやすい。

 「着地」までの地面の捉えはそこそこといった感じで、身体を捻り出す時間はそれなり。しかし、今後いろいろな球を投げられる下地はあるものの、武器になるほどの変化球を見出だせるかは微妙だろう。

<ボールの支配> 
☆☆☆ 3.0

 
グラブは最後まで内に抱えられており、外に逃げようとする遠心力を内に留めることができている。そのため、両サイドへのコントロールはつけやすいのではないのだろうか。一方で、足の甲での地面の捉えは浮いてしまっており、浮き上がろうとする力を抑えられず、ボールは上吊りやすい。「球持ち」も並ぐらいなので、指先の感覚としては平均的ではないのだろうか。

<故障のリスク> 
☆☆☆★ 3.5

 お尻の落としに甘さを残す中、結構カーブを多く織り交ぜてくる。そうなると窮屈になる機会も増え、肘への負担も少なくないとは考える。腕の送り出しを見る限りは、肩への負担は少なそう。それほど力投派でもないので、疲労を溜めやすいということも無さそうだ。

<実戦的な術> 
☆☆★ 2.5

 「着地」までの粘りはそこそこも、ボールの見やすさは平均的。そういった意味では、球速ほど打者が苦になるフォームではないのかもしれない。

 気になるのは、振り下ろした腕が身体に絡んでくるとか、そういった粘りは感じられない。ボールにも
しっかり体重を乗せきる前にまだリリースを迎えてしまっている感じで、それでも、これだけのボールが投げられるのは才能なのだろう。ただ、松坂大輔も動揺のタイプで、あまり下が上手く使える選手ではなかった。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」のいずれも平凡で、特筆すべきものはない。この一年で、こういった動作に変化が見られるのか気になるところ。故障のリスクはそこまで感じないが、制球を司る動作や武器なるほどの球種を、将来的に見出だせるかは微妙。そういった意味では、
ある程度のところから伸び悩む可能性も否定できない。


(最後に)

 2年秋の時点では、
真っ直ぐが他の選手より抜けており、ドラフト1位の有力な候補ではあるように思える。しかし、一冬越えて上積みが感じられない場合は、体格に恵まれていないことも考えると、評価は下がってゆく恐れもある。ただし、2年秋の松坂大輔も、そこまで絶対的なボールを投げていたわけではなかったので。ただし、松坂大輔の方が、すでにこの時期から総合力や精神力といった部分で石垣より上を言っていたように思える。今は、一冬越えた時にどっちに転ぶのか待ちたい。


(2024年秋 関東大会)