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池田 彪我(東洋大3年)三塁 180/90 右/左 (三重高出身) | |
池田 彪我 を見ていると、昨年巨人に3位指名で入団した 荒巻 悠(上武大)内野手と重なるものがある。荒々しい左打ちの一発屋で、三塁あたりを守るポジションも含め、位置づけとしてよく似た印象を受ける。
(守備・走塁面)
一塁までの塁間タイムは、左打席からやや緩めた状態で4.45秒前後。全力で走った場合でも4.25秒前後だろうと考えられるので、ドラフト候補としては脚力は 中の下くらい ではないだろうか。大学入学後、公式戦43試合での盗塁数はわずか1個で、足を売りにするプレースタイルではないようだ。
三塁手としての動きを見ると、守備範囲は決して狭い選手ではなさそう。ただし、安定感や送球の精度には課題が残る印象で、秋のリーグ戦では14試合で5失策を記録している。大学からプロ入りを目指す上では、三塁の守備力向上が一つのポイントになりそうだ。地肩自体はかなり強い部類に入ると見ている。
守備・走塁に関しては、まだ能力を完全に把握しきれていないため、1年間かけてじっくりと評価していきたい。
(打撃内容)
3年春のリーグ戦では 打率.310、4本塁打を記録したが、秋は打率.192、2本塁打 にとどまった。一部に昇格する春にどのような内容を見せられるかが鍵ではないだろうか。
<構え> ☆☆☆★ 3.5
左打席で前足をしっかり引き、グリップを高く掲げる強打者スタイル。腰の据わり具合、両目で前を見据える姿勢、全体のバランスはまずまずといった印象だ。打席では、強打者らしい雰囲気を漂わせている。
<仕掛け> 遅め
開いていた足を、投手の重心が沈むタイミングでベース側につま先立ちさせる。ただし、本格的な始動は投手の重心が前に移動する段階で動き出すため、「遅めの仕掛け」に分類される。これは生粋の二番打者や長距離打者に多く見られるスタイルで、彼は完全に後者のタイプだろう。
<足の運び> ☆☆☆ 3.0
足を小さくステップさせ、ベースから離れる方向へ踏み出すアウトステップを採用。始動から着地までの「間」が短いため、狙い球を絞り、それを逃さない鋭さが求められる。アウトステップから内角への意識が強いのではないかと感じる。
踏み込んだ前足は、インパクト時に開かず閉じた状態を保っている。そのため、アウトステップながら甘い外角球や低めの球にも対応できそうだ。
<リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0
打撃準備の「トップ」を早めに形成できているので、始動の遅さを補えている。ただし、あらかじめ「トップ」の位置にグリップを引いているため、リストワークに遊びがなくなり打てる球が限られる印象だ。彼の打撃を見ていても、柔軟性に欠ける傾向があるように思う。
バットの振り出しはインサイドアウトのタイプではなく、それでも秋の入れ替え戦初戦では内角球を巧みにさばき、ライトスタンドに叩き込んだ。基本的に内角のさばきを苦手としているようには見えない。
外角へのインパクトでもロスは感じられず、バットの先端(ヘッド)も下がっていないため、広い面でボールを捉えやすく、フェアゾーンに飛びやすいのではないか。スイングの弧も大きく、強烈なヘッドスピードでボールを弾き飛ばす。
ただし、打球に角度をつけるスイング軌道ではないため、破格のホームランは引っ張った打球に多いと感じる。逆に、逆方向への打撃や外角球への対応は、もう少し観察したいポイントだ。
<軸> ☆☆☆☆ 4.0
足の上げ下げが小さいため、目線の上下動は少ない。体の開きも我慢できており、軸足の内ももの筋力にも強さを感じる。そうした点が強烈な打球を生み出す原動力になっているのではないか。
(打撃のまとめ)
確実性は高いとは言えないが、一発屋としての魅力がある。ただし、外角球のさばきを見ると、左方向に大きな打球を飛ばすタイプのスイングではないため、外角に投げれば痛手を受けにくい印象を受けた。その意味で、外角への対応が指名への鍵を握る部分かもしれない。
(最後に)
大学球界でも、右打ちの 立石 正広(創価大)、左打ちの 池田 彪我 といった位置づけの飛ばし屋候補と言える。ただし、三塁守備の安定感や外角への対応次第では、指名漏れの可能性も十分にある存在だ。それだけに、4年春に東都一部でどれだけの内容を見せられるかが重要ではないだろうか。今は期待半分、不安半分といった気持ちで見守りたい。
(2024年秋 東都入れ替え戦)
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