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勝田 成 (近畿大4年)二塁 163/70 右/左 (関大北陽出身) 
 




 「ミート力は確か」





 勝田 成のプレーを観ていると、ボールを捉える確かなミート力が際立つ。そういった意味では、プロの世界でもしぶとく生き残る生命力を感じさせる選手だ。


走塁面:
☆☆☆☆ 4.0

 左打席から一塁到達タイムは最速3.85秒前後で、プロの平均(約4.1秒)を上回る上位クラスのスピードを持つ。今春のリーグ戦では14試合で9盗塁を成功させ、高い盗塁技術に果敢な走塁を兼ね備える。隙を突いたセーフティバントで、相手を揺さぶる視野の広さも持ち味だ。そういった意味では、将来的に年間20盗塁級の活躍が見込めるかもしれない。

守備面:
☆☆☆☆ 4.0

 小回りの利く動きと素早い切り返しで、二塁手として
広い守備範囲を持つ。スピードを活かしたゴロ処理は安定感があり、プロでも通用するレベルだ。ただし、地肩の強さがやや不足し、難しい体勢からの送球で乱れが生じ、昨秋は14試合で3失策を記録した。しかし、今春は14試合無失策と安定感が増し、送球精度の向上が顕著だ。

 大学代表合宿でショートも守ったが、長い距離の送球不安から二塁手が最適なポジションと見られる。そういった意味では、ショートやサードでは物足りなさを感じる可能性があり、
セカンドを求める球団に適した選手だろう。


打撃内容

 今春のリーグ戦では
14試合に出場し、打率.429(リーグ3位)、0本塁打、6打点を記録。大学選手権でも2試合7打数で3安打を放ち、ミート力の高さを示した。

<構え>
☆☆☆★ 3.5

 左打席から前足を軽く引き、グリップは平均的な高さに設定。腰の据わり具合や両眼で前を見据える姿勢はまずまずで、全体のバランスも安定している。

<仕掛け> 平均

 昨秋は投手のリリース前に動き出す「早めの仕掛け」を採用していたが、今春は投手の重心が下がりきるタイミングで始動する「平均的な仕掛け」に変更した。この仕掛けは、確実性と長打力を両立する中距離打者やポイントゲッターに多く見られる。速球と変化球に対応する柔軟性はあるが、プロのスピードへの適応には試行錯誤が必要だろう。

<足の運び>
☆☆☆★ 3.5

 足を引き上げ、真っ直ぐ踏み出す。始動から着地までの「間」はまずまずで、内外角の球を幅広くさばける。インパクト時に足が閉じ、動かないため、低めや逃げる球にも食らいつき、レフト方向への広角打撃が得意だ。

 昨秋はアウトステップ気味だったが、今春は真っ直ぐ踏み込む形に改善し、打てるコースは広がった。そういった意味では、プロでも対応力のある打撃スタイルと言えるが、長打力より
ミート重視の傾向が強い。

<リストワーク>
☆☆☆☆ 4.0

 打撃準備の「トップ」を早め形成し、速球に遅れない。
バットの振り出しは無駄がなく、上からインパクトまでのスイング軌道は理想的だ。バットヘッドが下がらず、広い面でボールを捉えるため、フェアゾーンに飛びやすい打球を生む。ただし、バットのしなりを活かさないスイングのため、プロの球威に戸惑う可能性がある。昨秋より無駄な動きが減り、ミート重視のスイングにし当てることには進化を見せたが、それを打ち返すことに不安が残る。

<軸>
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げによる目線の上下動は平均的で、体の開きを我慢できる。軸足の粘りがあり、体勢を崩してもミートして打ち返すことが可能だ。

(打撃のまとめ)

 勝田の打撃は、ミ
ートセンスが最大の武器だ。しかし、バットのしなりを活かさないスイングは、プロの球威への対応に課題を残す。昨秋に比べ、スイングの無駄が減り、対応力が向上したが、プロでより遠心力を活かしたスイングが求められるかもしれない。そういった意味では、入団後1~2年は、一軍で大活躍とは行かない可能性がある。


(最後に)

 勝田 成は、セカンドで持ち味を発揮するタイプだ。プロ級の走力(一塁到達3.85秒)と守備範囲、優れたミートセンスを武器に、将来一軍での活躍が期待できる。課題の送球や打撃のパワー不足は、技術と経験で補える範囲と見る。そのため体格の小ささは、そこまで気にならない。二塁手を求める球団から、ドラフトでは下位指名から育成枠あたりでの評価をされているのではないのだろうか。


蔵の評価:
(下位指名級)


(2025年 大学選手権)









勝田 成(近畿大3年)二塁 163/70 右/左 (関大北陽出身) 
 




 「身体のサイズ以外に欠点はあるのか?」





(守備・走塁面)

 一塁までの到達タイムは、左打席から3.85秒前後と快速だ。このタイムであれば、
プロでもトップクラスのスピードがあると言える。実際、3年秋のシーズンには10盗塁を記録。ただ速いだけでなく、盗塁する技術と積極性を兼ね備えた選手だ。

 また、関大北陽時代からセカンドの動きの良さには定評があった。
動作の切り返しが素早く、守備範囲も広い。ただ、一つ気になることがあるとすれば、スローイングがあまり良くない点だ。3年春のシーズンでは9試合で2失策、秋のシーズンでは13試合で3失策と、二塁手としては多い。アクロバティックな動きに目が奪われがちだが、送球が乱れるケースが多い。この点に関しては、最終学年で見極めたいポイントだ。





(打撃内容)

 3年秋のシーズンは、
13試合で0本塁打、6打点、打率.396 の好成績を残し、全体の2位となった。12月に行われた大学代表・松山合宿にも選ばれていた。

<構え> 
☆☆☆☆ 4.0

 左打席から左足を引いて、グリップの高さは平均的。腰を深く据え、両眼で前を見据える姿勢も良く、全体にバランスよく構えられている。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下がる時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングだ。

<足の運び> 
☆☆☆☆ 4.0

 足を上げて回し込み、軽くアウトステップして踏み込んでくる。始動から着地までの「間」が取れており、速球でも変化球でもスピードの変化に幅広く対応できる。軽くアウトステップするように、若干意識は内角寄りにあるようだ。

 踏み込んだ前の足も、
インパクトの際にブレずに我慢する。そのためアウトステップでも、甘めの外角球や低めの球にもついて行けそうだ。

<リストワーク> 
☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力まずにボールを呼び込めている。バットの振り出しも、決してインサイドアウトに出てくるタイプではないが、外の球をさばくのにロスは感じない。バットの先端である
ヘッドを上手く残しているので、外角の球でも上手く拾ってヒットゾーンに落とせる。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げも静かなので、目線の上下動はあまりない。身体の開きも我慢できており、軸足にも粘りが感じられる。

(打撃のまとめ)

 技術的には完成されていて、大きな欠点は見当たらない。そういった意味では、高いレベルに混ざっても順応するのは早いのではないだろうか。あとは、何処まで感性を磨いて、自分なりの打撃を広げて行けるかだと思う。


(最後に)

 サイズ的な問題以外には、
送球の不安定さを課題として挙げたい。本人が育成指名でもプロに行きたいという意気込みがあるならば、この体格でも指名してくる球団が出てくるかもしれない。逆に、こういった選手がプロでどのぐらいやれるのか、ぜひ観てみたいと思う。


(2024年 秋季リーグ戦)