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勝田 成(近畿大3年)二塁 163/70 右/左 (関大北陽出身) 
 




 「身体のサイズ以外に欠点はあるのか?」





(守備・走塁面)

 一塁までの到達タイムは、左打席から3.85秒前後と快速だ。このタイムであれば、
プロでもトップクラスのスピードがあると言える。実際、3年秋のシーズンには10盗塁を記録。ただ速いだけでなく、盗塁する技術と積極性を兼ね備えた選手だ。

 また、関大北陽時代からセカンドの動きの良さには定評があった。
動作の切り返しが素早く、守備範囲も広い。ただ、一つ気になることがあるとすれば、スローイングがあまり良くない点だ。3年春のシーズンでは9試合で2失策、秋のシーズンでは13試合で3失策と、二塁手としては多い。アクロバティックな動きに目が奪われがちだが、送球が乱れるケースが多い。この点に関しては、最終学年で見極めたいポイントだ。





(打撃内容)

 3年秋のシーズンは、
13試合で0本塁打、6打点、打率.396 の好成績を残し、全体の2位となった。12月に行われた大学代表・松山合宿にも選ばれていた。

<構え> 
☆☆☆☆ 4.0

 左打席から左足を引いて、グリップの高さは平均的。腰を深く据え、両眼で前を見据える姿勢も良く、全体にバランスよく構えられている。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下がる時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングだ。

<足の運び> 
☆☆☆☆ 4.0

 足を上げて回し込み、軽くアウトステップして踏み込んでくる。始動から着地までの「間」が取れており、速球でも変化球でもスピードの変化に幅広く対応できる。軽くアウトステップするように、若干意識は内角寄りにあるようだ。

 踏み込んだ前の足も、
インパクトの際にブレずに我慢する。そのためアウトステップでも、甘めの外角球や低めの球にもついて行けそうだ。

<リストワーク> 
☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力まずにボールを呼び込めている。バットの振り出しも、決してインサイドアウトに出てくるタイプではないが、外の球をさばくのにロスは感じない。バットの先端である
ヘッドを上手く残しているので、外角の球でも上手く拾ってヒットゾーンに落とせる。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げも静かなので、目線の上下動はあまりない。身体の開きも我慢できており、軸足にも粘りが感じられる。

(打撃のまとめ)

 技術的には完成されていて、大きな欠点は見当たらない。そういった意味では、高いレベルに混ざっても順応するのは早いのではないだろうか。あとは、何処まで感性を磨いて、自分なりの打撃を広げて行けるかだと思う。


(最後に)

 サイズ的な問題以外には、
送球の不安定さを課題として挙げたい。本人が育成指名でもプロに行きたいという意気込みがあるならば、この体格でも指名してくる球団が出てくるかもしれない。逆に、こういった選手がプロでどのぐらいやれるのか、ぜひ観てみたいと思う。


(2024年 秋季リーグ戦)