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谷端 将伍(日大3年)三塁 176/76 右/右 (星稜出身) 





 「村田修一以来の逸材」





 
 日大では、あの 村田 修一 以来の逸材と言えるのが、この 谷端 将伍 。3年春のシーズンでは、4本塁打を放ち、打率.327で首位打者も獲得。秋のシーズンは2本塁打ながら、打率.417と数字を大きく伸ばして魅せた。今年の東都リーグ、屈指のホームランアーチストだと言えよう。


(守備・走塁面)

 春は8失策と安定感を欠いていたが、秋は10試合で1失策とサードの守備にも安定感が出てきた。実際観ていても、キャッチングまでの動きは悪くなく、補球に関しては上手い部類ではないだろうか。やはり不安な点があるとすれば、スローイングではないかと思われる。それでも、地肩は強く、水準以上のものを持っている。春~秋にかけて、相当守備を鍛えてきた跡が伺えた。

 想像以上だったのが、走力の部分。右打席から、4.25秒前後で到達することも多く、左打席に換算すると4.0秒前後に相当するタイム。春・秋のシーズンで合わせて3盗塁と多くはないが、走力自体は想像以上に速いことに驚かされた。

 最終学年での守備の安定感と、この走力を活かし、どんなプレーを魅せてくれるのか注視したい。





(打撃内容)

 打撃を見ていると、引っ張る打球が非常に多い打者という印象。そのため、上手く巻き込めたときには長打に繋がりやすい、そういったタイプの打者に思えた。

<構え> ☆☆☆★ 3.5

 両足を揃えたスクエアスタンスで、前の足のかかとを浮かせつつグリップは高めに添えます。それほど腰は据わらず全体のバランスとしては並ぐらいなのですが、両眼でしっかり前を見据えています。錯覚を起こすことなく、球筋を追うことができる構えです。 

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下り始めてから動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多く見られる始動のタイミングです。

<足の運び> ☆☆☆★ 3.5

 足を引き上げて回し込み、まっすぐ踏み出してきます。始動から着地までの「間」は充分あり、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。まっすぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプかと。

 踏み込んだ前の足も我慢できているので、逃げてゆく球や低めの球にもついて行きやすい。ただし、打球の多くは、センターからレフト方向に集中しているので、無理に引っ張ってのゴロは少なくないようにも思いました。

<リストワーク> ☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは早めにできており、速い球には立ち遅れにくいかと。ただし、あらかじめグリップを引いて構えると、リストワークに遊びがなくなり、柔軟性が損なわれるきらいはあります。

 バットの振り出しは、決してインサイドアウトに出てくるようなタイプではありません。それでいて、バットの先端であるヘッドは下がっていないので、ドアスイングになることもありません。広い面でボールを捉えられる分、フェアゾーンにはボールが飛びやすいのではないかと。

 思ったよりも、スイングの弧は大きくなく、フォロースルーを使って運ぶといったスイングではありません。それでも、上手く巻き込めた時には、高い確率でスタンドインできる選手です。

<軸> ☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げがあるので、目線の上下動はそれなり。身体の開きは我慢できており、軸足も安定してスイングできています。多少自分からボールを追ってしまうところがあるので、身体が突っ込んだりしないように注意したいところ。

(打撃のまとめ)

 これだけの強打者でありながら、対応力が高いのは好感が持てます。実際動作を見ていると、飛ばし屋というよりも、対応力に重きが置かれたスイングであることがわかります。あとは、センターから右方向への打撃も意識できると、打てないゾーンも減ってゆくのかなと思う部分はあります。それでも、甘い球を逃さず引っ張ることで、高い確率でホームランを放つことに成功しているのでしょう。


(最後に)

 想像以上に走力があり、三塁守備にも成長が感じられました。打撃も脆さがあるタイプではないので、その点も異彩を放っています。最終学年での内容次第では、1位の12名に入ってきても不思議ではありません。現状は、2位前後の位置づけで見てゆけばいいかなといった感じで考えています。


(2024年 秋季リーグ戦)