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中山 太陽 (東京大3年)左翼 187/80 右/左 (宇都宮出身) | |
長らくアマチュア野球を見てきて、東大の野手で心惹かれたのは、正直この 中山 太陽 が初めてだ。187センチの恵まれた体型から繰り出されるヘッドスピードは、メジャー級の数字を計測するのだという。
(守備・走塁面)
一塁までの塁間は、左打者から3.9秒強と、プロに混ぜても俊足レベル。3年秋のリーグ戦では、12試合で1盗塁。積極的に盗塁を仕掛けてくるタイプではないが、大型でも動ける脚力があるのは間違いない。試合でもセーフティバントを試みようという仕草を見せたりするので、そういった走塁意欲を、盗塁にも傾けられないのか?という思いは残る。
この脚力を活かし、レフトでも広い守備範囲を誇る。球際でのキャッチングは下手ではないが、最初の打球判断が少し悪く、それ故にギリギリでのキャッチが多くなるようにも見える。なぜ、これだけの身体能力を持ちながらレフトなのかと言えば、恐らくこの打球判断の部分と肩があまり良くないからなのだろう。送球の形はあまり良くなく、地肩自体もドラフト候補としては中の下ぐらいではないかと思えるからだ。
(打撃内容)
3年秋のリーグ戦では、12試合で1本、4点、打率.341 でベストナインを獲得した。
<構え> ☆☆☆★ 3.5
左打席から前の足を軽く引いて、グリップは高めに捕手側に引きつつ、バットを立てて添えられている。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスとしてもまずまずだが、あらかじめグリップを捕手側に引いているせいか、少し構えが固く見えてしまう。
<仕掛け> 平均
投手の重心が下がりきった底のあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離ヒッターや、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングとなる。
<足の運び> ☆☆☆★ 3.5
始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応できる。踏み込んだ前の足は、ベース側にインステップしてくるので、外角への意識が強そうなタイプ。
踏み込んだ前の足は、インパクトの際にブレずに我慢している。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができている。また、レフト方向へ流したり、低めの球を拾うのも上手い。
<リストワーク> ☆☆☆★ 3.5
あらかじめグリップを捕手側に引いており、「トップ」を作るのは早い。そのため、速い球には立ち遅れない反面、リストワークの柔軟性は損なわれやすい。バットの振り出し自体は、決してインサイドアウトに出てくるわけではない。それでも、外角の球を叩くにはロスは感じられず、特に上手くヘッドを残すことで、外角の球を拾ったり流したりするのが上手い。
また、ヘッドスピードもメジャークラスというだけあって、上手く巻き込めた時には圧巻のホームランを放つことができる。
<軸> ☆☆☆★ 3.5
頭の上下動は並ぐらいで、目線の動きもそこまで狂いはなさそう。身体の開きも我慢でき、軸足にも粘りが感じられる。体勢を崩しても低めの球が拾える分、身体が突っ込み過ぎないように注意したい。
(打撃のまとめ)
強靭なヘッドスピードを誇るだけでなく、シブとさと柔らかさも兼備している。そのため、引っ張った時には長打を、センターからレフト方向にはキレイに流したりと、しぶとく低めの球に食らいつく器用さがある。タイミングの取り方が平凡なのと、内角のさばきを含めてどうなのかは、この一年で見極めて行きたいポイント。
(最後に)
俊足・強打の外野手として、歴代東大打者の中でも屈指のポテンシャルを感じさせる選手。ただし、現状は、走力はあっても盗塁面が弱いこと、肩などを含めた守備が今一つなこと、あるいは、埋もれやすい左打ちの外野手だということを考えると、なかなかプロ入りへの道は楽ではないのだろう。それでも最終学年に、どのようなプレーを見せてくれるのか楽しみに見守りたい。
(2024年 秋季リーグ戦)
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