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杉山 諒(愛知学院大4年)外野 171cm/65kg 左投左打(愛産大三河出身)





 「今年はこういうタイプは少ない」





 まさに「足のスペシャリスト」として、大学日本代表に選出された 杉山 諒。今年、走力を全面に出している選手は少なく、ドラフト戦線でも注目すべき存在ではないだろうか。


走塁面:
☆☆☆☆★ 4.5

 左打席から一塁への到達タイムは約3.8秒。このタイムは、
プロのトップレベルと比較しても遜色ない脚力を示す。4年間のリーグ戦で22盗塁を記録し、失敗はわずか3回、成功率88%と高い。走力だけでなく、盗塁技術や積極的な走塁意識も持ち合わせていると言える。

守備面:
☆☆☆☆ 4.0

 この脚力を活かし、守備範囲は広い。捕球や落下点への動きに大きなロスはなく、
後方への打球にも計算された動きで対応できる。キャッチングは丁寧さに欠ける印象だが、肩の強さは平均以上。捕球後の素早い返球も特徴で、平塚合宿の紅白戦ではセンターからの返球で刺殺を記録した場面も見られた。

 ただ速いだけでなく、走塁技術や積極性が高く、中堅手としても平均以上の守備力を持つ。肩の強さも水準を満たすものがあり、それでいて素早い返球を意識し
実戦的な外野手という印象だ。





打撃内容

 4年春のリーグ戦では、
13試合で0本塁打、5打点、7盗塁、打率.339 とまずまずの成績を残した。バットを短く持ち、粘り強い打撃が特徴の巧打者と言える。以下、打撃フォームを分析し、4年間の通算成績を交えながら、この選手の特徴を考察する。

試合数
打数
安打
左打者打率
右打者打率
本塁打
打点
三振
四死球
出塁率
長打率
打率
68
251
91
.333
.370
0
18
19
17
..403
..398
.363

セイバーメトリクス分析

OPS(出塁率+長打率):.403 + .398 = .801。大学レベルでは優秀だが、プロでは平均的。長打力不足(長打8本、本塁打0)が影響。

BB/K(四球/三振):17/19 ≈ 0.89。選球眼は悪くないが、優れたコンタクト能力(三振19)と比較すると、
四球数がやや少ない

ISO(純長打率):長打率.398 - 打率.363 = .035。極めて低い数値で、
長打力はほぼ皆無。単打中心の打者。

BABIP(打球内安打率):(91安打 - 0本塁打)/(251打数 - 19三振 - 0本塁打 + 24犠打) ≈ .387。高い数値は、速い打球や内野安打の多さを示唆。脚力が貢献している可能性が高い。

犠打24:チームプレーを重視し、バント技術が高い。リードオフマンとしての役割を果たす。

構え:
☆☆☆☆ 4.0

 左のオープンスタンスで、グリップを下げて構える。腰の据わり、両眼で前を見据える姿勢、全体のバランスは良好。
リラックスした構えが好印象

仕掛け:遅すぎ

 リリース直前まで動き出さない「遅すぎる仕掛け」を採用。狙い球を絞り、鋭く捉える技術が必要。セイバーメトリクス的に、速球への対応力が低いと推測され、BABIPの高さは
内野安打やコンタクト技術に依存している可能性がある。

足の運び:
☆☆★ 2.5

 足の引き上げが少なく、アウトステップ気味に踏み込む。始動から着地までの「間」が短く、打てるタイミングは限られる。内角への意識が強く、コンパクトなスイングで無駄を抑えるが、インパクト時に踏み込んだ足が早く地面から離れるため、逃げる球や低めの球に弱い。ISOの低さは、この足の運びによる長打力不足を反映している。

リストワーク:
☆☆☆★ 3.5

 「トップ」の形は自然体で、力まずにボールを呼び込める。ただし、グリップを引き上げる
ヒッチ動作があり、高速球への対応に課題。バットを寝かせて振り出し、コンパクトなスイングで接地面を広く保ち、BABIPの高さに寄与。長打力の低さは、バットの軌道がフラットなためと考えられる。

軸:
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げが小さく、
目線のブレが少ない。体の開きを我慢しきれず、逃げる球や低めの球に弱いが、軸足の粘りでボールに食らいつく。低いISOと高いBABIPは、コンタクト重視のスイングが長打を犠牲にしていることを示す。

打撃のまとめ

 5月18日の中京大戦では、初打席で内角速球をセカンドゴロに抑えられたが、2打席目で同速球をセンター前に打ち返す対応力を見せた。遅すぎる始動とヒッチ動作により速球への対応に課題があり、体の開きや足元の我慢不足から逃げる球や低めの球に弱い。当てる技術は優れるが、打てる球とそうでない球の差が明確。OPS.801はコンタクトと出塁力によるもので、長打力不足が課題。


最後に

 プロでも上位クラスの走力と平均以上の守備力を持つ。
打撃は当て勘が良く、BABIPの高さが脚力とコンタクト能力を反映。犠打24はリードオフマンとしての価値を高めるが、ISOの低さから長打力強化が課題。打席でのルーティンや足場のこだわりから、プレーへの追求心も窺える。高い評価まではできないが、走力とチームプレーを求める球団にとって、下位指名や育成枠での価値がある。個人的には、指名に値する選手だと判断する。


蔵の評価:
(下位指名級)


(2025年 平塚合宿)