25dy-2
松川 玲央(城西大3年)遊撃 183/78 右/左 (関西出身) | |
12月に松山で行われた、大学代表選考合宿では、50メートルで最速のタイムを叩き出した 松川 玲央。25年度のドラフト戦線でも、トップクラスの二遊間候補として注目される。 (守備・走塁面) 一塁までの塁間は、左打席から3.85~3.75秒前後で到達する、プロでもトップクラスの脚力の持ち主。リーグ戦でも、2年春から4季連続で8盗塁以上を記録している。プロでも足を売りにして行ける、そういった可能性を秘めた選手なのだ。 一方遊撃手としては、打球の正面にまわって補球するなど基本に忠実なイメージ。183センチの大柄さ故に、それほど小回りが利くとか俊敏なイメージはないが、ドラフト候補としては平均的な守備力の遊撃手ではないのだろうか。地肩も 中~中の上ぐらいはありそうで悪くない。春・秋の24試合で、失策は2個。安定としても、それほど悪くなさそうだ。 走力はプロで売りにして行けるレベルにあるが、遊撃手としてはそこまで圧倒的に上手いわけではない。そういった意味では、将来的には他のポジションにコンバートされてゆく、そういった可能性も少なくなさそうだ。 (打撃フォーム)
3年春は、首都リーグの1部で打率.350(5位)、秋は.375(3位)の好成績を残している。1年春から二部ではあるがリーグ戦に出場し、常にリーグ上位の打率を残してきた。その安定感は、見事ではないのだろうか。
<構え> ☆☆☆☆ 4.0
左打席から、前の足を軽く引いてカカトを浮かし、グリップは高めに添えてバットを少し倒して構えている。背筋を伸ばし、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスもまずまず。打席でも集中力が感じられ、良い構えではないのだろうか。
<仕掛け> 平均
投手の重心が沈みきった底のあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離打者や、勝負強さを売りにするポイントゲッターが多く採用する始動のタイミングとなる。
<足の運び> ☆☆☆★ 3.5
足を軽く上げて、少しアウトステップ気味に踏み込みます。始動~着地までの間はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。軽くアウトステップするように、内角への意識の方が若干強そうだ。
踏み込んだ足元も、インパクトの際にはブレずに止まっている。そのため、アウトステップでも甘めの外角球や低めの球でも、ついて行くことは可能だろう。打球も、センターからライト方向への打球だけでなく、レフト方向にも打ち返し幅広い。どちらかというと、引っ張った時には長打が、センターからレフト方向には低めの球にも シブトク食らいつく傾向が強いように思えた。
<リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0
打撃の準備である「トップ」の形は自然体で、力みなくボールを呼び込めている。バットの振り出しも、上から振り下ろして来るインサイドアウトのスイング軌道で、インパクトまでのロスは感じない。ただし、あまりバットのしなりを活かしたスイングではないので、外角の強い球をきっちり打ち返すのはどうか?という疑問は持っている。
それでもスイングの弧は大きく取れ、フォロースルーも使えて打球を遠くに運ぶことができる。ヘッドスピードも速く、ボールの呼び込み方も悪くない。
<軸> ☆☆☆☆ 4.0
足の上げ下げは静かで、目線の上下動は少なめ。身体の開きも我慢でき、軸足も形が崩れず安定している。特に、内腿の筋肉も発達しており、力強い打球を生み出す原動力になっている。
(打撃のまとめ)
二遊間候補でありながら、確かな打力があるところが最大の魅力。想像以上にスイングは強烈で、それでいてしぶとく食らいつくこともできる。そういった意味では、打撃で他のポジションの選手に見劣るということはなさそうだ。
(最後に)
プロでもトップクラスになりうる脚力に加え、二遊間のドラフト候補としてはA級の打力の持ち主。遊撃手として垢抜けていないが、他のポジションの起用も加味して評価するのであれば、充分に高い評価ができる選手ではないのだろうか。最終学年では、大いにクローズアップされる、そんな選手になって行けそうな予感がする。
(2025年 秋季リーグ戦)
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