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小出 望那(大阪産業大4年)捕手 175/85 右/右 (大産大附属出身) | |||||||||||||||||||||||
こと守りに関してはプロ級の素材だと思うが、打力については意見が分かれそうな 小出 望那 。その理由を、セイバーメトリクスの視点も交えて分析する。 ディフェンス面 体を小さく屈めて的を大きく見せるキャッチングには、投手への配慮が感じられる。ハンドリングは柔らかく、打球への反応やワンバウンドの処理も素早い。カバーリングにも怠りなく、しっかりと入りに行く。捕球後、座ったまま素早く投手に返球するが、その動作に雑さはない。投手のテンポを強く意識したプレーだと考えられる。 二塁への送球は、大学選手権では見られなかったが、塁間1.8秒台後半を記録。昨年の大学代表合宿でも、下級生ながら地肩の強さが目立っていた。やや腕が横から出るため、シュート回転しやすい点は評価が分かれるかもしれないが、総じてディフェンス面に大きな欠点はなく、プロ級の素材と評価して良いだろう。 (打撃内容) 4年春の大学選手権では、2三振、死球、セカンドフライと目立った結果を残せなかった。今春のリーグ戦で打率.179、リーグ通算でも打率.231と、ドラフト候補としては物足りない。対左投手打率.187、対右投手打率.252と、右投手に対してやや強い傾向が見られる。以下に大学通算成績を示 す。 リーグ通算60試合+大学選手権1試合
(打撃フォーム) <構え> ☆☆☆★ 3.5 右打席で前の足を軽く引き、グリップを高めに構える。腰の据わり具合、両眼で前を見据える姿勢、全体のバランスはまずまず。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下がるタイミングで動き出す「早めの仕掛け」を採用。対応力を重視するアベレージヒッターに多く見られる。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 足を上げて回し込み、真っ直ぐ踏み出す。始動から着地までの「間」が取れており、速球や変化球に幅広く対応可能。内角・外角どちらもさばきたいタイプ。踏み込んだ足がインパクト時に動かず、逃げる球や低めの球にも対応できる。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 バットのヘッドを投手側に倒し、グリップを引き込むため、ボールを呼び込む動作が多い。「トップ」を作るタイミングは遅れていないが、動作の多さが確実性に影響している可能性がある。 スイング軌道にロスはなく、インパクト時にヘッドが下がらないため、フェアゾーンに飛びやすい。スイングの弧も大きく、ISO(.143)に反映される長打力を持つ。課題は、動作の簡略化でコンタクト率を向上させることではないのだろうか。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 目線がやや動き、ボールを呼び込む際にズレが生じる可能性がある。それでも体の開きは我慢できており、軸足の形も大きく崩れない。内腿の筋肉の発達は、打球速度やISO(.143)の原動力となっている。 セイバーメトリクス分析 wOBA<出塁率と長打力を総合評価>(.334): 出塁率の高さ(四死球48)が寄与し、リーグ平均を上回る可能性。捕手としては悪くないが、打率の低さが総合的な打撃力を下げる。 ISO<選手の長打力を測る指標>(.143): 長打力は中程度。レポートの「捉えれば長打力がある」に一致するが、コンスタントな長打は期待薄。 BABIP<打者が打ったボールが野手の守備範囲内に飛んだ場合(インプレー)の打率>(.270): 平均より低く、運が悪い可能性もあるが、「スイング前半部の動作のズレ」が打球の質(ゴロや弱いフライ)に影響している可能性も考えられる。 BB/K< 打者が四球(BB)を獲得する頻度と三振(K)する頻度を比較した指標>(0.94): 四死球48、三振51で、選球眼はまずまず。プロの捕手(例:NPB平均BB/K 0.7~0.8)としては及第点だが、打率向上にはコンタクト力の改善が必要。 対左右投手: 対右投手(.252)はまずまずだが、対左投手(.187)は明確な弱点。プロでは左投手の登板頻度(約30%)を考慮すると、改善が急務。 打撃のまとめ 打率(.228)は低いが、出塁率(.370)とwOBA(.334)は四死球(48)の多さでカバーされ、捕手としてはリーグ平均を上回る可能性。ISO(.143)は中程度の長打力を示すが、BABIP(.270)の低さから、打球の質やコンタクトに課題がある。対左投手(.187)での苦戦は、スイング前半部の動作の多さや軸のブレが原因と考えられる。スイング軌道やインパクト後の動作に問題は少なく、動作の簡略化でコンタクト率の向上(三振率.201低減)が期待される。 最後に 小出は決して非力な選手ではなく、wOBA(.334)やISO(.143)から、捉えれば長打力と破壊力を発揮する。ディフェンスはプロ級で、二塁送球(1.8秒台後半)やキャッチングの質から、守備での貢献は高い。ただし、打撃の確実性(打率.228、BABIP.270)と対左投手(.187)の弱さが課題。 現時点では育成枠での指名が妥当だと判断するが、コンタクト力や対左投手の改善が見られれば、支配下指名も視野に入る。個人的には、打撃に物足りなさを感じ、☆(支配下級)評価には至らなかった。 (2025年 大学選手権) |