25dy-1





繁永 晟(中央大3年)二塁 174/78 右/右 (大阪桐蔭出身)
 




 「牧二世への期待」





 当たり年だと言える25年度の大学生内野手の中でも、先輩である 牧 秀悟(DeNA)に良く似たプレースタイルである 繁永 晟  。その実力も、最終学年には、牧に肉薄するのではないかと期待している。


(守備・走塁面)

 残念ながら、一塁到達タイムを正確に記録できなかった。しかし、試合を見ている限りは、ドラフト候補としては 中~中の上 ぐらいといった感じ。3年春の春季リーグでは、14試合で2盗塁と、盗塁への意欲も無いわけではなさそう。松山合宿での50メートル走では、6.2秒前後と、全体でも 平均的なタイムは出せていただけに、全く動けない選手ではないだろう。

 セカンド守備も、軽快だとか守備範囲が広いわけではないが、
堅実なプレーをする二塁手。そのため、春季・秋季共にリーグ戦では失策0個。むしろ守備に関しては、大学時代の 牧秀悟 以上に上手い感じがする。「強打の二塁手」として、勝負して行けるのではないのだろうか。



(打撃内容)

 パワフルなスイングをする広角打者といった感じで、
3年春には 3本塁打・11打点を残し、東都の首位打者にも輝いている。

<構え> 
☆☆☆☆ 4.0

 前の足を少しだけ引いて、グリップの高さは平均的な高さで添えている。腰はしっかり据わりつつも背筋を伸ばし、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスとしても悪くない。打席では、
適度な集中力も感じさせる。

<仕掛け> 平均

 投手の重心が沈みきった底のあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離ヒッターや、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く見られる始動のタイミングとなる。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を引き上げ回し込み、真っ直ぐ~軽くアウトステップ気味に踏み込んできます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐ~軽くアウトステップするように、内角でも外角でもさばく意志はあるものの、若干意識は内角寄りの方が強いのかもしれません。

 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にも、なんとかブレずに我慢。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも、ある程度ついて来られています。実際打球も、センターから右方向にも飛ばすことができます。また、引っ張った時の打球は強烈で、ホームランはその方向への打球が多いのではないのでしょうか。もう少し、
間合いが上手く図れるようになると、対応力も増しそう。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配は少なそう。バットの振り出しは、けしてインサイドアウトに出てくるタイプではないものの、バットの先端であるヘッドまでは下がっておらず、ドアスイングにはなっていません。

 打球に角度を付けて飛ばすというよりも、スイングの前を大きめ取りつつ、
強烈な打球で野手の間を抜けてゆくタイプ。時々、上手く巻き込めた時には、スタンドインするといったタイプではないのでしょうか。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 
足の上げ下げある割には、目線の動きは小さめ。身体の開きも我慢でき、軸足の形も安定している。そのため、調子の波は少ないタイプの打者ではないのだろうか。軸足の内腿発達しており、強い打球を生み出す原動力になっている。

(打撃のまとめ)

 
タイミングの図り方やボールを捉えるセンスが特別優れている感じはしないものの、技術的にも大きな欠点はなく、甘い球を逃さないで仕留めるタイプの打者ではないのだろうか。そういった部分に、凄みが出てくると上位指名も意識できる存在になって行きそうだ。


(最後に)

 
現状は、中位指名ぐらいかなといった位置づけ。しかし、3年春の内容を取り戻し、さらにプラスαを感じさせてくれれば、充分に「強打の二塁手」としての存在感を高めてくれるのではないかと期待している。当たり年の大学生内野手でも、個人的には、この選手が一番気になっている。


(2024年 秋季リーグ戦)