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松永 大輝(白鴎大3年)投手 171/67 左/左 (東海大菅生出身) | |
投球内容 先輩である 曽谷 龍平(オリックス)投手のような左投げのスリークォーターです。3年時には春・秋ともに5勝0敗という好成績を残しています。 ストレート 140キロ~140キロ台後半 ☆☆☆ 3.0 適度な勢いのある速球を、打者の外角を中心に集めてきます。特に球威や球速に関しては、現時点では平均的です。大学からプロ入りを考えるなら、もう一段階キレや球速を向上させたいところです。 変化球 ツーシーム・スライダー・カーブなど ☆☆☆★ 3.5 右打者の外角に小さく逃げるチェンジアップまたはツーシーム系の精度が高く、この球がピッチングの中心となっています。左打者に対しては、スライダーとのコンビネーションを活用。他にも緩いカーブなどを織り交ぜ、ストレートと上手く組み合わせながら投球を組み立てています。 その他 クイックは1.00~1.05秒程度とまずまずです。左腕ですが、牽制は確認できませんでした。特に「間」をじっくり取ったり、投げるタイミングを変化させたりするような投球術は見られませんでした。 投球のまとめ 現状では、投球にそれほど奥行きは感じられません。そのため、プロではリリーフ向きといった印象があります。しかし、リーグ戦での圧倒的な成績が示すように、試合を壊さず、まとめ、負けないというセンスは想像以上なのかもしれません。そのあたりを、最終学年でしっかり見極めたいところです。 成績から考える 3年秋のリーグ戦では、37回、17安打、9四死球、35三振、防御率0.49(1位)といった好成績を残しています。 1. 被安打は投球回数の70%以下 ◎ 被安打率は45.9%と低く、厳しく設定した基準でも余裕でクリアできています。リーグの中では、圧倒的な投球をしているのが伺えます。 2. 四死球は投球回数の1/3(33.3%)以下 ◯ 四死球率は24.3%です。ピンポイントで決める繊細なコントロールではないものの、外角を中心にボールを大まかに集め、甘いコースにはあまり入ってきません。特に、四死球で自滅するような危うさは感じられません。 3. 1イニングあたりの奪三振は0.9個以上 ◯ 1イニングあたりの奪三振は0.95個で、基準を満たしています。投球回数を上回るほどの圧倒的な奪三振率ではありませんが、適度に三振を奪えていました。ただし、NPBの一軍レベルの打者相手では、プロ入り後に奪三振率が半減する可能性もあります。 4. 防御率は1点台が望ましい ◎ 通算防御率は1.17と0点台に近く、過去2度の0点台も記録するなど、圧倒的な数字を残しています。 成績からわかること リーグ戦では圧倒的な成績を残してきましたが、全国大会でも同様に圧倒的な成績を残せるのか? リーグ戦を超えた舞台でのアピールが、大学からの指名の有無を左右するのではないでしょうか。リーグ戦で残してきた実績に関しては、大きな欠点は見当たりませんでした。 最後に まだ大学時代の、曽谷投手ほどの凄みやスケールは感じられません。一方で、危うさが少なくまとまりがあるのは、この松永投手の方だと感じます。そういった実戦派だと割り切って、中継ぎ候補として見れば面白い素材かもしれません。秋までの投球を見る限りは、まだ指名確実と言えるレベルには到達していませんでした。 (2024年秋 横浜市長杯) |