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渡邉 一生(仙台大3年)投手 172/72 左/左 (日本航空通信制出身) 
 




 「人は変われると信じたい」





 いろいろ紆余曲折あって、仙台大にたどり着いた 渡邉 一生 。能力的には、上位指名は間違いない実力の持ち主ではないのだろうか。


(投球内容)

 3年春のリーグ戦では、
3勝0敗、防御率0.27 で、リーグの最優秀防御率を獲得。その勢いで、全日本大学選手権にも出場し、そして、大学日本代表として国際大会の舞台にも立った。

ストレート 145キロ~150キロ 
☆☆☆☆ 4.0

 ボールにも確かな力があって、特に
ここぞのときの球には見るべきものがあります。そういった真っ直ぐの威力に関しては、昨年の 金丸 夢斗(関西大-中日1位)あたりと比べても、遜色ないぐらい。それほど細かいコントロールはないのだけれども、両サイドに大まかに投げ分けてくる。春は、33回2/3イニングで9四死球だったが、秋は15回2/3イニングで10四死球と、制球の乱れが激しかった。特に、普段の制球力よりも精神的にムラに課題がある選手なので、そういった悪い部分が出てしまうと、制球を大きく乱すことがある。

変化球 カーブ・チェンジアップなど 
☆☆☆★ 3.5

 普段は、大きく緩いカーブをアクセントに多く使ってきます。また右打者には、
チェンジアップ系の球を多く使い武器にしています。むしろ左打者にはチェンジアップが投げられないので、左投手でも左打者に対して投げ難いのではないでしょうか。いずれにしても、もう少し他の球種を使えるようにしたい。

その他

 クイックは、1.0秒前後~1.2秒前後と幅広く、これは
投げるタイミングを時々変えている節がある。牽制も「間」を入れるような軽めのものから、刺しに来る時の鋭いものまで使い分けてくる。フィールディングなどの動きも良く、走者への目配せも悪くない。そういった、いろいろ考えて投球できる冷静さはあるようだ。気持ちの浮き沈みが激しい選手なのでで、多少今でもそういったところを顔を覗かせるときがある。それでも以前に比べれば、だいぶ落ち着いて投球できるようにはなってきるのではないのだろうか。

(投球のまとめ)

 
持っているボールひとつひとつ、動作一つ一つには、高い能力を感じます。その一方で、マウンドで冷静さを失ったり、そういった浮き沈みは、時々顔を覗かせます。そういった意味では、彼のそういった気質を周りが理解し、フォローできる環境に進めるかどうかが、より成功への鍵となりそおうです。。





(投球フォーム)

 セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さはそれなり。軸足一本で立った時には、膝から上がピンと伸びきることなく、適度にバランスよく立てていた。

<広がる可能性> 
☆☆☆ 3.0

 引き上げた足をピンと伸ばさないまま重心を沈めてくるので、お尻の三塁側への落とし(左投手の場合は)はバッテリーライン上に残りがち。そういった意味では、カーブやフォークといった球種を投げるのには無理が生じやすいです。

 「着地」までの地面の捉えは並ぐらいで、身体を捻り出す時間も平均的。そのため、曲がりの大きな変化よりも、球速のある小さな変化で投球の幅を広げて行きそうです。それでも、カーブはアクセントになっていますし、チェンジアップも効果的に使えているので、その点はあまり気にしなくても良さそうです。

<ボールの支配> 
☆☆☆ 3.0

 
グラブは最後まで内に抱えられており、外に逃げようとする遠心力を内に留めることはできている。したがって軸はブレにくく、両サイドへのコントロールはつけやすいのでは? 足の甲での地面の捉えが浅いので、浮き上がろうとする力を充分には抑えられていない。高めに抜けるといった球は少ないが、結構高めに甘く入ることも少なくない。「球持ち」自体は悪くないが、指先の感覚としては並ぐらいだろうか。

<故障のリスク> 
☆☆☆★ 3.5

 お尻が落とせない割に結構カーブを使ってくるので、窮屈になる機会も多く肘への負担も少なくないかもしれません。それでも、腕の送り出しを見ていると、肩への負担は少なそう。それほど力投派ではないので、疲労を溜めやすいといったこともなさそうだ。

<実戦的な術> 
☆☆☆ 3.0

 「着地」までの地面の捉えは並ぐらいで、ボールの出どころも平均的。そういった意味では、そこまで打者が苦になるようなフォームではないのかもしれない。

 
腕は強く振れており、打者としては勢いで吊られやすい。「球持ち」も良く、体重を乗せてからリリースできているように見えるものの、少し投げ終わったあと三塁側に流れるので、ダイレクトにエネルギーをリリースまで繋げられているかは疑問が残ります。この辺が改善されると、もっと打者の手元まで強い球が投げられるのではないのでしょうか。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、極端に悪いところはないものの、どの部分も平均的。逆にこれは、伸び代として期待したい。制球を司る動作では、足の甲が浮きがちなこと。故障のリスクは、お尻を落とせない割にカーブを多く使うことで、窮屈になる機会も大きいそうなフォームではあります。また、将来的に武器になるほどの変化球を習得できるかは微妙です。それでも、現時点で
チェンジアップなどは効果的で、この部分はあまり気にしなくても良さそうです。全体的には、どれも平均的で可も不可なしといったフォームです。今後物足りない部分を伸ばせればという意味では、伸び代を多く残しているとも言えると思います。

(最後に)

 投げているボール自体は、上位(2位以内)は充分に意識できるものがあります。実際冷静な時には、
いろいろ考えて投球できている点も高く評価できます。あとは、ムラみたいなものをいかに減らして行けるか? そういった部分に不安がなくなってくれば、1位の12名の中に名前を連ねることになるのではないでしょうか。


(2024年 秋季リーグ戦)